ロードカナロア、直線伸びて快勝!《平林雅芳 3歳観戦記》

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土曜京都10R
葵S
芝1200m
勝ちタイム1.09.3

ロードカナロア(牡3、栗東・安田隆厩舎)

4コーナーのカーヴを回る手前では、4頭が横並びとなる流れ。それ程に速くもなく遅くもなくで、追走する馬も手応え十分で上がって来ていた様子。そこで内から2番手のロードカナロアが、直線に入ってもその手応えどおりに伸びて快勝。圧倒的1番人気の支持どおりの結果。注目は2着争いだったが、ミヤジエムジェイが粘ろうとするところを、外からサクラベルが差して2着。ツルマルレオンは、インコースでスペースがないのか何も出来ないままで8着と敗退していた…。

スタートでプランスデトワールがやや遅れ気味。その内のツルマルレオンも速くない。内ではアフォードもジワっと出した様子だ。最内からメモリアルイヤーが押して出て行くのを、持ったままでロードカナロアが楽についていく。1ハロンを過ぎたあたりで、2番手ロードカナロアの外にペプチドサクシード。外からシゲルキョクチョウも押して来て並ぶ。ヤマニンパピオネと続き、その直後にアフォードがもうここまで上がって来ている。そしてスギノエンデバーと続く。後方でツルマルレオンとプランデストワールが一番後ろだが、前から10馬身ぐらいの差であろうか。

3コーナーを回ってレースの半分に差しかかるあたりでは、ツルマルレオンとプレンデストワールの2頭も、前からは5馬身もないぐらいの差である。どうやら流れは速くなさそうだ。最後方にはファーマクリームだけが1頭、2馬身ぐらい離れている。
4コーナーのカーヴに入る時には、ツルマルレオンの安藤Jがかなり立ち上がり気味で折り合いに苦労している様子が見られる。先頭グループは4頭がズラリと並んでいる。一番内がメモリアルイヤー。その外がロードカナロア。ペプチドサクシード、シゲルキョクチョウ。その後ろの組もズラリと並び、馬群がひしめいている。

カーヴを回って直線に入って来たが、ロードカナロアがやや出てきた感じだ。ここらでは後ろのツルマルレオンも内ラチ沿いで、前から4頭めではある。しかし直線に入って来ても、前はバテる馬がなく脚を残しているから、隙間が出てこない様子だ。
残り1ハロンを過ぎたあたりでも、ツルマルレオンの安藤Jの手綱は何も出来ないまま動きもしない。その間に先頭はまだ粘るメモリアルイヤーに、まだ並びかけてないロードカナロア。
残り100メートルのあたりで前へ出たロードカナロア。外からミヤジエムジェイが伸びて来ている。
先頭に出たロードカナロア。問題は2着争いとなってきた。ミヤジエムジェイが内のメモリアルイヤーをかわしたと思った途端に、外からサクラベルが一気に伸びて2番手に上がる。内ではアフォードも伸び脚を見せていたが、前までは届かず4着。スギノエンデバーに、大外を最後方からファーマクリームが急接近。ツルマルレオンはその後ろでただ流れこんで来ていただけだった。

前半3ハロンは34.8とゆったり。そこから11.6~11.3~11.6と切れ味を要求される流れで、完全に前残りの競馬となっていた。勝ち時計の1.09.3はかなり遅いもの。それだけユッタリとした流れだったという事。
これで1200戦で全て勝ち鞍の3勝目を挙げた。夏のスプリント・シリーズかと思って火曜朝に安田師に聞くと《前からソエの感じはあったのですが、使っていよいよ出ました。ですので、これでひと息入れます》との事であった。
一方のツルマルレオンは橋口師が《何も出来ないまま終わってしまったな~》のひと言であった。

短距離戦にしては珍しいぐらい淡々とした流れとなり、上がり勝負が明暗を分けた感じでもあった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。