トレセンレポート【根岸S】セイクリムズン

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過去には重賞11勝のブルーコンコルドも手掛けた服部調教師

今週の根岸Sに出走するセイクリムズン(牡5、栗東・服部厩舎)。
前走のカペラS(GⅢ)で重賞初制覇を飾るなど、これまでダートで7勝を挙げている実績馬だ。

「この馬は調教の動きを見て『良い・悪い』という判断が出来ないタイプです。いつも同じような時計で走りますから。根岸Sに向けては加減せず、ビッシリ仕上げる予定です」と管理する服部利之調教師は意気込む。

昨年の根岸Sに出走した当時は、オープン昇級後2戦目。7着に敗れるも、その後、3勝を挙げて実績を積み重ねてきた。

「昨年の状態と今の状態では全く別の馬になっています。霜月S・カペラSと連勝して体が膨らんできました。この馬には、これまで3回転機があったんですよ。
最初は芝の未勝利戦を使っていた時に幸騎手から『ダートに使ってください』と言われました。その後、すぐに勝ってくれて、進む路線がダートに絞れました。
2回目は京都の1000万で勝った時。この時は武豊騎手が騎乗していたのですが、差す競馬をしてくれました。それまで先行する事が多かったのですが、差す形が合う馬だとわかりました。驚くほど伸びてくれましたし(笑)。
3回目は昨年4月のコーラルS。岩田騎手が乗ってくれましたが、レース後『追い出してからの反応が遅れるからメンコを外して欲しい』と言われました。いろんな積み重ねで徐々に力をつけていったんです」

根岸Sの後は、もちろんフェブラリーSにも期待がかかる。
「根岸Sでよほど惨敗すれば別ですが、フェブラリーSに挑戦したい馬です。霜月Sの後、幸騎手も『距離適性が伸びている』と言ってくれたように1200~1400mの馬ではないと考えています。なんとか良い結果が出るといいんですが(笑)」

父:エイシンサンディに母父:サウスアトランティックという一見地味な血統の同馬だが、これまでのキャリアからも、血統だけで見限るのは早計。今後のダート戦線を大いに賑わせてくれそうだ。

「血統の詳しい方と話した事もありますが。『血統は8代まで遡って見ないといけない』と聞きました。僕はそこまで血統表を眺める時間がありませんから、毎日馬を見て少しずつ良くなってくれたら、という思いで馬と接しています。
セイクリムズンを預かる事になって、最初に写真で馬を見たんです。その時は父(先代の服部師)の管理馬だったニホンピロウイナーに似ていると思いました。あそこまで活躍できるかわかりませんが、充実期に入ったセイクリムズンの走りを楽しみにして下さい」