27日で7名の調教師が引退、池江郎師「ファンあっての競馬」

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中山記念のレース後、鈴木淑子氏、六車奈々氏から花束を受け取り、記念撮影に応じる池江泰郎調教師

池江 泰郎調教師(栗東)は、中山11レース(5番リルダヴァル・6着)が管理馬のラストランとなった。

【池江 泰郎調教師のコメント】
「この世界に入って55年、多くの人の支えでここまで来れました。感謝しています。最後の勝利が小倉だったことは、九州出身の自分に対するプレゼントをもらった気がします。また、たくさんの思い出がつまっている中山競馬場で最後のレースを迎えたことは何か縁があったのでしょう。ディープインパクトが引退したのもここでした。今日のすべてのレースを終え、やりつくしたという気持ちです。今日は勝負の日でしたので、2~3日したら引退の実感がわいてくると思います。まずはゆっくりしたい気持ちもありますが、自然と馬のにおいがする所に戻ってくるのではないかと思います。ファンの皆様には花束ももらい、あたたかい声援もいただき、次の人生でも頑張れよという励ましをもらった気がします。ファンあっての競馬ということを忘れないで欲しいと思います」

【池江泰郎調教師のコメント(中山競馬場にて)】
「この社会に入り、55年が過ぎました。早いものです。多くの人に支えられ、ここまでやってこられた。感謝の気持ちでいっぱいですよ。最後の勝利は小倉のヤマニンウイスカーが挙げてくれましたね。九州出身ですので、地元にプレゼントをもらい、これも縁なのかもしれません。走り収めは中山のリルダヴァルとなりました。無事に走り終え、ほっとしています。たくさんのファンのみなさんが声をかけてくれ、本当にうれしかった。つい先ほどまで勝負に生きていて、まだ緊張が抜けませんし、これで終わりだという実感はありません。ずっと駆け足できましたので、とりあえずはゆっくりしたいですよ。2、3日すれば、いろんな感慨がわいてくるのでしょうね。応援をありがとうございました」

高橋 成忠調教師(栗東)は、阪神7レース(14番ケイエスショークン・16着)が管理馬のラストランとなった。

【高橋 成忠調教師のコメント】
「父に連れて行ってもらった京都競馬場で馬に惹かれたのがきっかけで、中学校を卒業してすぐに東京の馬事公苑で騎手の養成を受けました。馬にも触ったこともなくて不安が大きかったことを覚えています。競馬に携わって50年以上になりますが、良い思い出もたくさんありますが、苦労した思い出や残念な思い出もたくさんあります。メイショウバトラーは牝馬ながら11歳まで一緒に最後まで頑張ってくれて思い入れの深い馬の1頭です。メイショウサムソンを預かることになって期待に応えるために頑張ったことも思い出のひとつです。馬主さんや競馬ファンの皆様には騎手時代から応援していただいた方も多く深く感謝しております。皆様に助けられて今日を迎えることができました。私が競馬の発展に努めることができたかどうかはわかりませんが、今後は競馬を外から応援していきたいと思います。息子(高橋 義忠)が調教師としてスタートしますが、人と馬とのつながりを大切に皆様の期待に応えられるように頑張ってほしいです」

野元 昭調教師(栗東)は、阪神12レース(5番マイネルセラーノス・10着)が管理馬のラストランとなった。

【野元 昭調教師のコメント】
「調教師としての31年間で最も思い出に残っている馬は、やはりリンデンリリーです。当初、見込みが無いといわれていた馬を無理を言って購入していただき、新馬戦に勝利した時の気持ちは今も忘れることができません。その後も、1位入線しながらの降着や、骨折からの復帰、何とか出走できたローズステークスでの勝利、また私自身初めてのGI勝利となったエリザベス女王杯、そのエリザベス女王杯のレース中に故障し引退することになるなど、良い思い出も悪い思い出もたくさんあった本当に印象深い馬でした。
これからは、今までお世話になった皆様に改めて感謝しながら、一人の競馬ファンとして競馬を、そして息子(野元 昭嘉騎手)を応援させていただきます。本当に長い間お世話になった」

坂口 正大調教師(栗東)は、阪神12レース(4番シュテルンターラー・9着)が管理馬のラストランとなった。

【坂口 正大調教師のコメント】
「無事に今日を迎えられてほっとしています。引退することはあらかじめわかっていましたので、寂しい気持ちや名残惜しい気持ち、やり残したこともなく、すっきりしています、とにかく無事に終われてよかったです。最後のレースを終えても、ファンの皆さんがたくさん残っていてくれて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これまで調教師をしてきた中で、色々な馬に出会ってきましたが、一番印象に残っているのは、マヤノトップガンです。開業してからしばらくは、なかなかGIを獲れませんでしたが、菊花賞をマヤノトップガンで勝ってからは、大きなレースを続けて獲れるようになった。そのような意味でも非常に印象に残っている馬です。今後は、厩舎にいた馬や事故死した馬のために、時間があれば、彼らが生まれた牧場を回ってみたいと思っています。それが、供養の代わりになればと思います。これまで本当にありがとうございました」

吉岡 八郎調教師(栗東)は、小倉9レース(2番ファイナルパンチ・1着)が管理馬のラストランとなった。

【吉岡 八郎調教師のコメント】
「最後のレースは接戦で、ゴール前は‘間に合ってくれ’と応援した。最後に勝つことができて渡辺騎手には感謝しています。うまく乗ってくれました。
競馬に携わるようになってから56年になりますが、これまで七転び八起き、いろいろなことがありました。思い出に残っている馬は、たくさんいます。1頭1頭、その馬に合わせて付き合ってきました。夢のある競馬人生を送れたことに今は満足しています。長い間、応援していただいたファンの皆様には本当に感謝しています。
今後は管理していた馬を日吉 正和調教師に引き継いで、馬が無事に出走していけるようにサポートしていきたいです」

須貝 彦三調教師(栗東)は、小倉10レース(16番リバートップガン・15着)が管理馬のラストランとなった。

【須貝 彦三調教師のコメント】
「これまでの競馬人生が走馬灯のように駆け巡っています。減量騎手の頃は寝る暇もなく馬の世話や厩舎の用事などを頑張っていました。当時は苦しかったですけれど今は良い思い出です。調教師になってすぐ、経験もなく若かった時にヒカリデュールやファンドリナイロと出会えた事も思い出のひとつです。今は無事に調教師を引退できたことを幸せに思います。息子(須貝 尚介)も苦労して調教師として頑張っていますので、陰ながら応援したいと思っています。これまで長い間、応援していただいたファンの皆様、ありがとうございました」

郷原洋行調教師(美浦)は、土曜小倉8レース(7番ユウキハングリー号・2着)が管理馬のラストランとなった。

【郷原洋行調教師のコメント】
「まず、今日の最後の競馬を無事に終えることができてよかったです。調教師生活を振り返ると、様々な馬がいましたが、ゴーカイとその子供たちに助けられ、励まされ、楽しませてもらいました。
騎手時代には、馬主や厩舎スタッフをはじめとした関係者の皆様のおかげでGIレースも勝たせてもらい、非常に満足しております。
これまで応援してくれたファンの皆様にも感謝しております。これからも、ファンの皆様には中央競馬を応援していただきたいと思います」