「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
-
本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
-
本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【京成杯】非出世レース返上へ
2018/1/9(火)
★土曜中山11R 中山金杯(G3)◎本命馬 ウインブライト 2番人気 2着 先行してインコース、4番手の位置で流れに乗り、直線は持ったままで並びかけ、坂下から抜け出し先頭へ。勝負あったと思ったが、一度は完全に突き放したセダブリランテスの差し返しにクビ差屈した。レースぶりは完璧で、これはもう仕方ない。
今年も小回り中距離なら、安定して走りそうだが、意外と斤量泣きするタイプかもしれず、57キロを背負う時は注意が必要だろう。
$お宝馬 トーセンマタコイヤ 9番人気 6着 2番手追走から直線は先頭へ立ちかけるシーン。最後は脚がもたずに下がったが、力は出し切れた。
★日曜中山11R フェアリーS(G3)◎本命馬 テトラドラクマ 1番人気 6着 スタートでアオり、やや強引に挽回しにいったところで内からぶつけられてしまい、馬にスイッチが入ってしまったようで、折り合いで精一杯。終始外で距離ロスも大きかったことを思えば、直線で並びかけようかという構えを見せたのはさすがと言えるが、やはりもたなくなってしまった。それで0秒5差ならシッカリ走れていて、能力の高さは示せた。
あとは急坂もプラスではなかった印象。中山なら内目をスムーズな競馬となることが条件だろうし、距離も1800mあたりまで。東京なら大きく見直せると思う。今回もスタートさえ決まっていれば、馬券圏は十分あった。
$お宝馬 グランドピルエット 8番人気 8着 2番手を進んで、直線は先頭へ押し出される。そこで突き放して自分でスパートできるほどには強くなかったということ。残念。
★月曜京都11R シンザン記念(G3) ◎$本命馬&お宝馬 カフジバンガード 3人気 5着 出負け。そのまま後方を追走し、直線に賭ける競馬をしたが、もともと切れる脚がないのでジリジリとしか伸びず、5着までが精いっぱいとなってしまった。この時期に若駒が10キロ減ったあたりも疑問で、最大の敗因はコンディション面かもしれない。それを加味しても、現状がこの程度とは見抜けず、さらに前売りで10倍前後あったがために兼お宝馬としてしまったことも反省。
【今週のポイント】
変則開催が2週続き、年またぎながら馬券疲れの気配もあったが、ようやく通常の土日開催のサイクルが戻ってくる。荒れる冬場の中京も始まる。雪を心配しつつ、改めて気を引き締めていきたいものだ。
今週は土曜に愛知杯、日曜は日経新春杯と京成杯が行われるが、馬券的に最も面白そうなのは京成杯かもしれない。この10年は、2010年の優勝馬エイシンフラッシュ以外はクラシックへは全く結びつかず、古馬になって成長したのもフェイムゲームくらいで、ここが唯一の見せ場となってしまった馬が勝ち馬の大半を占めている。今年はそうしたジンクスを吹き飛ばす存在が出てくるかどうか。
冬場の中山の芝中距離という舞台だけあって、東京や京都での勝ち時計の速さはあまりアテにならない。もちろん評価を下げる必要はないが、広いコースで上がりが速くなりやすい馬場で記録された時計を、推奨理由のメインとして推すのはあまり賛同できない。操縦性の高さ、上がりが掛かる展開への対応力、パワーの優劣、このあたりを分析した方が、的中へ近づくと考える。
こうした視点から眺めると、今年は荒れ目が十分あるレースだと思う。楽しみな京成杯となりそうだ。
【次回の狙い馬】
日曜・中山4R 4着 新馬戦。スタートを決めてテンからスピードに乗せていける馬が多いクリストワイニング産駒だが、この馬はスタート今イチ、砂を被って嫌がるシーンも。それでいながら直線はジリジリ伸びた。新馬戦なら全く伸びなくても仕方ないところ、メンタルの強さを見せた。
これなら、次走まともな競馬ができればまず勝ち負けになるはず。ダート1200mならどこの場でも。
土曜・中山12R 7着 スタートで出遅れ、腹を括って終始後方から直線に賭ける。ゴボウ抜きで伸びてきたが、馬券圏まで0秒1差まで詰めたところがゴールだった。
1600mもいささか短い。次走は東京の1800m以上で見たい。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。