毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【根岸S】混戦を断つのはベテラン!?
2018/1/21(日)
1987年に創設されたダートの重賞で、「根岸」はエンペラーズカップ(現在の天皇賞)や横浜農林省賞典四歳呼馬(現・皐月賞)が行われた日本初の近代競馬場である「根岸競馬場」に由来する。創設当初は11月に行われていたが、2001年に年明けの東京開催に移り、フェブラリーSの前哨戦として重要な一戦となっている。東京開催の開幕を告げる名物重賞をデータで検証したい。
武蔵野S組が好相性
[前走レース]3着までに入った馬の前走レースは18レースにも及ぶのだが、その中で抜群の好相性なのが、武蔵野Sからひと息入れた馬。過去10年でのべ8頭が出走して3勝。対象馬は人気に関係なく1頭も掲示板を外していない。
その他の特徴では、前走がG1の馬は好走率が高め。中山1200mからの転戦となるカペラS、ジャニュアリーS組は出走頭数が多いこともあるが、左右の回りやペースの違いがあるのかアベレージが低い。
過去10年注目データ
[年齢]過去10年5歳馬が4勝、6歳馬3勝、4歳馬2勝、7歳馬1勝。5歳馬は2着も5回あって、高い連対率を誇る。もう一つ見逃せないのが8歳の伏兵馬。3着4回は年齢別で最も多く。馬券に絡んだ5頭のうち3頭が2ケタ人気で波乱を呼び起こしている。
[前走着順]前走から勢いは重要で、連勝を果たした馬こそ3頭だが、勝ち馬は全て前走5着以内。過去10年で2着に入った馬の8頭が前走で勝ってこのレースに臨んだ馬だった。前走で掲示板を外している馬は割引で、馬券に絡んだ4頭は重賞勝ち、もしくはOP特別3勝以上の実績を持っていた。
[枠順]勝ち馬は幅広い枠から出ていて、勝ち馬が出ていないのは7枠のみ。勝ち馬こそいないが、3着馬は5頭出ていて、複勝率は8つの枠の中で最も高い。
馬番別では「6」が2勝。どちらかというと、内めの枠が好走している。過去10年で馬券絡みがない馬番は「10」と「12」。両サイドの「9」「11」「13」の複勝率が30%あり、一見良さそうな偶数枠で馬券絡みがないのは何とも面白い。
[脚質]直線の長い東京コースというのもあって、差し馬が強く、過去10年で5頭が4角10番手以下の後方から差し切り勝ちを収めている。4角先頭で馬券圏内に残ったのは08年2着のタイセイアトム1頭。近年は人気薄が多いが、10年には2番人気ケイアイテンジン、11年は1番人気ケイアイガーベラが人気を背負って沈んでいる。
ヒモ穴には要注意
1番人気は(4.2.0.4)と信頼度はマズマズ。1番人気に次いで4番人気が3勝を気を吐いている。勝ち馬は9頭が5番人気以内で、人気薄から入るのは得策とはいえない。一方で2~3着は人気薄が度々波乱を起こしており、2ケタ人気の馬も5頭が馬券に絡んでいる。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-2-0-4 | 40.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
3番人気 | 0-2-1-7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 3-0-2-5 | 30.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
6~9番人気 | 0-3-1-36 | 0.0% | 7.5% | 10.0% |
10番人気~ | 1-0-4-65 | 1.4% | 1.4% | 7.1% |
関西馬が圧倒的に強い!
関東で行われる重賞だが、東西の比較ではこの時期の気圧配置のように『西高東低』の傾向がハッキリ出ていて、過去10年で馬券に絡んだ関東馬は08年1着のワイルドワンダーと10年3着のオーロマイスターのわずか2頭。出走頭数も関西馬116頭に対して関東馬35頭と関西馬が圧倒している。
ジョッキーの方は美浦所属のジョッキーが2着7回、3着6回と意地を見せているが、アベレージでは栗東所属が圧倒。キッチリと結果を残している。
[キャリア]高齢馬の活躍が多いダート路線ということもあり、キャリア20戦を超える馬もバリバリ活躍しているのだが、キャリア10戦以下のフレッシュな馬も9頭が出走して(2.1.1.5)と結果を残している。フェブラリーSを睨んだ戦いで、そこへ向けて少ないキャリアで出走してくるということは高い素質の表れともいえる。
[乗り替わり]乗り替わりに関しては前走と同じコンビが勝率、複勝率でわずかに上回るが、騎乗機会も含めて数字はほぼ互角。乗り替わりは気にしなくていいだろう。
[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた東京ダート1400mで最も多い勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の45勝。続いて内田博騎手が40勝を挙げていて、内田博騎手は連対率、複勝率、単複の回収率で戸崎騎手を上回る。そこから少し離れて北村宏司騎手が26勝、C.ルメール騎手が24勝、横山典、蛯名騎手が22勝、田辺騎手が20勝と続く。また、この根岸Sに限れば、岩田騎手は5回騎乗して、2勝、3着3回と複勝率パーフェクト。08年の1番人気ワイルドワンダー以外の4頭は4番人気以下だったことを見ても、抜群の好相性といえる。
[馬体重]勝ち馬の最高馬体重は16年モーニンの526キロ。最低馬体重は08年ワイルドワンダーの448キロ。一般的にダートで出世する馬は馬格のある馬が多いが、このレースもそうした結果が出ていて、過去10年に複勝圏に入った30頭の平均馬体重は508.5キロとなっている。
[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を出している種牡馬はプリサイスエンドただ1頭。出走した産駒は10年グロリアスノア、昨年のカフジテイクの2頭で、それがともに勝利しているのだから相性は抜群といっていい。その他ではネオユニヴァース、ゴールドアリュール、タピットが複数の馬で複数の馬券絡みを果たしている。