昨日金曜日、埼玉西武ライオンズ相手に5-3で勝利した我らが阪神タイガースは、引き分けを挟んで続いていた連敗を6で止めた。いつのまにか貯金がなくなり、昨日負けていたら借金生活に突入するところだっただけに、まずは一安心…

したいところだが、相変わらずの拙攻ぶりには頭痛がする。7回のノーアウト満塁のチャンスから、デッドボールによる押し出しの1点しか追加できなかった。阪神にとってノーアウト満塁はチャンスではなくピンチ。8回にキャプテンの糸原健斗内野手がタイムリーを放ってなんとか勝ち切ったが、強力西武打線を相手に心臓に良くない試合であった。もう少し心臓に優しい試合が続かなければ阪神ファンの寿命が縮む。


話を中央競馬に移そう。日曜の阪神11R・宝塚記念は予想動画、内ラチの上を走れ!はこちらを参考にしていただきたい。

宝塚記念の予想動画『内ラチの上を走れ!』は⇒


土曜は東京や函館が土砂降りの雨に見舞われたりと、この時期らしい天気が続いていた。阪神競馬場も当初は雨予報。雨想定で予想していたのだが、まるで雨が降らない。

ただレース映像を見ている限り、馬場は掘れて走りづらそう。後方からの追い込みが届かないのはこれが原因だろう。ある程度重厚な血統のほうが馬場に対応しやすいのではないか。

実際宝塚記念と同じ阪神内回りで行われた土曜の阪神10R・京橋特別では、1着がハービンジャー産駒のシフルマン、2着が母の父エルコンドルパサーのハイヒール。共にキングジョージや凱旋門賞で連対している馬を近いところに持っている

今年、キングジョージor凱旋門賞で連対している馬を3代以内に持つ馬は、キセキ、スティッフェリオ、ノーブルマーズ、スワーヴリチャード、リスグラシューの5頭。近年の宝塚記念は牝馬が強いことも踏まえ、この中で唯一の牝馬である◎リスグラシュー(牝5、栗東・矢作厩舎)に注目したい。

リスグラシューの父はハーツクライ。つまり父の母父は凱旋門賞馬トニービンにあたる。母の父アメリカンポスト自身はマイラーだったものの、フランスダービー馬ベーリング×欧州の至宝サドラーズウェルズという重厚な配合である。昨年2着のワーザーを始め、サドラーズウェルズ持ちの馬は宝塚記念と相性がいいのも追い風となる。多少柔らかい馬場も、香港の馬場を楽にこなすリスグラシューにとってはプラスだろう。

リスグラシューと同じくトニービンを3代以内に持つキセキ(牡5、栗東・角居厩舎)は後半ラップを上げていくタイプ。動画の中でも触れたが、宝塚記念は後半のラップが落ちにくいだけに、この馬としてもペースは作りやすいはずだ。馬場が重くなってもこなすだけのパワーはある。

"キセキはキングマンボの血を持っている馬を連れてきやすい"とは筆者がよく言っていることだが、そういう位ではレイデオロ(牡5、美浦・藤沢和厩舎)のマークも外せない。但しこのレースに対して抜群の適性があるか、というと疑わしいところ。雨が降ると苦しい。

であれば、母系は小回り得意の米国血統中心で、持続力勝負に強いエタリオウ(牡4、栗東・友道厩舎)を上位としたい。前走は最後方から運び早めに動く展開となったが、集中力を欠きやすいエタリオウが最後までレースを投げなかったあたりに精神面の進境が伺える。

大穴はエタリオウと同じステイゴールド産駒で、状態絶好のスティッフェリオ(牡5、栗東・音無厩舎)。母父ムトトはキングジョージの勝ち馬で、その父バステッドもキングジョージ勝ち馬という欧州血統。持続力勝負になれば足りるシーンがあっても良さそうだ。

宝塚記念
◎リスグラシュー
〇キセキ
▲エタリオウ
☆スティッフェリオ
△②、⑩


東京11R・パラダイスSは東京最終週の開催ということで、かなり荒れた芝で行われるため、内の荒れた部分を先行馬が空けて周りやすい。これにより差し馬たちは更に外を回らされることになり、結局届かない、そんなシーンが散見される。

実際土曜の東京競馬も雨の影響で内が荒れ、先行馬たちは外を回すようになっていた。ここ3年のパラダイスSは馬番5番以内の馬が複数3着以内に入っており、狙いは内枠となる。

ただ内枠を何も考えず買う行為は品がない。上品な競馬?を目指すため、ここから更に絞る。昨年の3着馬アイラインは短距離馬だが、母の父は英愛ダービー馬コマンダーインチーフ。2年前の3着馬アルマワイオリは母父が凱旋門賞2年連続2着のピルサドスキー。このように、母父が欧州2400mのG1で活躍していた馬であることが多い。開催最終週でパワー、持続力が問われ、純粋なスピードだけでは乗り切れないからだろう。

今年5番より内の馬で、母の父が欧州2400mのG1で活躍していた馬はただ1頭。最内の◎テトラドラクマ(牝4、美浦・小西厩舎)のみ。イタリアG1ミラノ大賞典を勝ったファルブラヴを母の父に持つ。ルーラーシップ×ファルブラヴと一見中距離以上に適性があるように見える配合だが、母の伯母にシーキングザパールがいるように、この影響はスピード値が高い。気性も前向きなため、この馬は距離が持たない。

そういう意味では前走、マイルの谷川岳Sから距離を詰めて臨むのはいいだろう。昨年のクイーンCを勝って以降14→6→12→5着とはいえ、1400mでは6、5着。1600mでは14、12着と戦績はハッキリしており、レースを使うごとに本質的な適性が出てきたと考えたい。緩んだ馬場さえこなせれば上位進出は可能と見る。