「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【函館記念・展望】難解な宿題
2019/7/10(水)
★土曜中京10R 濃尾特別 ◎本命馬 ワンダーウマス 3番人気2着 終始外目を回り、直線は早めに動いて先頭に並びかけたが、なんと肝心のところでムチを落とし、またレース後の取材によれば手綱も離れてしまうという大きなアクシデント。それでハナ差負けなら、まともなら勝っていたはず。不運。
$お宝馬 マンハッタンロック 10番人気8着 終始後方馬群、そのまま回ってきただけで、直線はさすがに数頭は抜いたが、勢いはなかった。ただこのまま終わる馬ではないので、どこで激変するかを見逃さないようにしたい。
★日曜福島11R 七夕賞(G3) ◎本命馬 クレッシェンドラヴ 2番人気2着 前半後方からマクリ上げていくという、今の福島芝にぴったりの走り。完璧だった。相手が悪かっただけ。
$お宝馬 ウインテンダネス 9番人気9着 3コーナーまではいい感じで来ていたが、そこから捌けず流れ込んだだけ。仕掛けたときのコーナーリングが難しいように見えた。これを見る限り、右回りか小回りが合わないのかもしれない。
【今週のポイント】
3連単の配当がこの10年で8回10万超え。しかもこの4年は12万→23万→91万→57万と荒れまくっている函館記念。今年も一筋縄では収まらないと決め打ちしたい。
これだけ荒れている原因はいろいろあるが、そのうちの1つとして、前哨戦である巴賞連対馬が惨憺たる成績であることが挙げられる。この10年で1頭も馬券になったことがないのだ。さらに前走で掲示板を外した馬が8頭も連対している。前走着順はあまりアテにはならない。
今年は例年にない大物、GⅠ連対馬のエアスピネルが出走予定。しかも久々の2000m出走となる。距離延長の是非、8ヶ月ぶりの実戦、さらに函館が能力を出し切れる舞台なのかどうかの見極めも重要で、かつ難しい。
馬場状態にかかわらず、パワー血統が好走する傾向がある。切れ勝負型には厳しい舞台。そして4年連続で1頭は馬券になり続けている2ケタ人気馬から何を抜擢するかが、お宝ゲットの最大のポイントとなる。非常に難解な夏の宿題だが、臆せず攻めの姿勢で臨みたい重賞だ。
【次回の狙い馬】
日曜 福島5R 4着 前半は注文通りのハナを切ったが、早めに5着馬に絡まれて苦しくなりかける。しかしそこからの粘りが新馬戦としては目を見張るものだった。普通なら交わされてバッタリ来るところを差し返す構え。この内容で0秒3差なら評価できる。左回り云々はあるが、次走新潟の芝中距離なら、外回り内回り不問で狙いたい。
日曜 福島9R 5着 今回は3ヶ月ぶり。18キロ増えていたが、太いとは見えなかった。それよりも外から寄られたことで少しスイッチが入ったように見えた分が、最後に粘りを欠いた理由か。これが休み明けだったからか、それとも元々の気性なのかはイマイチ分からないが、使ってさらに良くなりそうな気配は十分。オルフェーヴルそっくりの外見にも惹かれる。関西馬なので次走小倉なのか、新潟なのか分からないが、できれば新潟芝で見てみたい。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。