一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
メンタルの強さに驚かされています
2024/8/1(木)
新潟開幕週はマルモリディライト(9人気3着)が最高着順。2走前の内容と枠が良かったので期待しており、とりわけ前走からスタートには気を付けました。上手く出せて流れに乗せられたことが好走の要因です。開催が続くので同じ舞台であればまた頑張ってくれるはず。
この土曜は新潟で2鞍に騎乗します。2Rのリネンフラッシュは3走目で使ってきた上積みを見込んでいます。あとは速い馬場への対応がカギになりそう。7Rのマイネルニコラスは休み明けになりますが、調教の動きはそれを感じさせません。昇級の前走で3勝クラスでもやれる感触を掴めており、初コースにも対応してくれると思っています。
日曜も新潟で3鞍に騎乗します。1Rのマイネルボスは、いい意味で変わらずにきています。前走は終いの脚が良かったので、使った上積みとコース替わりで前進に期待したい。
4Rのマジカルプリンスは成長を促す意味での休み明け。この中間は跨っていませんが、心身の成長があればもっとやれていいはずの馬です。12Rのキガサは昇級の1800mで忙しくなってしまうかもしれませんが、脚の使い所を分かってくれている馬。フレッシュな時のほうが頑張ってくれるタイプなので、自身の力は出してくれると思います。
翌日に確認するハイライトが中心ながらもパリオリンピックを楽しませてもらっています。今大会は日本人選手の緻密な計算や練習量からなる底力を感じます。選ばせていただくのはおこがましいかもしれませんか、特にスケートボートの堀米雄斗選手の連覇、体操男子団体の逆転金メダルのメンタルには驚かされました。後がない土壇場の状況からチャレンジできる精神力、増してやそこで決めるという勝負強さが誇らしいです。残り10日間でもたくさんのパワーをもらいたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。