「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
-
本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
-
本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【京成杯】1週遅れの成人式
2020/1/15(水)
【今週のポイント】
日曜の中山メインは京成杯。頭数はもちろんのこと、先々を期待できる素材が揃いそうだ。登録を見る限り、言葉は悪いが例年の「ここだけの重賞制覇となる一発屋」では勝てないレベルになっている。
関西馬の登録が7頭と多いのは、ここで勝ち負けしたら、トライアル出走で関東への輸送を重ねることなく、直行で同舞台の皐月賞へ向かうことを意図していそうだ。また異例の牝馬・超良血スカイグルーヴの参戦が何より注目される。
今年の冬は例年になく降水量が多く、馬場が柔らかいし、芝の発育もよく、かなり丈が伸びている。それだけ力の要る馬場になっており、2000mならなおさらパワーへ振れそうだ。
人気が割れそうでどこからでも入れそうな一戦。当該コースの今冬の好走傾向を睨みつつ、スタミナとパワーを兼備した血統を重視したい。
★土曜京都11R 淀短距離S(G3) ◎本命馬 カラクレナイ 3番人気3着 2番手からソツのない競馬はできたが、追われてから伸びを欠いて、逃げたジョーカナチャンも捕まえられなかったのはいただけない。大崩れしない点は評価できるが、重賞で通用するにはこのあたりの強化が必要。
$お宝馬 シヴァージ 2番人気4着 スタートでミス、さらに前が詰まるシーンが複数回あっただけに、それでありながらのこの着差は痛かった。まともなら勝っていたかもしれない。ただ、これほど人気になるとは思わなかった。お宝馬としての価値はなかった。
★日曜京都11R シンザン記念(G3) ◎本命馬 ルーツドール 1番人気7着 好位につけていたが、いざ追い出すと全く伸びず。いくつかの理由があるだろうが、考えられるのは前走超絶の時計で走りすぎたことから来る反動、さらに真冬ながらゼッケン下が白くなるほど発汗していたことから、メンタルがテンパっていた可能性も敗因として一番納得がいく。その発汗の理由として思い当たるのが、パドックでは何度か尾を持ち上げては下ろしを繰り返しており、牡馬に混じっての周回でフケ(発情)が来ていたのかもしれない。今回はノーカウントでいいだろう。
$お宝馬 カバジェーロ 6番人気8着 終始中団後ろから回ってきただけ。全く見せ場がなかった。
★月曜中山11R フェアリーS(G3) ◎本命馬 アヌラーダブラ 1番人気6着 こちらは道中の位置取り、手応え、どれも問題なかったが、馬を信じて外を回しての仕掛けになったら、いくら外が伸びない馬場と言っても全く動けず。鞍上にとっても意外だったそうだが、「距離が長いのでは」というコメントが気になった。1400mが強すぎるからかもしれないが、私は中山マイルの新馬戦が勝ったとはいえ低調だったことから、単に小回りがダメで広いコース向きなのではと考えた方が腑に落ちる。いずれにせよ、例年の好走血統にピッタリ嵌っていたことで逆らえなかった。反省。
$お宝馬 ウインドラブリーナ 13番人気7着 後方、大外回しのジリ伸び。7着は頑張った部類。自己条件なら戦いながら強くなりそうで、ローカルの芝中距離や道悪なら一気の巻き返しも期待できる。
【次回の狙い馬】
日曜 京都7R 8着 今回は2番手追走も、結果的に前が総崩れとなる展開。加えて休み明けで18キロ増でもあった。展開がまともになり、かつ馬体が絞れれば、次走は巻き返しが期待できる。
月曜 中山10R 11着 今回は長期休養明け。ダート1200mでいつものように逃げに出るのは良かったのだが、馬が久々の実戦のために掛かり気味に飛ばしていこうとし、折り合えなかった。これでガス抜きができれば、次走はもともと得意としている東京戦になるはずで、一変が見込めると思う。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。