コチラ検量室前派出所

国分恭介騎手

皐月賞に挑む国分恭騎手とアイトーン

●デビュー10年目で皐月賞に初騎乗!

強風吹き荒れた4月7日(土)の中山競馬場。空いた時間に花見でも……と考えていた検量室前パトロール隊員の目論見は見事に外れ、すでに桜は散っていた。今週4月15日(日)は皐月賞(G1)。そして来週からは春の東京開催がスタートする。時の流れは実に早い。

思えばパトロール隊員が大学入学のため上京して、今年で10年目。大志を抱き大学に入ったはずが、競馬に熱中するあまり、親に合わせる顔がないほど曲がりくねった人生を送っている。

そんな私と同い年のジョッキーが国分恭介騎手。柴田大知・未崎騎手以来の双子ジョッキーとして話題になってからもう10年。そんなに経つんですね……。この節目の年のクラシック一冠目に、国分恭騎手はアイトーン(牡3、栗東・五十嵐厩舎)と共に挑む。

「初めて乗ったのは新馬戦前の追い切りです。CWで追い切ったところ、いい時計が出たんです。長く脚を使うタイプだなと思いました。これが第一印象ですね。芝とダート、どちらに適性があるかはまだこの時わかりませんでした」と、相棒との出会いを振り返る。

「この馬の長所はハナに行ければ最後まで持つところなんです。体力がある馬ですよ」と長所を挙げた上で、「ハナへ行かないとリズムが悪くなるところがあります。そういう意味ではちょっと脆いところはありますね。皐月賞もハナにこだわります。ハナだけは譲りたくないです」と力を込める。前走の若葉Sを逃げ切って大舞台へ駒を進めてきたが、今回は先行馬も多い。それでも、堂々のハナ宣言だ。

国分恭介騎手

●師匠に感謝「嫌な顔ひとつせず僕を乗せてくれる」

実は国分恭騎手、五十嵐忠男厩舎の馬に騎乗して4コーナー先頭だった際の成績は[10.6.3.24]で勝率23.3%、複勝率44.2%。単勝回収率に至っては驚異の326%という数字を残している。これについて尋ねると「いい馬に乗せてもらっているからでしょうね。数字についてあまり考えてはいません。どの馬でも勝ちたいという気持ちを持って騎乗しています」と謙虚な答えが返ってきた。

五十嵐厩舎といえば、デビュー時の所属厩舎。師匠と共に臨むクラシックには「やはり師匠の馬だといつも以上に気合が入ります」と言う。若葉Sのレース後、皐月賞の鞍上について問われた五十嵐師は「乗り替わってダメなら後悔するので」とコンビ継続を明言。これは自身の耳にも入っているようで、「素晴らしい方なんです。僕を一から育ててくれましたし、皐月賞という大舞台でも嫌な顔ひとつせず僕を乗せてくれます。ものすごく男気のある先生です」と師匠の人物像を語ってくれた。

「課題はもっと勝つことです。今年の目標は500鞍30勝。騎乗数も減ってきているので、しっかり達成したいです。新人の時から一生懸命、力を抜かず、常に馬の力を引き出せるよう意識しながら乗っています。その部分を見て欲しいですね」そう話す国分恭騎手。最後に「皐月賞に乗るのも初めてですが、走る馬ですし、あとはどういうふうにエスコートできるかだと思います。師匠の馬でG1でも仕事ができるよう頑張りたいです」と言い残し、控える大一番に向けて歩みを進めていった。

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