過去10年攻略データ

1949年に東の3歳(現2歳)チャンピオン決定戦『朝日杯3歳S』として創設。当初は中山芝1100mで、1959年に芝1200m、1962年に芝1600mに変更。1991年には性別によるチャンピオン決定をより明確にするため「牡馬・セン馬限定」となるが、2004年より「牡馬・牝馬限定」に変更。現在はセン馬が出走できなくなっている。また、2001年から馬齢表記の国際基準化に伴いレース名を『朝日杯フューチュリティS』に改称。2014年からは舞台が長く親しまれた中山から阪神へと移り、レースの趣も変わってきている。荒れ模様にもなっている一戦をデータで検証したい。

G2出走のキャリアは侮れない!

[前走レース]このレースと抜群の相性を誇るのはベゴニア賞で、昨年はサトノアレスがそこから連勝で2歳王者に輝いた。残念ながら今年は勝ち馬のアンプロジオをはじめ、同レースからの登録馬はいない。
馬券圏内の数ではレースレベルが高い東スポ杯2歳S、京王杯2歳S、デイリー杯2歳Sといった重賞組になるのだが、馬券の妙味はクラシックに繋がる出世レースの東スポ杯2歳Sではく、G2の京王杯2歳S、デイリー杯2歳S組で、近年は両レースから人気薄が続々穴を開けている。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
ベゴニア賞3-0-0-537.5%37.5%37.5%
東スポ杯2歳S2-2-1-1410.5%21.1%26.3%
京王杯2歳S1-5-2-312.6%15.4%20.5%
きんもくせい特別1-0-1-133.3%33.3%66.7%
新馬1-0-0-420.0%20.0%20.0%
新潟2歳S1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
オキザリス賞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
デイリー2歳S0-2-2-150.0%10.5%21.1%
からまつ賞0-1-0-10.0%50.0%50.0%
千両賞0-0-2-30.0%0.0%40.0%
いちょうS0-0-1-10.0%0.0%50.0%
500万下0-0-1-130.0%0.0%7.1%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着9-5-7-63
前走2着0-2-2-22
前走3着0-1-1-5
前走4着1-1-0-9
前走5着0-0-0-6
前走6~9着0-1-0-21
前走10着~0-0-0-8

過去10年注目データ

[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たした馬は実に9頭。出走馬の半数以上が前走で勝鞍を挙げているので、その数字も大きくなるのだが、兎にも角にも前走勝利という勢いは無視出来ない。
前走2着以下から馬券圏内に入った馬はいずれも前走が重賞レース。高いレベルのレースを経験している馬が好走に繋げている。

[枠順]枠番別では5枠が未勝利で馬券絡みが昨年2着のモンドキャンノ1頭のみという不振。1つ内の4枠も1着と3着がそれぞれ1回と中枠の数字が今ひとつ。ロスなく立ち回れる1枠と2枠がそれぞれ2勝、揉まれずに運べる8枠が2勝と好成績を残している。
馬番別で馬券絡みがないのは「9」「16」「18」で18頭フルゲートはまだ過去2回だけ。2歳戦ながら格と実績がストレートに現れるレースで、枠よりも素質、完成度を重視したい。

[脚質]中山競馬場で行われていた時はコース形態から内枠、先行馬有利となっていたが、2014年に阪神競馬場へ舞台が移ってからは、阪神JF同様に差し馬が台頭。3年連続で4角10番手以下の馬が差し切っている。鋭い決め手を既に見せている馬、血統的にそうしたタイプの馬は積極的に狙いたい。

重賞好走の人気薄を見逃すな!

昨年は牝馬のミスエルテが1番人気で4着。過去10年、1番人気の馬は全て掲示板を確保しているが、(3-2-1-4)は決して良いとはいえない数字。6番人気以下の伏兵も度々上位に進出し、2ケタ人気も2着2回、3着3回と波乱を演出している。
6番人気以下で馬券絡みを果たした馬は、全て前走で勝っているか、重賞5着以内の実績があった。昨年は前走で京王杯2歳Sを勝っていたモンドキャンノが7番人気に甘んじるなど、重賞で好走している実績を持ちながら人気の盲点になる馬が多い。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気3-2-1-430.0%50.0%60.0%
2番人気2-1-1-620.0%30.0%40.0%
3番人気1-0-2-710.0%10.0%30.0%
4番人気1-2-1-610.0%30.0%40.0%
5番人気1-1-2-610.0%20.0%40.0%
6~9番人気2-2-1-355.0%10.0%12.5%
10番人気~0-2-2-700.0%2.7%5.4%

プラスαデータ

外国人ジョッキーが活躍

過去10年、関東馬が6勝とリード。しかも、過去6年で5勝していて、出走頭数がほぼ半数ながら2着の回数も5回と先週の阪神JF同様、近年は関東馬が強いレースになっている。阪神に開催場を移してからも同じ傾向で、中山で行われていた頃より関西馬の方が出走頭数が多い事を考えると、関東馬の健闘が非常に光る一戦となっている。
これがジョッキーとなると少し傾向が変わってきて、過去10年では栗東所属のジョッキーが6勝。美浦所属と外国人ジョッキーがそれぞれ2勝をマーク。外国人ジョッキーの存在にも注意を払いたい。

[キャリア]過去10年、キャリア2戦の馬が4勝、3戦の馬が3勝。かつては叩き上げの馬も活躍していたが、近年はデビュー2~3戦でしっかりと賞金を上積みしてきた馬が好成績を残している。馬券絡みは6戦までで、3着1回のみ。15年はキャリア1戦のリオンディーズが連勝で2歳王者となったが、過去の傾向からは重賞で連対のない1勝馬が出走に漕ぎ着けるのが大変で、出走できても好走するのは至難の業。1勝馬の身で勝った07年ゴスホークケンも前走は東スポ杯2歳Sで4着と地力の高さを見せていた。

[乗り替わり]昨年は乗り替わりとなった馬がワン・ツー・フィニッシュ。1~3着いずれも前走と同じコンビが6回と数は上回っているが、アベレージはほぼ互角。乗り替わりはあまり気にしなくても良さそうだ。

[当該コースの騎手成績]阪神芝1600mトータルの成績は先週をご参考に。ここでは2012年以降に行われた阪神芝1600mのオープン特別、重賞の成績をピックアップ。最多勝は7勝のM.デムーロ騎手で、15年にリオンディーズでこのレースを勝利するなど重賞4勝を挙げている。以下、浜中騎手の5勝、川田騎手の4勝、C.ルメール騎手、福永騎手の3勝と続く。外国人ジョッキーではC.デムーロ騎手が重賞6鞍に騎乗して(2-1-0-3)の好成績。アユサンで桜花賞を制している。

[馬体重]まだまだ未完成な2歳戦ながら、大型馬の好走が目立ち、昨年500キロで勝ったサトノアレスを含め、過去10年で勝ち馬の6頭が500キロ以上。馬券絡みの最軽量は09年の勝ち馬ローズキングダムと08年3着ブレイクランアウトの446キロ。直線の坂を克服するパワーも求められる。

[種牡馬]このレースと抜群の相性を誇るのがキングカメハメハとディープインパクト。ともに2勝を挙げていて、前者が(2-3-0-4)、後者が(2-1-1-2)と決して多くはない出走馬から複数の好走馬を送り込んでいる。また、外国産馬が活躍しているのも大きな特徴といえる。

データの決断

前走を勝ってここに挑む馬が好成績を挙げているレースだが、穴で非常に面白そうなのがデイリー杯2歳S3着のケイアイノーテック(牡2、栗東・平田厩舎)だ。前走勝ち馬が目立つ影で、前走3着馬は7頭が出走して2着と3着が1度ずつ。サンプルが少ないとはいえ、複勝率は勝ち馬を上回っており、この馬は伏兵の入着馬が多いデイリー杯2歳Sからの参戦。しかも好走馬が多いキャリア2戦で、父がディープインパクトと好走データが揃っている。更に特別登録がフルゲートと同じ18頭で1勝馬でも抽選なしで出走が叶う強運も持っている。穴で狙って見る価値十分だ。