
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
2歳新馬、3歳と古馬の混合戦が始まります
2025/6/5(木)
先週土曜は酷い雨で馬場がグチャグチャでした。落雷で中止になるレースもあってダービーDAYが心配されましたが、東京競馬場の水捌けは凄いですね。日本ダービーひとつ前のレースに乗って、道悪の得手不得手はほぼ関係ない状態まで乾いていました。今週は久々に天気の心配をしなくていいのが何よりです。

この土曜は東京で7Rのマイネルライゼンに騎乗します。調教の動きは悪くないので、息遣いの関係からも距離が短くなるのは良さそう。時期も時期だけに目途を立ててあげたいタイミングです。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。1Rのリカードは最後にしっかり脚を使える馬で、2戦目の前走で進境を見せています。乾いた馬場で流れに乗れればもう一歩前進がありそう。
6R(2歳新馬)のアレステソーロは早くにゲート試験を合格して、この週を目標にへこたれずに調教をこなしてきました。幼い面があるので初めての場所に行ってのテンションが心配ですが、平常心であればタフさとしっかりした中身からも頑張れるはず。楽しみなデビュー戦です。7Rのスプランドゥールの前走は文句なしの内容でした。同じコースでいつ勝ってもという段階ですが、今週からは斤量面で有利な3歳馬との混合戦。古馬の貫録を見せられるように人馬で頑張ります。
9Rのマイネルトルファンの前走は少頭数のハナで上手くいきました。頭数が増えるといっても12頭立て。キッカケは掴めているので最後まで集中させて走らせたい。10Rのバンブトンプロは使いつつ調子を上げています。時計面が気になっていたので、距離延長と乾いた馬場でやれるのは歓迎。今の状態なら昇級しても差はないはず。

日本ダービーが終わればあっという間に次の世代がデビュー。自分も続々と2歳馬のゲート試験や追い切りに乗せていただいています。最初はフラフラしながらも、この時期は本当に日々の成長を見るのが微笑ましい。来年の大舞台を目標に、まずは新馬勝ちを目指して仕上げていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。