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ダノンミルなど《平林雅芳 3歳観戦記》
2011/3/22(火)
土曜阪神5R
3歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.04.8
勝ち馬:サワノファンタス(牡3、栗東・松元茂厩舎)
最近の福永Jは、大概のレースで前づけの競馬をする。今の競馬は前で進めないと勝負にならないとの持論だと思う。行ける馬は行っておくのが基本の様だ。ここもスッと前につけてと、それは変わらない。枠順が外目だけに多少の外を回るのは仕方なしとして、積極的なレースをしたもの。好位から直線で抜け出したもので、最後は追い合いを制しての勝利であった。
逃げたディープインパクトの子供ニシノフェイムは、向こう正面でやや外へ行きかけたのか、頭を上げてしまう。そこで一旦はトップパフォーマーに並びかけられたが、もう一度前へと出て行く。しかし流れはユッタリでレース淡々と進む。3コーナーのカーヴを回る頃には、3番手にエメラルドコーストが上がり、その直後にサワノファンタスが来ている。
4コーナーの手前の残り3ハロン棒では、前が2頭。その後ろにエメラルドコーストで、さらにサワノファンタスがいて、直後に出遅れたロイヤルワラントも上がって来ていた。内ラチ沿いにメジロコウミョウ、サクセスパシュートと大接近の各馬である。やや外でサワノファンタスが、コーナーリングが上手くない様子だが、何とかしのいで直線へと入った。
残り1ハロンで先頭に立ち気味のサワノファンタス。真ん中を割ってきたサクラアドニス。外へロイヤルワラント達の勢いがいい。
先頭に立って内へと切れ込んで行ったのかサワノファンタスが内目。サクラアドニスをかわしてロイヤルワラントが前に迫って行く。外からボレモスもいい脚で猛追して来た。
何とかクビ差しのいだサワノファンタス。惜しかったのがロイヤルワラント。ゲートも出遅れた。そして直線でこれからというタイミングの時にサクラアドニスに入られてしまい、ワンテンポ遅れを取った感じである。しかし、勝ち名乗りをあげたのは、前々でレースを進めた福永Jのサワノファンタスである。何と言っても速くなったのが最後の2ハロンだけで、そこが11.6~11.8。このラップに対応するには、前で脚を貯めている方が有利なのは歴然。父ステイゴールド譲りの渋い脚を使っての新馬勝ち、サワノファンタスと福永Jの勝利である。
土曜阪神6R
3歳500万下
ダ1800m
勝ちタイム1.55.2
勝ち馬:ドリームボルケーノ(牡3、栗東・木原厩舎)
関東馬が9頭。地方からの交流競走で来ている馬が2頭。関西馬はたったの5頭だけの構成である。その中を勝ったのは、関西馬の未勝利戦を勝ち上がったばかりのドリームボルケーノ。大型な体ながら、パドックでは勢いを感じる周回。前々で内々の馬が、芝であれダートであれ、好結果を出している阪神だが、ここもそのとおり。4番手追走で、4コーナー手前あたりから鞍上がステッキをかなり入れる手応えから、ゴール前ではむしろ加速がついているフィニッシュでもあった。
スタートから出て行ったのがシンワコクオウ。すぐにケイアイカイトが追う。カーマインはジワッと出て、中団に内のバシリクスと同じ位置で1コーナーに入って行く。その1コーナーを過ぎたあたりでは、バシリクスは前に出て5番手。隣りにドリームボルケーノがいる。
2コーナーに入って流れが落ち着く。もうペースは13秒台となる。先頭のシンワコクオウに1馬身とケイアイカイトが続く。その後ろにホノカボーイとオクシペタルム。直後にマヤノクレドが外で、内にドリームボルケーノ。その真後ろがバシリクス。カーマインは、その後ろ、1馬身と少しある。ここらが馬群の中間だ。
3コーナーを回るあたりで、岩田Jがケイアイカイトを前に出して、シンワコクオウに並びかける。後ろも接近しだす。流れが速くなりつつある様だ。4コーナー手前では前2頭が完全に並び、後ろでは5番手ドリームボルケーノにステッキが入っているのが見えた。中団では内めをバシリクスとカーマインが順位を上げにかかっている。
4コーナーを回って来た時には、ケイアイカイトの方が前に出て直線に入った。すぐ外に、ドリームボルケーノが今度は勢いづいて上がって来ている。内めから前に追いついてきたバシリクス。外へ進路を取ったカーマイン。
残り1ハロンでケイアイカイトが先頭だが、外のドリームボルケーノの脚が優りだす。完全にかわして、今度はドリームボルケーノが出た。そしてバシリクスが敢然と追い込んで来てケイアイカイトに並びかけた、がそこがゴールだった。カーマインはその後の4着であった…。
1000メートル通過が1.04.8。だがシンワコクオウを楽には行かせていないケイアイカイトだったが、自身も最後にきて少し甘くなった様子。道中ついて行けない時に気合を入れられたドリームボルケーノ。4コーナー手前とでかステッキが飛んでいたが、直線に入る時には勢いづいていた。追わせる熊ちゃんの仕事である。バシリクスは内々をロスなく通って来ての接近。逆にカーマインは少し道中の位置も後ろめで、最後のカーヴも外へ進路を取った分で後れをとった。今の阪神が、前々の内々が最高の舞台となっているだけに、仕方がないものかも知れない。関西馬が勝ち、2、3着が関東馬。これが今週のパターンか。
日曜阪神6R
3歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.56.1
勝ち馬:トーセンウィーク(牡3、栗東・大久保龍厩舎)
カネヒキリの弟のトーセンウィークが新馬勝ちをした。ゴール前ではタイムズアローの猛追を受けてヒヤリとしたものだが、勝負どころの3コーナーから早めに上がっていく構え。ちょうど後ろから仕掛けて来ていたヴォレの動きに合わす様に早めの進出。直線入り口から、その2頭での併せが300メートルぐらい続く。その気を抜かない戦いが、ゴール前の猛追をもしのいでの勝利となったものである。
レース自体はコパノカーンが逃げてゆったりとした流れ、1コーナーを回って行くまですでにペースダウンされ、14.5と遅い。向こう正面では、前の先行グループに10頭ぐらいが接近する団子状態ともなっていた。
普通は最初の1000を超えるぐらいまで動きがないものだが、向こう正面の中頃から、後続馬が動き出した。中団より少し後ろ目にいたトーセンウィークが、押して前へと動き出す。
時を同じくして、その後ろにいたヴォレも上がって行く。穏やかに流れていたはずの先行グループの外を、3コーナー過ぎから一気に上がって行く2頭の馬。トーセンウィークに、その外ヴォレの勢いがいい。
4コーナー手前では、逃げたコパノカーンよりも前に出た2頭。その動きで好位グループにいた4、5番手の馬の位置が悪くなる。一気に先んじられた感じで、トーセンウィークとヴォレが並んで直線に入って来た。先頭のコパノカーンがまだ内で粘っているが、その隣りへやや押し気味だが、トーセンウィークであり、けっこう楽な手応えのヴォレである。内でバテだしたコパノカーンを置き去りにして、2頭の追い合いとなってきた。
やや外のヴォレがいいかと思うが、トーセンウィークも渋太い。追いどおしの和田Jの派手なアクションだが、馬はバテずに伸び出す。やっとヴォレを振り切って、単独で先頭に立ってゴールを目指すところへタイムズアローがもの凄い脚を使って内から伸びて来た。まるで先頭へと出る勢いであったが、時間がなかった。
首差届かずの2着。1馬身後ろにヴォレとなった。早めに進出の2頭だけに最後の2ハロンがかなりかかって13.1~13.0。でもタイムズアローの脚は目立つものであった。
勝ち方はともかくも新馬勝ちを収めたトーセンウィーク。さすがカネヒキリの弟と言われる結果を出した。
日曜阪神7R
3歳500万下
芝1400m
勝ちタイム1.21.3
勝ち馬:エーシンジャッカル(牡3、栗東・高野厩舎)
ウチパクJが飛ばし、リスポリJと池添Jが並んで追走、4番手を離し気味の速い流れを展開。前半3ハロン33.5と速くて1200メートル通過も1.09.0と緩まない流れ。そこを抜け出したのがエーシンジヤッカル。開業したての高野厩舎に、初勝利のプレゼントとなるものであった。
ゲートの出が良かったのは、外のコンプリート。むしろ最内のヤサカシャイニーは、やや遅れ気味。しかし、その後にダッシュをつけて、押して押して出て行った。パワフルキリシマやサンライズポパイにハピシンとで2番手グループが形成かと思えたところを、これもあまりゲートの出が早くなかったハブルバブルも内から追い上げて来て2番手に加わる。
3ハロンを行くまでに、先頭ヤサカシャイニーに、2馬身後ろがハブルハブルですぐ半馬身差にサンライズポパイ。そこから3馬身控えたパワフルキリシマとなる。もう流れが速いのが判る。
その前のグループも、4コーナー手前ではかなり接近。ハブルバブルが先頭に並びかける。サンライズポパイも外へ来ている。
カーヴを回って直線に入って来た時には、もう外からエーシンジャッカルが3番手まで上がって来ている。
そして300メートルのオレンジ棒を過ぎた時には、前の馬の脚色が完全に鈍り、エーシンジャッカルが先頭となる。そこへベリアルが白い顔をのぞかせてきた。勢いがいいからかわすのかと思えた瞬間に、外へ流れてしまう。すぐ後ろにハワイアンシュガーが迫って来ている。
懸命に左ムチを使って矯正する、伊藤直Jのベリアル。首をかなり伸ばした走法で伸びだして、前を行くエーシンジャッカルを追う。しかし届かずの2着であった。粘るハブルハブルをやっと頭差かわして、ハワイアンシュガーが3着に上がった。
エーシンジャッカルは中団を進み4コーナー手前から進出。このレースは外々を回る馬でも届く流れとなったもの。スタートは止まっているところからの出発であるから、12秒台かかるのが常。しかし最後の1ハロンで12秒台がかかるのは短距離戦らしいもの。ここも12.3であり、終いが止まり気味だった。何せ、全体に速い流れで、1000メートル通過が57.1とかなりなハイペース。東西のジョッキーが集結しているだけに、いつものゆったりした流れにはなりにくい。そんな傾向をまじまじと感じる一戦でもあった。
日曜阪神10R
若葉S
芝2000m
勝ちタイム1.59.1
勝ち馬:ダノンミル(牡3、栗東・藤原英厩舎)
前々の内めの5番手でレースを進めたダノンミル。3コーナーでピッチが上がる時も手応え十分で追走。直線でも、前で粘るカフナに馬体を併せてからも渋太く伸びての2勝目。デビューから3戦とも、この2000メートルの距離にこだわって使ってきたダノンミル。晴れて皐月賞へと駒を進められる事が決定。東西の若駒が競った一戦だけに、実に乱戦の競馬となった。
ここも先手は譲れないと、リキサンマックスが出て行く。カフナもナムラダイキチも出て行く。内からミレニアムドリームが、コーナーワークで上がって3番手の内と入る2コーナー。けっこう流れて行くペースだ。その外へダノンミルが上がる。
3コーナーのカーヴを回って行くが、前はリキサンマックスに半馬身と、カフナが迫って行く。その後ろが、ミレニアムドリームとダノンミル、そしてなダムラダイキチが一番外となるが、そのダイキチにステッキが飛んでいる。
外をヒラボクインパクトが上がって来て、ナムラダイキチの外へと出てくる。4コーナーに差しかかる時には、ダノンシャークがヒラボクインパクトの真後ろまで接近して来た。前はカフナとヒラボクインパクトの間にダノンミルが入って来て直線へとなった。
残り300のオレンジ棒でカフナ先頭となるが、ダノンミルがすぐ傍まできている。残り200となって、今度はカフナが内ラチ沿いにへばりついての追い出しとなる。一旦内へもたれてスピードアップできなかったダノンミルだが、鞍上のステッキにやっとハミを噛み出したのか前に伸び出す。外から同じ勝負服のダノンシャークも猛然と来ている。
粘るカフナ。追うダノンミル。結局、この2頭の争いでゴールへと流れこんだ。そこから少し離れてユニバーサルバンクが4番手。内めでアドマイヤラクティが5着だった。
逃げたリキサンマックスが、最後は脚が上がってしまった流れ。最初の1000が59.5であり、3コーナーからペースアップした時について来ている馬が多かった。11.9~11.6~11.5で最後の1ハロンが12.4。ここは各馬がもっとも苦しいゴール前だから、仕方ない数字。負けたがカフナが、前々の積極策で半馬身負け。勝ったダノンミルを褒めるべきだろう。
ジャングルポケット産駒のダノンミルが勝ち、キングカメハメハ産駒のカフナが2着で皐月賞への権利を取得。ディープ産駒のダノンシャークは涙を飲み、ヒラボクインパクトと同じく次のチャンスを待たねばなるまい。春はまだ遠いのか…。
月曜阪神4R
3歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.26.3
勝ち馬:キクノキアラ(牝3、栗東・北出厩舎)
そぼ降る雨の中での新馬戦。好発を決めたキクノキアラ。ダートに入って先頭こそ譲ったが、終始主導権を握り、直線でもかなり追い出しを待ってからの仕上げ。その割には2着のレッドイデアを離せなかったが、まずは完勝のデビュー戦であった。
芝からのゲート。そのゲートが開いた瞬間にポンと出ていたキクノキアラ。しばらく行ってダートへと入って行くのだが、そこではもう抑えながら内から出てきたシラサギジョウを行かす余裕。持ったままで3コーナーを迎えるキクノキアラだった。ここらで逆に内めの3、4番手に上がっていたレッドイデアが追っつけ気味。メモリービジュアルが外にと、前は4頭ぐらいが3馬身ぐらいの間で展開する。
4コーナー手前でも逃げるシラサギジョウに、半馬身ぐらい後ろで様子を見ているキクノキアラ。内でレッドイデアが追い通しで、むしろ離され気味でもある。むしろその直後のマルブツファイトがいい手応えで上がって来ている。
4コーナーのカーヴを回る時には、シラサギジョウに馬体を並べて先頭となったキクノキアラ。まだまだ手応えに余裕である。
外へ出して上がって来たのがレッドイデア。先ほどの渋太さとは違った勢いがついてきた。内めからマルブツファイトも顔を覗かせる。
チラッと内を見てから追い出しにかかったキクノキアラ。もう残り200を切った。レッドイデアが外から迫って来るが、なかなか差は詰まらない。しかし、キクノキアラも待っている間の手応えほどには伸びてなく、鞍上の藤岡祐Jの手がかなり動く。
何とかレッドイデアに1馬身以上の差を保ったままゴール。最後の1ハロンが13.0もかかっていたのが、やや物足りない。むしろ、もう少し距離が短い方がいいのかも知れないキクノキアラ。3着には4馬身も離れてマルブツファイトが入っていた。
月曜阪神5R
3歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.50.4
勝ち馬:アイヴィーリーグ(牡3、栗東・中尾秀厩舎)
逃げたのが武豊Jのメジロクロガネ。前半の1000メートル通過が1.02.7であるから、当然の前残り競馬。その流れに乗って、4コーナー手前で内めで十分に息を入れていたアイヴィーリーグ。直線入り口では、外へ出して追い出しを待つほどの余裕。残り1ハロンからステッキを1、2発入れた時の反応の良さ。最後は流し気味のゴールであった。
ゲート練習から速いと思えていたメイショウクロガネが、やはり出て行った。すぐにクイーンオリーブ。外のアイヴィーリーグもスッと前に位置する。外回りコースだけに、ゆったりと推移する。2番手クリーンオリーブが1馬身で追走。アイヴィーリーグはさらに2馬身の間隔を開けている。かなりの縦長の隊列である。
3コーナーのカーヴを回って行く時には、後続馬もだいぶ前との差を詰め出す。ここらでメイショウトモミが前に出て行き3番手に上がる。アイヴィーリーグは逆に位置を少し下げ気味で4、5番手となる。
1000メートルを通過する時には、前がメイショウクロガネにクイーンオリーブ、そしてメイショウトモミの3頭が急接近。1馬身もない差となる。かなり貯めに貯めている様子だ。その後ろに最内にキュールエキュール。外にアイヴィーリーグが半馬身差で並び、その外にウィッシュ。その後ろの真ん中あたりにグローリアスローズが押し上げて来ていた。
カーヴを回って直線に入って来た。一番内のメイショウクロガネより、クイーンオリーブの方が前に出ている。外ではアイヴィーリーグが持ったまま。外回りコースも終わり、再び内ラチが見えてきた。
各馬が追い出しにかかってくる。グローリアスローズが顔を覗かせ出す。残り300のオレンジ棒にかかった時に、外をチラっと見た小牧J。そして残り1ハロンが過ぎたあたりで、左ステッキを2、3発入れる。弾けるように飛び出していくアイヴィーリーグ。グローリアスローズも一瞬いい伸び脚を見せた様だったが、少し内にもたれだしたか勢いが目立たなくなる。そして、もう小牧Jの手綱は動いていなかった。
最後の1ハロンは12.0である。そこはもう流し気味であったからに違いない。自在な競馬をしたアイヴィリーグ。着差以上の強さを感じた。同じ勝負服のグローリアスローズは、ゲートを出て少し挟まれた様子。だから位置取りが後ろになってしまい、追い上げる展開となった模様だ。でも、これもなかなかの脚を使っている。最後の新馬戦を飾ったのは、新種牡馬ディープの子供ではなく、リンカーンの子供であった。
月曜阪神7R
3歳500万下
ダ1200m
勝ちタイム1.10.6
勝ち馬:テイクアベット(牡3、栗東・湯窪厩舎)
すっかり関西になじんできた国分優J。ここも前走同様に逃げに出て、そのまま軽快に逃げ切った。行ったいったの結果だったにしろ、その2番手に7馬身差をつけるワンサイド競馬。ダート4戦で2勝をあげたテイクアベット。まだまだ進化しそうな馬でもある。
スタートで、リバーロイヤルとクラウンハッピーが遅れる。この先行有利なパシャパシャの水つき馬場では、出遅れは致命的。スッとテイクアベットが先手を取って行く。先行争いもなく、すんなりとそのまま楽に前へと行く。2番手に、同じく減量騎手のトーセントレジャー。3番手にケージーヨシツネで、道中絡まれずに4コーナーまで来る。
この間に、3コーナーのカーヴで後続グループのアルゴリズムが外目に位置していたのだが、前が狭くなったのと馬自身がひるんだのか、一気に下がってしまうシーンがあった。その後また盛り返していただけに惜しまれる不利。
しかし先頭のテイクアベットのペースは快調に飛ばす。前半3ハロンが34.4はともかくも、その後も46.2~57.6と芝なみのラップを刻むも、十分に息が入るもので楽。
4コーナー手前で、2番手のすぐ後ろまでキンショーユウジャが上がって来ていたのだが、直線に入っていざ追い出したら失速気味の感じ。2番手トーセントレジャーも直線で伸びて行くのだが、前のテイクアベットがどんどんと差を広げて行くので、差が詰まらない。そしてゴール前で猛追して来たのが、後ろから外へ出して追い上げてきたモルフェメイト。
最後の1ハロンこそ13.0とかかったが、それでいて7馬身差なのである。ダートはより先行有利な馬場になっているが、鞍上の53キロも利いているだろう。が、自分の競馬をしきったものがこの結果であろう。
かくして、150万の3連単とここも荒れ気味。関東馬対関西馬の組み合わせが実に多い週となっている。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
3歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.04.8
勝ち馬:サワノファンタス(牡3、栗東・松元茂厩舎)
最近の福永Jは、大概のレースで前づけの競馬をする。今の競馬は前で進めないと勝負にならないとの持論だと思う。行ける馬は行っておくのが基本の様だ。ここもスッと前につけてと、それは変わらない。枠順が外目だけに多少の外を回るのは仕方なしとして、積極的なレースをしたもの。好位から直線で抜け出したもので、最後は追い合いを制しての勝利であった。
逃げたディープインパクトの子供ニシノフェイムは、向こう正面でやや外へ行きかけたのか、頭を上げてしまう。そこで一旦はトップパフォーマーに並びかけられたが、もう一度前へと出て行く。しかし流れはユッタリでレース淡々と進む。3コーナーのカーヴを回る頃には、3番手にエメラルドコーストが上がり、その直後にサワノファンタスが来ている。
4コーナーの手前の残り3ハロン棒では、前が2頭。その後ろにエメラルドコーストで、さらにサワノファンタスがいて、直後に出遅れたロイヤルワラントも上がって来ていた。内ラチ沿いにメジロコウミョウ、サクセスパシュートと大接近の各馬である。やや外でサワノファンタスが、コーナーリングが上手くない様子だが、何とかしのいで直線へと入った。
残り1ハロンで先頭に立ち気味のサワノファンタス。真ん中を割ってきたサクラアドニス。外へロイヤルワラント達の勢いがいい。
先頭に立って内へと切れ込んで行ったのかサワノファンタスが内目。サクラアドニスをかわしてロイヤルワラントが前に迫って行く。外からボレモスもいい脚で猛追して来た。
何とかクビ差しのいだサワノファンタス。惜しかったのがロイヤルワラント。ゲートも出遅れた。そして直線でこれからというタイミングの時にサクラアドニスに入られてしまい、ワンテンポ遅れを取った感じである。しかし、勝ち名乗りをあげたのは、前々でレースを進めた福永Jのサワノファンタスである。何と言っても速くなったのが最後の2ハロンだけで、そこが11.6~11.8。このラップに対応するには、前で脚を貯めている方が有利なのは歴然。父ステイゴールド譲りの渋い脚を使っての新馬勝ち、サワノファンタスと福永Jの勝利である。
土曜阪神6R
3歳500万下
ダ1800m
勝ちタイム1.55.2
勝ち馬:ドリームボルケーノ(牡3、栗東・木原厩舎)
関東馬が9頭。地方からの交流競走で来ている馬が2頭。関西馬はたったの5頭だけの構成である。その中を勝ったのは、関西馬の未勝利戦を勝ち上がったばかりのドリームボルケーノ。大型な体ながら、パドックでは勢いを感じる周回。前々で内々の馬が、芝であれダートであれ、好結果を出している阪神だが、ここもそのとおり。4番手追走で、4コーナー手前あたりから鞍上がステッキをかなり入れる手応えから、ゴール前ではむしろ加速がついているフィニッシュでもあった。
スタートから出て行ったのがシンワコクオウ。すぐにケイアイカイトが追う。カーマインはジワッと出て、中団に内のバシリクスと同じ位置で1コーナーに入って行く。その1コーナーを過ぎたあたりでは、バシリクスは前に出て5番手。隣りにドリームボルケーノがいる。
2コーナーに入って流れが落ち着く。もうペースは13秒台となる。先頭のシンワコクオウに1馬身とケイアイカイトが続く。その後ろにホノカボーイとオクシペタルム。直後にマヤノクレドが外で、内にドリームボルケーノ。その真後ろがバシリクス。カーマインは、その後ろ、1馬身と少しある。ここらが馬群の中間だ。
3コーナーを回るあたりで、岩田Jがケイアイカイトを前に出して、シンワコクオウに並びかける。後ろも接近しだす。流れが速くなりつつある様だ。4コーナー手前では前2頭が完全に並び、後ろでは5番手ドリームボルケーノにステッキが入っているのが見えた。中団では内めをバシリクスとカーマインが順位を上げにかかっている。
4コーナーを回って来た時には、ケイアイカイトの方が前に出て直線に入った。すぐ外に、ドリームボルケーノが今度は勢いづいて上がって来ている。内めから前に追いついてきたバシリクス。外へ進路を取ったカーマイン。
残り1ハロンでケイアイカイトが先頭だが、外のドリームボルケーノの脚が優りだす。完全にかわして、今度はドリームボルケーノが出た。そしてバシリクスが敢然と追い込んで来てケイアイカイトに並びかけた、がそこがゴールだった。カーマインはその後の4着であった…。
1000メートル通過が1.04.8。だがシンワコクオウを楽には行かせていないケイアイカイトだったが、自身も最後にきて少し甘くなった様子。道中ついて行けない時に気合を入れられたドリームボルケーノ。4コーナー手前とでかステッキが飛んでいたが、直線に入る時には勢いづいていた。追わせる熊ちゃんの仕事である。バシリクスは内々をロスなく通って来ての接近。逆にカーマインは少し道中の位置も後ろめで、最後のカーヴも外へ進路を取った分で後れをとった。今の阪神が、前々の内々が最高の舞台となっているだけに、仕方がないものかも知れない。関西馬が勝ち、2、3着が関東馬。これが今週のパターンか。
日曜阪神6R
3歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.56.1
勝ち馬:トーセンウィーク(牡3、栗東・大久保龍厩舎)
カネヒキリの弟のトーセンウィークが新馬勝ちをした。ゴール前ではタイムズアローの猛追を受けてヒヤリとしたものだが、勝負どころの3コーナーから早めに上がっていく構え。ちょうど後ろから仕掛けて来ていたヴォレの動きに合わす様に早めの進出。直線入り口から、その2頭での併せが300メートルぐらい続く。その気を抜かない戦いが、ゴール前の猛追をもしのいでの勝利となったものである。
レース自体はコパノカーンが逃げてゆったりとした流れ、1コーナーを回って行くまですでにペースダウンされ、14.5と遅い。向こう正面では、前の先行グループに10頭ぐらいが接近する団子状態ともなっていた。
普通は最初の1000を超えるぐらいまで動きがないものだが、向こう正面の中頃から、後続馬が動き出した。中団より少し後ろ目にいたトーセンウィークが、押して前へと動き出す。
時を同じくして、その後ろにいたヴォレも上がって行く。穏やかに流れていたはずの先行グループの外を、3コーナー過ぎから一気に上がって行く2頭の馬。トーセンウィークに、その外ヴォレの勢いがいい。
4コーナー手前では、逃げたコパノカーンよりも前に出た2頭。その動きで好位グループにいた4、5番手の馬の位置が悪くなる。一気に先んじられた感じで、トーセンウィークとヴォレが並んで直線に入って来た。先頭のコパノカーンがまだ内で粘っているが、その隣りへやや押し気味だが、トーセンウィークであり、けっこう楽な手応えのヴォレである。内でバテだしたコパノカーンを置き去りにして、2頭の追い合いとなってきた。
やや外のヴォレがいいかと思うが、トーセンウィークも渋太い。追いどおしの和田Jの派手なアクションだが、馬はバテずに伸び出す。やっとヴォレを振り切って、単独で先頭に立ってゴールを目指すところへタイムズアローがもの凄い脚を使って内から伸びて来た。まるで先頭へと出る勢いであったが、時間がなかった。
首差届かずの2着。1馬身後ろにヴォレとなった。早めに進出の2頭だけに最後の2ハロンがかなりかかって13.1~13.0。でもタイムズアローの脚は目立つものであった。
勝ち方はともかくも新馬勝ちを収めたトーセンウィーク。さすがカネヒキリの弟と言われる結果を出した。
日曜阪神7R
3歳500万下
芝1400m
勝ちタイム1.21.3
勝ち馬:エーシンジャッカル(牡3、栗東・高野厩舎)
ウチパクJが飛ばし、リスポリJと池添Jが並んで追走、4番手を離し気味の速い流れを展開。前半3ハロン33.5と速くて1200メートル通過も1.09.0と緩まない流れ。そこを抜け出したのがエーシンジヤッカル。開業したての高野厩舎に、初勝利のプレゼントとなるものであった。
ゲートの出が良かったのは、外のコンプリート。むしろ最内のヤサカシャイニーは、やや遅れ気味。しかし、その後にダッシュをつけて、押して押して出て行った。パワフルキリシマやサンライズポパイにハピシンとで2番手グループが形成かと思えたところを、これもあまりゲートの出が早くなかったハブルバブルも内から追い上げて来て2番手に加わる。
3ハロンを行くまでに、先頭ヤサカシャイニーに、2馬身後ろがハブルハブルですぐ半馬身差にサンライズポパイ。そこから3馬身控えたパワフルキリシマとなる。もう流れが速いのが判る。
その前のグループも、4コーナー手前ではかなり接近。ハブルバブルが先頭に並びかける。サンライズポパイも外へ来ている。
カーヴを回って直線に入って来た時には、もう外からエーシンジャッカルが3番手まで上がって来ている。
そして300メートルのオレンジ棒を過ぎた時には、前の馬の脚色が完全に鈍り、エーシンジャッカルが先頭となる。そこへベリアルが白い顔をのぞかせてきた。勢いがいいからかわすのかと思えた瞬間に、外へ流れてしまう。すぐ後ろにハワイアンシュガーが迫って来ている。
懸命に左ムチを使って矯正する、伊藤直Jのベリアル。首をかなり伸ばした走法で伸びだして、前を行くエーシンジャッカルを追う。しかし届かずの2着であった。粘るハブルハブルをやっと頭差かわして、ハワイアンシュガーが3着に上がった。
エーシンジャッカルは中団を進み4コーナー手前から進出。このレースは外々を回る馬でも届く流れとなったもの。スタートは止まっているところからの出発であるから、12秒台かかるのが常。しかし最後の1ハロンで12秒台がかかるのは短距離戦らしいもの。ここも12.3であり、終いが止まり気味だった。何せ、全体に速い流れで、1000メートル通過が57.1とかなりなハイペース。東西のジョッキーが集結しているだけに、いつものゆったりした流れにはなりにくい。そんな傾向をまじまじと感じる一戦でもあった。
日曜阪神10R
若葉S
芝2000m
勝ちタイム1.59.1
勝ち馬:ダノンミル(牡3、栗東・藤原英厩舎)
前々の内めの5番手でレースを進めたダノンミル。3コーナーでピッチが上がる時も手応え十分で追走。直線でも、前で粘るカフナに馬体を併せてからも渋太く伸びての2勝目。デビューから3戦とも、この2000メートルの距離にこだわって使ってきたダノンミル。晴れて皐月賞へと駒を進められる事が決定。東西の若駒が競った一戦だけに、実に乱戦の競馬となった。
ここも先手は譲れないと、リキサンマックスが出て行く。カフナもナムラダイキチも出て行く。内からミレニアムドリームが、コーナーワークで上がって3番手の内と入る2コーナー。けっこう流れて行くペースだ。その外へダノンミルが上がる。
3コーナーのカーヴを回って行くが、前はリキサンマックスに半馬身と、カフナが迫って行く。その後ろが、ミレニアムドリームとダノンミル、そしてなダムラダイキチが一番外となるが、そのダイキチにステッキが飛んでいる。
外をヒラボクインパクトが上がって来て、ナムラダイキチの外へと出てくる。4コーナーに差しかかる時には、ダノンシャークがヒラボクインパクトの真後ろまで接近して来た。前はカフナとヒラボクインパクトの間にダノンミルが入って来て直線へとなった。
残り300のオレンジ棒でカフナ先頭となるが、ダノンミルがすぐ傍まできている。残り200となって、今度はカフナが内ラチ沿いにへばりついての追い出しとなる。一旦内へもたれてスピードアップできなかったダノンミルだが、鞍上のステッキにやっとハミを噛み出したのか前に伸び出す。外から同じ勝負服のダノンシャークも猛然と来ている。
粘るカフナ。追うダノンミル。結局、この2頭の争いでゴールへと流れこんだ。そこから少し離れてユニバーサルバンクが4番手。内めでアドマイヤラクティが5着だった。
逃げたリキサンマックスが、最後は脚が上がってしまった流れ。最初の1000が59.5であり、3コーナーからペースアップした時について来ている馬が多かった。11.9~11.6~11.5で最後の1ハロンが12.4。ここは各馬がもっとも苦しいゴール前だから、仕方ない数字。負けたがカフナが、前々の積極策で半馬身負け。勝ったダノンミルを褒めるべきだろう。
ジャングルポケット産駒のダノンミルが勝ち、キングカメハメハ産駒のカフナが2着で皐月賞への権利を取得。ディープ産駒のダノンシャークは涙を飲み、ヒラボクインパクトと同じく次のチャンスを待たねばなるまい。春はまだ遠いのか…。
月曜阪神4R
3歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.26.3
勝ち馬:キクノキアラ(牝3、栗東・北出厩舎)
そぼ降る雨の中での新馬戦。好発を決めたキクノキアラ。ダートに入って先頭こそ譲ったが、終始主導権を握り、直線でもかなり追い出しを待ってからの仕上げ。その割には2着のレッドイデアを離せなかったが、まずは完勝のデビュー戦であった。
芝からのゲート。そのゲートが開いた瞬間にポンと出ていたキクノキアラ。しばらく行ってダートへと入って行くのだが、そこではもう抑えながら内から出てきたシラサギジョウを行かす余裕。持ったままで3コーナーを迎えるキクノキアラだった。ここらで逆に内めの3、4番手に上がっていたレッドイデアが追っつけ気味。メモリービジュアルが外にと、前は4頭ぐらいが3馬身ぐらいの間で展開する。
4コーナー手前でも逃げるシラサギジョウに、半馬身ぐらい後ろで様子を見ているキクノキアラ。内でレッドイデアが追い通しで、むしろ離され気味でもある。むしろその直後のマルブツファイトがいい手応えで上がって来ている。
4コーナーのカーヴを回る時には、シラサギジョウに馬体を並べて先頭となったキクノキアラ。まだまだ手応えに余裕である。
外へ出して上がって来たのがレッドイデア。先ほどの渋太さとは違った勢いがついてきた。内めからマルブツファイトも顔を覗かせる。
チラッと内を見てから追い出しにかかったキクノキアラ。もう残り200を切った。レッドイデアが外から迫って来るが、なかなか差は詰まらない。しかし、キクノキアラも待っている間の手応えほどには伸びてなく、鞍上の藤岡祐Jの手がかなり動く。
何とかレッドイデアに1馬身以上の差を保ったままゴール。最後の1ハロンが13.0もかかっていたのが、やや物足りない。むしろ、もう少し距離が短い方がいいのかも知れないキクノキアラ。3着には4馬身も離れてマルブツファイトが入っていた。
月曜阪神5R
3歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.50.4
勝ち馬:アイヴィーリーグ(牡3、栗東・中尾秀厩舎)
逃げたのが武豊Jのメジロクロガネ。前半の1000メートル通過が1.02.7であるから、当然の前残り競馬。その流れに乗って、4コーナー手前で内めで十分に息を入れていたアイヴィーリーグ。直線入り口では、外へ出して追い出しを待つほどの余裕。残り1ハロンからステッキを1、2発入れた時の反応の良さ。最後は流し気味のゴールであった。
ゲート練習から速いと思えていたメイショウクロガネが、やはり出て行った。すぐにクイーンオリーブ。外のアイヴィーリーグもスッと前に位置する。外回りコースだけに、ゆったりと推移する。2番手クリーンオリーブが1馬身で追走。アイヴィーリーグはさらに2馬身の間隔を開けている。かなりの縦長の隊列である。
3コーナーのカーヴを回って行く時には、後続馬もだいぶ前との差を詰め出す。ここらでメイショウトモミが前に出て行き3番手に上がる。アイヴィーリーグは逆に位置を少し下げ気味で4、5番手となる。
1000メートルを通過する時には、前がメイショウクロガネにクイーンオリーブ、そしてメイショウトモミの3頭が急接近。1馬身もない差となる。かなり貯めに貯めている様子だ。その後ろに最内にキュールエキュール。外にアイヴィーリーグが半馬身差で並び、その外にウィッシュ。その後ろの真ん中あたりにグローリアスローズが押し上げて来ていた。
カーヴを回って直線に入って来た。一番内のメイショウクロガネより、クイーンオリーブの方が前に出ている。外ではアイヴィーリーグが持ったまま。外回りコースも終わり、再び内ラチが見えてきた。
各馬が追い出しにかかってくる。グローリアスローズが顔を覗かせ出す。残り300のオレンジ棒にかかった時に、外をチラっと見た小牧J。そして残り1ハロンが過ぎたあたりで、左ステッキを2、3発入れる。弾けるように飛び出していくアイヴィーリーグ。グローリアスローズも一瞬いい伸び脚を見せた様だったが、少し内にもたれだしたか勢いが目立たなくなる。そして、もう小牧Jの手綱は動いていなかった。
最後の1ハロンは12.0である。そこはもう流し気味であったからに違いない。自在な競馬をしたアイヴィリーグ。着差以上の強さを感じた。同じ勝負服のグローリアスローズは、ゲートを出て少し挟まれた様子。だから位置取りが後ろになってしまい、追い上げる展開となった模様だ。でも、これもなかなかの脚を使っている。最後の新馬戦を飾ったのは、新種牡馬ディープの子供ではなく、リンカーンの子供であった。
月曜阪神7R
3歳500万下
ダ1200m
勝ちタイム1.10.6
勝ち馬:テイクアベット(牡3、栗東・湯窪厩舎)
すっかり関西になじんできた国分優J。ここも前走同様に逃げに出て、そのまま軽快に逃げ切った。行ったいったの結果だったにしろ、その2番手に7馬身差をつけるワンサイド競馬。ダート4戦で2勝をあげたテイクアベット。まだまだ進化しそうな馬でもある。
スタートで、リバーロイヤルとクラウンハッピーが遅れる。この先行有利なパシャパシャの水つき馬場では、出遅れは致命的。スッとテイクアベットが先手を取って行く。先行争いもなく、すんなりとそのまま楽に前へと行く。2番手に、同じく減量騎手のトーセントレジャー。3番手にケージーヨシツネで、道中絡まれずに4コーナーまで来る。
この間に、3コーナーのカーヴで後続グループのアルゴリズムが外目に位置していたのだが、前が狭くなったのと馬自身がひるんだのか、一気に下がってしまうシーンがあった。その後また盛り返していただけに惜しまれる不利。
しかし先頭のテイクアベットのペースは快調に飛ばす。前半3ハロンが34.4はともかくも、その後も46.2~57.6と芝なみのラップを刻むも、十分に息が入るもので楽。
4コーナー手前で、2番手のすぐ後ろまでキンショーユウジャが上がって来ていたのだが、直線に入っていざ追い出したら失速気味の感じ。2番手トーセントレジャーも直線で伸びて行くのだが、前のテイクアベットがどんどんと差を広げて行くので、差が詰まらない。そしてゴール前で猛追して来たのが、後ろから外へ出して追い上げてきたモルフェメイト。
最後の1ハロンこそ13.0とかかったが、それでいて7馬身差なのである。ダートはより先行有利な馬場になっているが、鞍上の53キロも利いているだろう。が、自分の競馬をしきったものがこの結果であろう。
かくして、150万の3連単とここも荒れ気味。関東馬対関西馬の組み合わせが実に多い週となっている。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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