【きさらぎ賞】ウインバリアシオン「持ってるエンジンはかなり」

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中山助手も「牛みたい」と称するウインバリアシオン

新馬戦、野路菊Sと連勝したウインバリアシオン(牡3、栗東・松永昌厩舎)。
順風満帆に重賞初タイトルを獲得するかに思われた前走のラジオNIKKEIでは4着に敗退。更には、レース中に他の馬と接触して後脚に外傷を負うアクシデントもあり、陣営としては誤算続きの一戦となったしまった。

攻め馬を担当する中山義一助手は「外傷に関しては、幸い大事には至らず、4日ほど休ませるだけで回復しました。それよりもラジオNIKKEIでは、今後を考えて『(前に)出して行く競馬』をさせたんです。
いつまでも後方から外を回した競馬では、大きい舞台では通用しませんから。外枠だった事もあって、ある程度行って有利なポジションを取る競馬をさせたのですが、少し掛ってしまいましたね(笑)。いつもの末脚が使えませんでした。正直、(前回は)ビッシリ追った本数も2本でしたし、一回使った今回は違うと思いますよ」

こう前走を振り返るが、攻め馬での雰囲気も上昇気配を感じさせるようだ。「あの時とは違いますね。510㎏くらいの大柄な馬なのですが、速いところに行くと、430㎏くらいの馬に乗っているような感覚なんです。瞬発力が凄いというか。ターボが効いてる感じがするんです。大柄なのに器用な小脚が使える馬なので、レースでは乗りやすいタイプだと思います」

12頭立ての少頭数の一戦だが、前走の内容からも、レース運びが気になるところだろう。この日に発表された枠順は7枠9番と決定した。

「また(外枠)ですか(笑)!今回は勝ち負けも重要ですが、レース内容に注目したい一戦です。クラシックに行くならば、前走と同じでは勝負になりません。
中団に付けて末脚を温存できるかどうか、そこに注目です。クラシックに向けて権利だけ取るなら簡単だと思いますが、それ以上の期待をしているので、敢えて内容には拘りたいんです」

「内容にも拘る」と言えるコメントには裏打ちされたものがある。中山助手は過去には北橋厩舎に在籍し、数々の名馬に跨ってきたからだ。

エイシンプレストン(香港クイーンエリザベス2世C連覇など、GⅠ4勝)や、ビハインドザマスク(スワンSなど重賞3勝)など、沢山乗らせてもらいましたが、タイプが違うんです。プレストンは、今の時期にはある程度完成していました。
でも、バリアシオンは、まだまだこれから伸びる余地が大きい。特に(厩舎に)来た時から体が緩かった。新馬戦前に福永騎手に乗ってもらった時も『3~4回レースを使わないと締まってこないよ?』と言われたくらい緩かったんです。
それでも新馬、野路菊と連勝しましたから、持ってるエンジンはかなり大きいんです。あとは脚周りとシャーシのセッティングが整えば、僕が今まで乗ってきた馬達以上の活躍が出来るかもしれない。そのくらいポテンシャルは高いと評価しています」

「馬体重に関しては、前走と変わりないと思います。パドックではノソノソして牛みたいに見えるかもしれませんが、いつもそうゆう馬なんです(笑)。
良い意味でボーっとしているけれど、レースでは集中して走ってくれます。クラシックに向けて大切な一戦なので、レースの内容にも注目してください」こう最後に力強く締め括ってくれた。