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-スプリングS他-平林雅芳の目
2011/3/29(火)
土曜阪神11R
スプリングS(GⅡ)
芝1800m
勝ちタイム1.46.4
勝ち馬:オルフェーヴル(牡3、栗東・池江厩舎)
※やっぱり切れる!オルフェーヴル、春はもうすぐそこだ。
直線に入ってズラッと横に広がった馬群。ほとんどの馬がまだ圏内と思えるほど、その一番外にオルフェーヴルは上がって来ていた。そして先頭に立つや、内に切れ込みながら伸び続ける。ペルシャザールが追いかけてくるが、脚色はむしろオルフェーヴルの方が優っているぐらい。右回りだと伸び脚が半端ではない。ペルシャザールの追撃を退けての勝利。2勝目を重賞で飾り、次のステップへといい出足である。
パドックで見ていて、ペルシャザールの馬体はビカっと光っている感じである。12キロ減でもまだ520キロ台。しかし大きく差が目立つものでなく、締まって良い馬体に見える。
スタートで一番前に出ていたのは、アドマイヤサガス。グランプリボスも悪くない。と内からホッコーガンバが先頭へと出て行く。エイシンオスマン、アドマイヤサガスと続く。ペルシャザールにグランプリボスがその次である。リベルタスは後でパトロールビデオで見たら、スタートして躓いていた。思い切って行く福永Jの戦法が出来ていない。リフトザウイングスも後ろで待機だ。
3コーナーでは、ホッコーガンバにグランプリボスが前へと上がって来て、2番手に上がる。その直後に、やや掛かり気味でペルシャザールが3番手だ。
4コーナー手前では前の2頭、ホッコーガンバにグランプリボスが馬体を並びかけて先行。その後ろに3頭。最内にペルシャザールが絶好位にいる。アドマイヤサガス、ショウナンパルフェにリベルタスとその後ろにいたが、スルスルとオルフェーブルが上がって来ている。リフトザウイングスはと見ると中団より後ろめで、その外めにステラロッサが押し気味でいる。カーヴを回るところにある残り600メートルのハロン棒。そこをオルフェーヴルがリベルタスの外まで接近して上がって来ていた。そして直線へと入ってきた。
ここらで先頭にはグランプリボスが立っている。生垣の切れ目を過ぎて残り300のオレンジ棒が近づく。かなり横に広がる馬群となる。外のリベルタスのその外、オルフェーヴルの伸びがいい。池添Jの左ステッキが2発ぐらい飛んだ後で内へと切れ込んで行く。ちょうどペルシャザールが馬群の中から出てきたところだ。
残り1ハロンを切った。まだグランプリボスが粘っているが、外オルフェーヴルと中のペルシャザールの伸びがいい。オルフェーヴルが半馬身ぐらいリードを保ったままゴール。内のグランプリボスを気遣いながら、ペルシャザールが前に出た。外からやっとステラロッサが、リスポリJのステッキに促されて3番手に上がったところがゴールであった。その前の4頭から離れたインコースを、エイシンオスマンが5着に上がって来ていた。一番長い脚を使って来たのは、ステラロッサだったかも。しかしかなりシンドイ手応えであった。
4コーナーで馬群の一番外めに上がって来ていたオルフェーヴル。多少内へと切れ込んでは行ったが許容範囲。右回りだと安定した脚を繰り出せる馬だ。そんなに大きくはない馬体だが、兄ドリームジャーニーよりは馬体は大きい。あとは兄に追いつける実績をこれから残す事か。シンザン記念2着、きらさぎ賞3着の鬱憤を晴らす勝利で、皐月賞出走へと大きく前進だ。ペルシャザール。ステラロッサまでが皐月賞優先出走権を獲得した。
またリフトザウイングスは最後までガツンと来ることないゴール。一体どうしたのだろうか?
土曜阪神12R
フラワーC(GⅢ)
芝1800m
勝ちタイム1.47.0
勝ち馬:トレンドハンター(牝3、栗東・松田博厩舎)
※ダートも芝も関係ない。トレンドハンターの伸び、強烈だ!!
直線1ハロンでは、ハブルバブルをかわして行く脚が違っていた。外から抜け出したトレンドハンター、最後は内ラチ側でゴールを迎えたが、脚色はもう目一杯な感じでなく、流し気味と思えた程。ダートでも切れる脚を感じたものだが、芝でも他馬とは伸び具合が違う。またまた松田博厩舎の牝馬勢に新手が加わって、ますます豪華な桜花賞となるはず。オークス向きのトレンドハンターの勝ちっぷりではあった。
4コーナーの入り口で外からハブルバブルが上がって来た時のタイミングと勢いからも勝利と思えたものだった。事実、直線に入って来て、前を行くマイネイサベルを射程圏に入れたハブルバブル。早めから追い出したリスポリJ。しかし、その瞬間に外からトレンドハンターが一気にかわして先に出る。まだあと1ハロンを残すあたりである。その勢いに戸惑ったのか、ハブルバブルの脚が一瞬止まったかに見えた。
マイネイサベルをかわしたのが残り100のオレンジ棒あたり。前を行くトレンドハンターを追いかけるハブルバブル。少しずつ縮まって行ったかの様に見えたが、トレンドハンターが1馬身近くの差をつけてゴールしていた。3着には、マイネイサベルを外からかわしたマヒナが入っていた。
トレンドハンターは、ダート戦での脚の使い方が違っていた馬。未勝利を勝った時も印象に残るものだったが、2勝目が桁違いな脚。並ぶ間もなくかわしていったもの。しかし、ダートだからという問題ではなかった。いわゆる能力の違いを見る思いだ。
直線で先頭に立つシーンが長くて、遊んでいるかの様な感じであった。今日は馬体も増えていて、まだまだ余裕の体だ。レーヴディソールの最大のライバルまで行くのかも知れない。彼女がオークスを捨ててダービーへと行けば、この馬がオークスの最有力馬になるかも知れない。そんな底力を感じたものでもあった。
2着ハブルバブルは、連闘で臨んできた今回。桜花賞へと滑り込む賞金加算を出来たのが何よりか。3着マヒナは大幅な馬体減。18キロも減っていたのは影響はあっただろう。でもトレンドハンターの後ろから、外を同じように回って最後はだいぶ詰め寄って来ていた。もう桜への出走は叶わなくなったが、馬体を立て直してオークスへと向けていけるはず。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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