ホッコーガンバなど《平林雅芳 3歳観戦記》

トピックス

水曜京都3R
3歳500万下
ダ1400m
勝ちタイム1.24.8


勝ち馬ホッコーガンバ (牡3・美浦・河野厩舎)

関東から参戦の2頭が1、2着。最近よく、関東馬が遠征してきて好結果を挙げるケースが目立つ。それも短距離戦に多く感じる。混戦模様ではあったが、結果は楽逃げでの勝利だったホッコーガンバ。1番人気のショウナンアリビオは道中内々を追い上げて前へと差を詰めていったが逆に直線では伸びを欠いた感じであった。

外枠から好発を決めたホッコーガンバ、芝からダートに替わる部分でも勢いは衰えずに先頭を奪った。内からシゲルジュウヤクタイセイファントムと出て行くがスンナリと先手をとって行く。向こう正面では2番手が3頭並び、シゲルジュウヤク、タイセイファントムの外にケイアイヘルメルスが続く。ここらで内々をショウナンアリビオが上がって行くのが目につく。それだけ流れが遅いのだろう。前半の3ハロンが35.1で通過だ。
3コーナーを過ぎて4コーナーへと向かうが、流れは淡々と進む。2番手にタイセイファントムが単独で上がり外へサーランスロットが追い上げてきている。その後ろにケイアイヘルメス。
そしてカーヴを回り直線へと入る。しかし、先頭のホッコーガンバの脚色は衰えず、むしろ加速気味となる。ゴールまで最後の2ハロンも12.2~12.9と維持している。
最後は3馬身半の差をもっての勝利。2着のには、直線に入ってケイアイヘルメスが伸びてタイセイファントムを抑えて入った。

4着サーランスロット、5着キモンレッドで、1番人気のショウナンアリビオは6着に敗退だった。ホッコーガンバは、クラスが上がった前走が、マイル戦でスタートがいまひとつの内容で8着。今日は好発と自分の競馬が出来たのが大きかった様子だ。前走からのケイコの過程を見ていると納得させるものが出ている。後から気が付いても遅いのだが、勝ちに不思議の勝ちはなしである。


水曜京都6R
3歳新馬
芝内2000m
勝ちタイム2.05.8

勝ち馬
アドマイヤパーシア(牡3・栗東・友道厩舎)

2011年の関西での新馬戦を最初に勝ったのは、岩田J騎乗のアドマイヤパーシア。終始内ラチ沿いの最短コース、余裕の好位追走で直線も最内を選択。1ハロン手前から前の馬を内から抜いて行く時に岩田Jのステッキが5、6発入れられたが、そこを抜けたら後はもう追う必要もないぐらいの勢いとなり、最後は流し気味。着差は2馬身だが、もっとあった様に思えたほど、後続との力の差を感じた一戦であった。

逃げたテイエムダンガンが、道中は14.0のラップとかなり遅い流れを演出。その流れに、1番人気のローマンレジェンドと3番人気のヴイブラッドもつかず離れずの追走。その直後のインにアドマイヤパーシアが続く位置取りで4コーナーまで来る。1000メートル通過が、何と1.05.3とゆったり過ぎるぐらいで、当然に上がりではかなり速い脚が要求されるレースとなる。
先頭のテイエムダンガンが脱落して、粘るローマンレジェンドとヴイブラットだが、4コーナーでも最内をついて前との差を縮めてきたアドマイヤパーシアが内ラチ沿いから接近する。外では好位にいたクレスコランドが脚を伸ばしてきていた。しかし完全に一番内のアドマイヤパーシアの脚色が目立ち、楽々と抜いて先頭に踊り出てゴールを目指す。
焦点は2着争い、粘るローマンレジェンドに追いすがるクレスコグランドの頭の上げ下げとなる。結果、外のクレスコグランドがハナ差2着。しかし、前とはハッキリと差がついていた。4着がヴイブラッドだった。

最後の3ハロンが11.8~11.6~・11.1である。おそらく11.6の時にアドマイヤパーシアが抜いて行ったものであり最後の1ハロンの11.1の半分は流し気味な筈。ゼンノロブロイ産駒アドマイヤパーシアのしたたかな競馬っぷりと追い出しての瞬発力の凄さだけが目立った一戦であった。
年明けの新馬戦からもダービー馬は出ている。まだまだ好素材馬がいる関西2歳勢である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。