-京都金杯-平林雅芳の目

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水曜京都11R
京都金杯(GⅢ)
芝外1600m
勝ちタイム1.33.4
勝ち馬
シルポート(牡6 栗東・西園厩舎)

※※ 先行馬天国の淀、シルポートが綺麗に逃げ切る!

4コーナーを回ってくるリーチザクラウンを見ていて、《よし!後は前の馬を交わすだけだぞ!》と思っていた。あそこから絵に描いた様に伸びてきて、前の馬を交わしてゴールと思えたのである。しかし、すぐ前を行くライブコンサートをもかわせず。結局は、行った行ったの前々競馬で、今年の金杯は決着がついた。初日の淀は、ダートも芝もほとんどのレースが前々で決る決着。先行馬が幅を利かす一日であった。シルポートは暮れから連勝。重賞初制覇を金杯で飾った。

一番最後に引き上げてきたシルポートの小牧Jが、馬上から《今年は正月から縁起がいいわ~》と語って通過して行った。してやったりと、まさしく描いたとおりの競馬となったはずだ。
スタートからスッと先手を決めての逃避行。最初の3ハロンを35.4で入り、2番手にガルボが続いた。前走の阪神カップよりも前で競馬する。1番人気のリーチザクラウンは、今回もゲートの出が良くなかった。しかし、その後は直ぐに前に取り付いて、ライブコンサートの直後に位置した。

先頭のシルポートは、軽快に逃げ脚を伸ばして行く。1000メートルの通過が58.8。オープンクラスで、まして開幕週。こんな理想的な流れになるとは、小牧Jも驚いていたに違いない。2番手ガルボ、3番手に内からライブコンサートが上がり、直後にリーチザクラウンが続いて4コーナーを回る。リーチザクラウンが、ライブコンサートの外へ出てくるのかと思って観ていたら、内ラチ沿いを選んだ。すぐに接近するだろうと見ていたが、それがなかなか前との差が縮まらない。それもそのはずである、後でラップを見ると、4コーナー手前の残り800メートルの通過ラップが11.4~11.2~11.4~12.0である。最後の1ハロンはガルボだけが接近したところであるが、それでもシルポートをかわせなかった。

ガルボだけが詰め寄ったシルポートの逃げ。それでも、クビ差ながらもっとある様な差であった。ライブコンサートがそこから1馬身と四分の一。リーチザクラウンはさらに1馬身半。さらに、ネオヴァンドームサンディエゴシチーと続いた。
阪神はゴール前で少し昇り坂があるだけでも先行馬のスピードが衰えるが、淀は平坦。万葉Sでも、4コーナー先頭のコスモメドウが51キロの軽量も味方に脚色衰えずに伸びて行ったが、ここもまさしく同じ感じで、先行馬の勢いだけが目立っていた。

後刻に武豊Jが《スタートはいつもあんな感じ。前々が有利だから少し出して行ったんだ。その分、3コーナーの手前あたりで掛かり気味だったけども、何せ、前が停まらないからね~》であった。この現象はしばらく続きそうな気がするのだが・・。
それにしても西園厩舎の攻勢が続く、勝負事は流れが肝心であるとまた気が付く、そんな一日でもありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。