ペルレンケッテなど《平林雅芳 次走注目3歳馬》

トピックス

★次走注目3歳馬

土曜阪神3R
3歳未勝利
芝・2000m

ロッセ(4着)(牡3、栗東・長浜厩舎)
(ポイント)
このレースは3ヶ月半の休養を挟んで出てきたジェントルマンが、力の違いを見せての快勝。2,3着にも、前走2着馬のゴットラウディーテーオーゼウスが残った一戦。本命サイドで決まった方のレースであるが、その決着の中で終いだけで一気に差し込んで来たロッセが目立つ脚。
久々の芝に使ってきたロッセだが、ゲートをソロっと出た後も頭も、左右の馬が寄って来たのを気にしたか、下げざるを得ない最後方の競馬。
4コーナーまでドンジリ追走だったが、直線で外に出してからの脚がかなり凄いものを使っていた。デビュー当初に芝を使っていたのだが、その頃は見せなかった切れ味が出てきた。
今回はメンバー中最速の35.5の脚を見せたロッセ。デュランダルの子供だが、毛色は母系のシービークロス。今日の競馬は、まさしくシービークロスの様な内容だった。俄然、次走が注目の馬となった。

土曜阪神7R
3歳500万下
芝・1400m

ペルレンケッテ(2着)(牝3、栗東・音無厩舎)
(ポイント)
勝ったのが、最内で上手く脚を貯めていたジョーアカリン。それも3,4番手の絶好位を楽に追走して、直線もパカッと開いた内から残り1ハロンから抜け出す省エネ競馬でのもの。そこへ際どく迫って来たのが1番人気ペルレンケッテ。大きなハナ差届かずだったが、勝ち馬とは全く正反対な、スムーズさを欠く内容でのもの。スタートはややダッシュつかずで一番後ろだが、その後をラチ沿いをスーッと上がって中団より前ぐらいに行けたのだ。
前から下がって来そうな馬がいたりで、ゴチャつきそうな感じで狭くなっていた。馬もちょっと頭を上げて気にしている様子。まだ2ハロンを行くか行かないのところ。そこからジッとして前がいなくなるまで待って外へ出しての追撃。
4コーナーでは、馬群の外から出て来ているのである。内から外へ、それもかなり待っての行動でこの着差だ。もっとスムーズに流れていたのなら、離して勝てていたのではと思えるもの。今までと全く違う競馬内容と、逆に収穫も多かった。すぐにでもこのクラス卒業の地力である。

日曜阪神5R
3歳未勝利・牝
芝外・1800m

タガノエベンヌ(1着)(牝3・栗東・加用厩舎)
(ポイント)
このレースは、未勝利戦でもけっこうなレベルの高さの一戦。2着続きのショウナンマハ。常に人気を背負うオーシャンビーナス、そしれ前走新潟とはいえ2着のレイテッド。と前走2着馬だけでも3頭もいるほどの中身の濃さである。それらを後めに逃げ切ったタガノエベンヌ。如何に開幕週の絶好な馬場とはいえ、直線で残り400メートルの地点でのトップスピードが10.9の切れ。まるで古馬の様な巧みな先行馬ペースを造り、切れを駆使しての逃げ切り。こう言った芸当ができるのも、キャリア9戦めで学習した事を出せたからなのだろうが、このメンバーでそれが出来たのが凄い。次走に注目しておきたい馬だ。
そして、戦前に注目していたディープインパクト産駒のサルヴァートレピサは6着。いきなり勝つ事は出来なかったが、まだ次走も引き続き注目はいる馬だろう。

日曜阪神9R
あじさいS
芝・1200m

ミヤジエムジェイ(2着)(牡3、栗東・岩元厩舎)
(ポイント)
勝ったラインアンジュだけが目立ってしまったこのレースだが、この2着に粘ったミヤジエムジェイも決して悪くない内容だ。いずれも小倉戦での芝で2勝をあげた馬だが、中央に戻って来ても橘Sでツルマルレオンの2着。前走の葵Sでもロードカナロアの3着。なかなか堅実な足取りである。
たまたま相手が悪かったここ3戦での内容。相手次第ではあるかも知れないが、3歳のオープン級でも十分にやっている現状だ。去年の11月デビューで毎月1走以上は走っているだけに、ソロソロ一服入れる頃合いかも知れないが、夏の小倉戦から復帰して古馬相手でもいきなりからやってくれる実戦型だと思う。そんな印象の馬である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。