毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【函館2歳S】穴のカギを握るのは人気薄のヒモ!
2018/7/15(日)
1969年に「函館3歳ステークス」の名称で創設。2001年に馬齢表示が国際基準へ変更されたことに伴ってレース名も「函館2歳ステークス」に変更された。函館競馬場の改修工事が行われた1994年と2009年を除けば一貫して函館芝1200mで行われていて、現在では世代最初のJRA重賞競走として定着している。過去に中央より早くデビューし、仕上がり、完成度に勝る道営の馬が3頭勝ち馬に名を連ねている。
新馬Vは大きなアドバンテージ
[前走レース]過去10年のうち、勝ち馬9頭が新馬戦からの連勝。未勝利を勝って連勝したのは昨年のカシアス1頭のみで、2着もわずか2頭。新馬勝ちは大きなアドバンテージとなっている。
同じ新馬戦でも牝馬限定戦を勝ち上がってきた馬は(2.0.1.3)とハイアベレージ。連勝を決めた2頭はいずれも1番人気に支持されていた。
過去10年注目データ
[前走着順]勝ち馬はいずれも前走から連勝。かつて8月に行われていた時はオープン特別のラベンダー賞から参戦。そこで巻き返した馬もいるが、現在の番組では前走敗れた馬が参戦出来るのは地方馬に限られる。また、ラベンダー賞で敗れて巻き返した2頭はどちらも2位入線していた。
[枠順]枠番別はやや偏りがあって、5枠から外が過去10年で8勝。そのうち4勝を6枠が挙げている。内枠の2勝はいずれも1枠で2枠は3度の3着が最高で連対がない。
馬番別では「12」が3勝、「1」「9」が2勝。「4」と「10」が1度も馬券絡みがない。
[脚質]ほとんどの馬がキャリア2~3戦目で、小回りコースの短距離戦とくれば、スピードに任せて逃げ切りというパターンも多そうなのだが、意外にも過去10年で逃げ切り勝ちは14年のアクティブミノルただ1頭。2~5番手の馬がやはり多く好走しているのだが、それより後ろから差してくる馬も多い。
先行して上がり上位で勝ち上がってきた馬がぶつかる一戦で脚質を読むのは難しいが、前走上がりトップの馬は注意しておきたい。
好配当のカギは2~3着のヒモ
過去10年、1番人気と2番人気がともに4勝。心身ともに未成熟の2歳重賞初戦だが、勝ち馬は4番人気以内に収まっており、そこまでのレースや調教で見せる完成度の高さ=人気に反映しているといえるかもしれない。ただし、2~3着馬は2ケタ人気が2頭ずつ飛び込んでいるように、一筋縄ではいかない結果となっている。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-3-0-3 | 40.0% | 70.0% | 70.0% |
2番人気 | 4-1-2-3 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-0-2-7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-2-1-7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 0-1-2-37 | 0.0% | 2.5% | 7.5% |
10番人気~ | 0-2-2-57 | 0.0% | 3.3% | 6.6% |
人馬とも西の勝負強さが光る!
過去10年、3着馬は東西5対5のイーブン。しかし、1~2着は偏りがあり、関西馬が8勝、2着は関東馬が7回と関西馬が勝ち切っている。なお、中央より始動が早い地方馬だが、過去10年では1頭も馬券に絡んでいない。
ジョッキーの方も似たような数字で西が優勢。栗東所属が7勝、美浦所属が3勝。2着は美浦所属6回、栗東所属4回となっている。
[キャリア]ほとんどが新馬勝ち、もしくは2戦目に未勝利を卒業しての参戦。新馬勝ちの馬はやはり一目置かなければならないが、連対率は2戦目に未勝利勝ちした馬とほぼ互角。新馬戦を取りこぼした馬の連突入には警戒しておきたい。
[乗り替わり]クラシックに直結するレースではないが、初戦で相当の手応えを感じている現れか、前走と同じコンビの方が成績は圧倒的に優秀。ここ2年は丹内、丸山騎手と関東の中堅ジョッキーが2ケタ人気を上位に導いているが、これといった共通点はない。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、函館芝1200mの2歳戦で最も多くの勝鞍を挙げているのは岩田騎手の9勝。連対率46.2%、複勝率59.0%のハイアベレージを誇る。1勝差で三浦騎手、以下、勝浦騎手5勝、古川吉、丸山騎手の4勝と続き、三浦、勝浦騎手も複勝率40%を超える。西でもう1人注目したいのが、15回の騎乗で(3.4.2.6)の松田。北海道シリーズを得意としているジョッキーだが、この条件では破格の数字を残している。
[馬体重]早い馬でデビューして2カ月ほどということで、やはり小柄な馬が多く、好走馬のほとんどが480キロ未満。今後の成長で大きくなっていくのだろうが、このレースにおいては馬格に恵まれたタイプは苦戦している。
[種牡馬]過去10年、複数の勝ち馬を送り出している種牡馬はゼロ。複数回馬券絡みがあるのはキンシャサノキセキ、スペシャルウィーク、スウェプトオーヴァーボード、ダイワメジャーの4頭。スピードや軽快さよりダートも走れるパワーを持った名前が並んでいる。
当日の人気が読み辛いが、狙って面白そうなのが未勝利を勝ってここに挑んでくるカルリーノ。勝ち切るという面では乗り替わりや関東馬というマイナスデータもあるのだが、連穴という面ではむしろ魅力で、過去2戦はいずれもメンバー最速の上がりをマークしている。差す競馬を経験しているのも強味で一発の資格は十分ある。