【神戸新聞杯】ひと夏越してパワーアップ!ウインバリアシオン

トピックス

エイシンプレストン、ビハインドザマスクなどの名馬を手掛けてきた担当の中山調教助手をもってさえも、「これまで手掛けてきた中で一番だと思う」と最大級の賛辞を送るウインバリアシオン(牡3、栗東・松永昌厩舎)。

デビュー2連勝を鮮やかな差し切り勝ちで決め、一躍、ハーツクライ産駒の筆頭格として注目を浴びるも、そこからが誤算。3戦続けて勝ち星に見放されると、皐月賞にも駒を進めることができなかった。

しかし、この春も青葉賞では、安藤勝己騎手を新パートナーに迎え、重賞初勝利を挙げると、裂蹄の不安を抱えながらも、極悪馬場の中で、オルフェーヴルの戴冠を脅かすが如く、日本ダービーでは2着に食いこんだ。

担当する前述の中山助手は「ダービーの時は少し爪に不安はあったのですが、不安が大きい中でも走ってくれて、結果オーライでした。ウチのはたまたま上手くいった競馬だけれども、勝った馬(オルフェーヴル)は強かったですね」と謙遜。

しかし、この夏はノーザンファームに放牧へ出て、爪の不安も解消。追い切りメニューこそ、いかにも先を見据えた仕上げだが、陣営は成長を感じったようだ。

「先週、追い切りに騎乗した安藤騎手も『パワーがついてきたね』と言ってくれたように、馬体にパワーが出て来ました。目方は絞り切れていないし、緩さがまだありますが、本格化は来年ですが、この馬のセールスポイントは掛からないこと。距離に不安はないですし、これからバリアシオンがしっかり走ってくれれば、大きな看板を背負える馬だと思いますよ」

父のハーツクライも4歳夏の放牧を境に大きな成長を遂げ、有馬記念でディープインパクトを撃破、ドバイシーマクラシックも制し、世界にその名を羽ばたかせた。
父に似たフォルムの持ち主のウインバリアシオンならば、その成長力も受け継でいることだろう。 ただ、1頭、日本ダービーでオルフェーヴルに肉薄した末脚に磨きが掛かれば…。逆転も夢ではない。