過去10年攻略データ

1996年にエリザベス女王杯が古馬に解放されたことに伴い創設された3歳牝馬限定のG1競走で、3歳牝馬3冠の最終戦。時代を彩った名牝が勝ち馬に名を連ねているが、内回りでゴチャつきやすい淀の2000mで2008年には3連単の払戻が1000万円を超える大波乱も起きている。本格的な秋競馬の到来を告げる一戦をデータから占いたい。

ローズS組が圧倒的に優勢だが…

[前走レース]臨戦過程別ではローズS組が圧倒的に強く、過去10年で7勝、2着8回と数では群を抜いている。出走頭数が多いためアベレージは低く出ているが、この組はまず一目置かなくてはいけない。今後注目されるのは昨年ワン・ツー・フィニッシュを決めた紫苑S組。オープン特別時代は好タイムで勝った馬も本番ではまるで歯が立たなかったが、昨年より重賞に格上げされメンバーレベルがグンとアップ。本番までの間隔からも、更に勢力を伸ばしてくる可能性がある。
ちなみにオークスからのぶっつけは12頭いて最高が6着。重賞好走馬であっても、ものの見事に着外に敗れている。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
ローズS7-8-4-589.1%19.5%24.7%
紫苑S(G3)1-1-0-612.5%25.0%25.0%
クイーンS1-0-1-514.3%14.3%28.6%
紫苑S(OP特別)1-0-0-362.7%2.7%2.7%
夕月特別0-1-0-60.0%14.3%14.3%
シリウスS0-0-1-10.0%0.0%50.0%
宝塚記念0-0-1-00.0%0.0%100.0%
札幌記念0-0-1-00.0%0.0%100.0%
甲武特別0-0-1-00.0%0.0%100.0%
ムーンライトH0-0-1-00.0%0.0%100.0%
優駿牝馬0-0-0-120.0%0.0%0.0%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着3-4-3-37
前走2着4-2-2-12
前走3着0-2-2-14
前走4着2-0-0-9
前走5着0-2-0-7
前走6~9着0-0-1-39
前走10着~1-0-2-30

過去10年注目データ

[前走着順]前走着順はかなり重要で、勝ち馬は9頭が4着以内。前走で掲示板を外した馬はかなりハードルが高くなる。前走2ケタ着順から馬券に絡んだ3頭はいずれも重賞で連対もしくはオープン特別を勝っていた。また、前走4着で巻き返した10年アパパネ、13年メイショウマンボはどちらもオークスを勝っていた。

[枠順]枠番別では1、5、6枠から勝ち馬が出ていないが1枠は2着馬が4頭。2枠と3枠がそれぞれ2勝で、外枠では7枠が3勝、8枠が2勝。アベレージで見ると揉まれるリスクが高いのか中枠の数字がやや低くなっている。
馬番別で馬券絡みがないのが「8」「11」の2つ。1枠の2着4回は全て「1」の馬がマークしている。唯一2勝を挙げているのが「4」で2~3着も各1回ある。

[脚質]内回りの小回りコースで直線が短いため、どうしても先行有利のイメージが働くのだが、この大一番では先行勢が速い流れに巻き込まれて差し馬の餌食になっている。4角先頭で押し切ったのは、07年の名牝ダイワスカーレットのみ。まずは決め手を持った馬をチェックしたい。
4角10番手以下から馬券になっているも多いのだが、勝ち切るまでには至っておらず、人気馬の取りこぼしも見られる。

人気馬の信頼度は高め

近況好調な馬が強いレースとあって、勝ち馬は1~3番人気が3頭ずつ。1番人気は(3-1-3-3)と複勝率は70%に上る。ちなみに過去10年で角居勝彦厩舎の馬が3頭1番人気に支持されているが、最高は07年ウオッカの3着。11年にアヴェンチュラでこのレースを勝っているものの、複勝圏を外した3頭のうち2頭が角居厩舎という不本意な成績になっている。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気3-1-3-330.0%40.0%70.0%
2番人気3-2-1-430.0%50.0%60.0%
3番人気3-1-0-630.0%40.0%40.0%
4番人気0-1-1-80.0%10.0%20.0%
5番人気0-1-0-90.0%10.0%10.0%
6~9番人気0-4-3-330.0%10.0%17.5%
10番人気~1-0-2-861.1%1.1%3.4%

プラスαデータ

人馬ともに東は劣勢

東西の比較では関西馬が8勝、2着8回、3着7回と完全に西高東低。10年にアパパネが3冠馬となり1~3着を関東馬が独占した年もあったが、アパパネを除くと3度の1番人気で3、2、10着と勝ち切れておらず、地元の分厚い壁に阻まれている。
ジョッキーも美浦所属は苦戦していて、連対はわずか3名。関西馬とのコンビでも苦しい流れになっている。

[キャリア]本番までキャリア8戦の馬が過去10年で4勝。次いで6戦が3勝、5戦が2勝。勝ち馬は5~8戦の馬で、9戦以上になると連対率も急降下する。有力馬のうち、紫苑Sを勝ったディアドラは13戦、レーヌミノルは9戦を消化。過去10年のデータからは大きな割引になる。

[乗り替わり]G1戦は本質的に乗り替わりはマイナスとなるが、このレースも乗り替わりで勝ったのは2頭で、2着1回、3着4回。07年2着のレインダンス、14年1着のショウナンパンドラはどちらも以前にコンビ経験があった。テン乗りは割引と考えたい。

[当該コースの騎手成績]2012年以降に行われた京都芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは川田騎手で25勝。騎乗回数が多いこともあるが、勝鞍の数は頭一つ抜けている。2位はC.ルメール騎手の19勝。3位は武豊騎手と福永騎手の18勝で、次の13勝を挙げている岩田騎手とは少し差が離れている。その岩田騎手だが、秋華賞は過去10年で8回騎乗して3勝、2着1回。抜群の好相性を示している。

[馬体重]昨年は414キロのヴィブロスが勝ったが、過去10年で5勝しているのが480キロ以上500キロ未満の馬。500キロ以上の馬も勝ち馬はいないが決して多くない該当馬の中から2着1回、3着1回と複数の馬券絡みが出ている。馬格のある馬は一応警戒しておきたい。

[種牡馬]瞬発力に長けた馬が活躍しているイメージ通り、ディープインパクト産駒が目下3連勝中で、4年前の2着を挟んで近5年で4勝。もっとも出走頭数も多く、単にディープインパクト産駒というだけで飛びつくのは危険だが、連対馬は全て3番人気以内で、これは1つの指針となる。
複数の馬券絡みを出している種牡馬はマンハッタンカフェ、アグネスタキオン、キングカメハメハ、ジャングルポケット、ハーツクライ、ダンスインザダーク。決め手を伝える種牡馬が活躍している。

データの決断

オークス馬ソウルスターリングは古馬路線に進んだが、春のクラシック上位馬はほとんど顔を揃え、そこへ上がり馬も加わって馬券的にも楽しみな一戦。データから浮上してきたのは、最も多くの勝ち馬を出しているキャリア8戦で、強烈な決め手を持っている桜花賞2着馬のリスグラシュー。前走3着馬がやや苦戦しているのはネックだが、鞍上も申し分なく、牝馬3冠最終戦となる大一番で混戦を割って出ると見たい。