過去10年攻略データ

1983年に牝馬3冠の最終戦・エリザベス女王杯のトライアルとして創設。秋華賞の創設により9月の阪神へ舞台は移り、2007年より現在の芝1800mで行われている。勝ち馬には名牝がズラリと並び、春のクラシックで主役を務めた馬がその地力をいかんなく見せつけたレース、夏の上がり馬が春の実績馬を破ったレースと年によって見どころは様々。秋華賞本番以上に各馬が思う存分実力を発揮出来るコースで、今年のどの馬が勝ち名乗りを上げるのか? データから勝ち馬を導き出したい。

オークス組が他を圧倒!

[前走レース]オークスのあと、夏を休養に充て、ここで秋初戦を迎えた馬が8勝。出走頭数も圧倒的に多いのだが、その経験、実力をいかんなく発揮している。また、2勝を挙げているのが、俗にいう『上がり馬』で、2頭どちらも前走が500万クラスの平場戦。14年2着のタガノエトワールは未勝利を勝ったばかりの身で好走。連対馬は前走が1000万クラスの馬より500万クラスの馬の方が多く、3着馬は1000万クラスの方が多い。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
1番人気4-2-0-4前走1着5-5-3-40
2番人気1-2-1-6前走2着0-3-1-8
3番人気0-0-2-8前走3着2-0-1-8
4番人気1-0-0-9前走4着2-0-2-6
5番人気2-0-1-7前走5着0-0-1-7
6~9番人気2-3-3-32前走6~9着0-1-1-26
10番人気~0-3-3-58前走10着~1-1-1-27

過去10年注目データ

[前走着順]前走から連勝を果たした馬は5頭、2着5回、3着も3回あって前走勝ってここへ挑む勢いは非常に重要。勝ち馬は9頭が前走4着以内で、オークスから連勝した馬は3頭。前走10着以下から馬券圏内に巻き返したのはわずか3頭で、昨年の勝ち馬カンタービレは重賞勝ち、16年2着クロコスミア、10年3着エーシンリターンズは重賞で3着2回の地力を持っていた。

[枠順]過去10年で勝ち馬が出ていない枠はなく、5枠と7枠が2勝。2~3着は6~8枠がやや多く、若干外枠が優勢。
馬番別では「6」が3勝と好相性。馬券絡みがない馬番は「10」「17」「18」の3つ。

[脚質]長い直線とゴール前の坂があることから4角先頭で押し切るのは難しいのだが、近年は先行勢の粘りが光っていて、いずれも人気薄が好配の使者になっている。
トータルで見ると差し馬が強いレースで、4角10番手以下からの差し切りも4頭。こちらも人気薄の伏兵が度々馬券に絡んでいる。

イメージほど堅くはない…

1番人気は(4.2.0.4)とマズマズの信頼度なのだが、2~5番人気がイマイチで、クラシック上位馬が活躍しているレースの割にはイメージほど堅くない。2ケタ人気の伏兵も勝利こそないが、2~3着がそれぞれ3回あって、5番人気以下の馬だけで1~3着を占めたのはわずか1回。重賞での好走実績がありながら、人気を落としていた馬が度々穴を開けている。

プラスαデータ

関東馬の西下は自信アリ!?

過去10年、関西馬が7勝、2着9回、3着8回と数字は圧倒しているが、出走頭数も非常に多く、関東馬の出走は17頭。それでいて(3.1.2.11)と結果を残しており、アベレージでは東が圧倒。再度関西での戦いとなる秋華賞を前に西下してくる関東馬は自信アリと見てとれる。
ジョッキーも数字は西が圧倒。勝率、連対率は騎乗機会の少ない美浦所属のジョッキーが高いが、馬ほど東優勢とはなっていない。

[キャリア]過去10年、キャリア5戦が4勝、6戦が3勝。クラシック路線を歩んだ馬、夏の上がり馬、いずれにしてもフレッシュな馬が多くタイトルを手にしている。キャリアを重ねている馬は条件クラスの叩き上げではなく、ほとんどがオープンで上位経験がある馬で、中でもチューリップ賞3着馬が好成績を残している。

[乗り替わり]前走がオークスという馬が8勝しているレースとあって、前走と同じコンビが7勝。ところが、2着馬が乗り替わりの馬が多く、7頭が乗り替わりでの2着。アタマで狙うなら同じジョッキーの馬の方が優勢だが、連軸選びという点では、連対率はほぼ互角で、さほど気にしなくてもいいかもしれない。そして3着は再び同じコンビが7回とリード。乗り替わりのコンビは人気薄が多く、穴党は覚えておきたい。

[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた阪神芝1800mで最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは福永、M.デムーロ騎手の27勝。続いて川田騎手が26勝、C.ルメール騎手が23勝で、G1戦線も賑わせるリーディング上位がズラリ。以下は大きく離れて、武豊騎手13勝、浜中、池添騎手が10勝、和田竜、松山騎手が9勝、小牧太騎手が8勝と続く。福永騎手は勝利数もさることながら、回収率も単複ともにプラスと文句なしの成績を残している。

[馬体重]勝ち馬の最少体重は13年レッドリヴェールの426キロ。最高体重は15年アドマイヤエイカン、11年グランデッツァの492キロ。タフな洋芝で行われることもあるのか、比較的馬格に恵まれた馬が活躍している。とはいえ、軽量馬のアベレージも決して悪くはなく、過度に気にする必要はないだろう。

[種牡馬]勝ち馬の最少体重は18年カンタービレの434キロ、最高体重は12年ジェンティルドンナの472キロ。ひと夏を越したとはいえ、3歳牝馬限定のレースで、更に小柄な馬も多いディープインパクト産駒が活躍しているとあって、大型馬が苦戦傾向。ただし、480キロを超える馬は出走頭数も多くなく、馬格はあまり気にしなくていい。

データの決断

やや寂しい頭数となってしまった西の秋華賞トライアルだが、データから狙ってみたいのはオークス4着の関東馬ウィクトーリア。オークス出走組が強いレースで、今回出走する中では最先着の4着。その前走4着馬は成績も良く、さらに本番前に西下してくる関東馬が好成績を残していることも強み。トライアル2冠で本番へ挑む!