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【京成杯AH】マイル路線に新星誕生!?
2018/9/2(日)
1956年に「オータムハンデキャップ」として創設。1959年より「京王杯オータムハンデキャップ」に、1998年より「京成杯オータムハンデキャップ」に改称された。何度かの距離、施行場の変更があったが、1980年以降は中山競馬場での施行が定着。距離も1984年からマイル戦で定着している。また、2012年より『サマーマイルシリーズ』の最終戦に指定されている。夏のマイル王に輝くのはどの馬か? データから洗い出してみたい。
好走ローテはクラス関係なく様々
[前走レース]過去に2勝以上を挙げたローテーションは存在せず、春のG1から準オープンまでバラエティに富んでいる。2~3着の回数を見ても2着3回、3着6回の関屋記念組が王道ローテといえるが出走回数が群を抜いて多く、関屋記念組は、その中身もチェックが必要。過去10年では関屋記念、京成杯AHともに3着というのが4回ある。
春のG1組は出走回数がさほど多くない中で度々好走馬を送り出しており、穴馬券の使者にもなっている。
過去10年注目データ
[年齢]過去10年、5歳馬が5勝。出走回数が多いこともあるが、2着3回、3着も2回の好成績を叩き出している。続いて3歳と4歳が2勝ずつ。複勝率は3歳馬が最も高い。6歳馬は2~3着が3度ずつあるが、未勝利でアベレージもひと息。7歳の頑張りもあるだけに敢えて狙ってみるのも面白いかもしれない。
[前走着順]前走から連勝を果たした馬は5勝。前走2着馬も2勝していて、前走からの勢いは重要。6着以下に敗れた馬の巻き返しも多く見られるが、馬券に絡んだ14頭のうち、1頭以外は前走がG1、もしくは勝ち馬から1秒差以内に踏ん張っていた。また、多くの馬がオープンでの好走実績を持っていた。
[枠順]枠番別では大きな偏りがあって、5枠が4勝、2枠が3勝。2枠は2着も3回あって、連対率35.3%のハイアベレージを叩き出している。7枠は連対がなく、1枠は2着が1度あるだけで最内と外の2枠はやや割引が必要かもしれない。
馬番別では「3」が(3.3.1.3)、「7」が(2.1.2.5)と複勝率が5割に達するラッキー枠。どちらも人気馬だけでなく、人気薄も度々絡んでいる。馬券絡みがないのは「2」と「15」の2つ。
[脚質]直線の短い中山の開幕週。逃げ馬の粘り込みもありそうなのだが、過去10年、4コーナーを先頭で回った馬の馬券絡みはゼロ。逃げ以外の脚質はバラエティに富んでいて、4角10番以降の馬も1~3着がそれぞれ2頭ずつと追い込みも利いている。この中には2ケタ人気も2頭おり、腹をくくった追い込み馬の台頭も用心したい。
2着馬が好配当のカギ!
典型的なヒモ荒れのレースで、過去10年で勝ち馬の9頭が4番人気以内。一方で2着馬は9頭が6番人気以下の伏兵で、穴党にはたまらない歴史を刻んでいる。1番人気は2勝しているが、2~3着はゼロ。2番人気は(4.1.2.3)と、こちらの方が高い信頼度を誇っている。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-0-0-8 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
2番人気 | 4-1-2-3 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-0-1-9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6~9番人気 | 0-5-4-31 | 0.0% | 12.5% | 22.5% |
10番人気~ | 1-4-0-56 | 1.6% | 8.2% | 8.2% |
関東の人馬が地元の意地
『西高東低』となっている重賞レースが非常に多い中で、このレースは関東馬が8勝と意地を見せている。ただし、2~3着はほぼ互角で、連対率、複勝率に大差はない。そういった意味では関西馬も強さを見せているレースといえるかもしれない。
ジョッキーの方も地元である美浦所属のジョッキーが圧倒。栗東所属のジョッキーは19回と騎乗機会が少ない中で2勝、3着2回と健闘を見せているが、昨年3着の6番人気ダノンリバティ以外は人気サイドで、取りこぼしも多い。
[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは16年ロードクエストの7戦。最多キャリアは15年フラアンジェリコの36戦。好走馬は幅広いキャリアから出ており、目立つのは15戦以下と21~30戦あたりのレンジ。31戦以上はやや割引が必要だが、過度に気にする必要はないだろう。
[乗り替わり]過去10年、乗り替わりのコンビが6勝。2着は9回にものぼり、乗り替わりの人気薄が2着に入って好配当を提供している。出走回数が30鞍以上多いのにもかかわらず、アベレージも連対率、複勝率で乗り替わりのコンビが上回っており、乗り替わりも積極的に狙っていける。
[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた中山芝1600mで最も多く勝っているのは戸崎騎手の32勝。続くのが田辺騎手の30勝で、この2人が頭ひとつリードしている。以下、柴田大、内田博騎手が17勝、大野騎手が13勝、横山典騎手が12勝、北村宏、柴山、松岡騎手が11勝で続く。この中で田辺、大野騎手の回収率が単複ともに100%に達する。栗東所属のジョッキーではC.ルメール騎手が10勝を挙げ、勝率は24.4%マークしている。
[馬体重]勝ち馬の最高馬体重は09年ザレマの526キロ。最少馬体重は13年エクセラントカーヴの424キロ。好走馬は幅広いレンジから出ていて、比較的小柄な馬の好走が目立つ。馬格はまったく気にしなくていいだろう。
[種牡馬]過去10年で複数の勝利がある種牡馬は、2勝を挙げているダンスインザダーク。3着まで幅を広げて、複数回馬券絡みがある種牡馬はダイワメジャー、キングカメハメハ、ディープインパクト、タニノギムレット、スウェプトオーヴァーボードの6頭。ディープインパクト産駒は勝ち馬がゼロで2着3回、3着1回。2着3回のうち2回は11番人気の伏兵で、過去にのべ11頭が参戦して1番人気になった馬は1頭もいない。
[ハンデ]トップハンデはのべ11頭で(1.2.2.6)とマズマズの信頼度。ほとんどが人気どころだが、掲示板を外したのは2頭と堅実に上位には食い込んでいる。
関屋記念の覇者プリモシーンは早々に目標を秋に置き、ここで有力視されていた中京記念の勝ち馬グレーターロンドンも出走を回避。サマーマイルシリーズは得点トップの2頭が消えて大混戦となった。そこで狙ってみたいのが、重賞初挑戦となるミッキーグローリー。このレースと相性のいい5歳馬で、長期休養から復帰して5戦3勝。前走を勝って勢いに乗っているのも好感が持てる。脚質にも自在性があり、マイル路線の新星誕生を期待する。