
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
七夕賞はコスモフリーゲンに騎乗
2025/7/10(木)
先週はリネンタイリン(8人気)で勝つことができました。新聞やパドックの掲示板を見て人気がなかったので相手が強いのかな?と不安に思いつつも、調教の感触がそのまま競馬に結びついてくれた恰好。初戦にしてはテンションが高かったので2戦目に課題を残しつつ、まだまだ時計を詰められそうな感触もありこれからが楽しみです。
初芝だったケナゲ(6人気3着)はスタートこそゆっくりでしたが、後半にかけてのいいレースができました。段々と良くなっていきそうなタイプに思えるので、2戦目で適性を掴めたというのは大きいですね。

この土曜は福島で2鞍に騎乗します。3Rのアイアンオバーカムはコンスタントに使っている分で大きな上積みこそ見込めませんが、福島1150mがかみ合う可能性はありそう。上手く流れに乗せてもうひと押しに期待したい。4Rのマイネルトラキアは集中力に欠けるところがあるのでブリンカー着用。自分が乗ってきたのは左回りなのですが、実績からも右回りのほうが得意な可能性もありそう。そのあたりに期待して臨みます。
日曜も福島で6鞍に騎乗します。七夕賞のコスモフリーゲンは先週までにもお伝えしてきたとおり、帰厩後はじっくりと順調に乗り込んできました。今週は最後だけ離せればと整える程度のつもりだったのですが、自然と時計が出たのは調子がいい証拠だと思います。この時期に走るのは初めてですがバテずに乗り越えてくれたので、結果がついてくることを信じて乗ってきます。2Rのサバイバルダッシュの初戦はついて行くことができませんでした。使った分の慣れと上積みで追走面が楽になるといいのですが。
4Rのカシノフロレゾンは気持ちの問題なのか、昨秋の良かった時ほど走れていません。初の1200mで集中して走らせてあげたい。6Rのサバイバルナインは東京コースで乗せていただいたことがあるのですが、当時の感触からも福島1700mは合うと思います。マッチしそうな条件でキッカケを掴んであげたい。
7Rのウエストチェリーの前走は、昨夏以来の競馬だったことを思えば悪くない内容でした。格上挑戦ではありますが、続戦で前進を見込んでいます。8Rのマルモリディライトは気持ちが途切れている感じがあるので、今回はブリンカー着用。調教では効いている感触があり、久々のダート替わりとで刺激になってくれませんか。

たまに質問いただくようなので、今回は愛車に関しての小ネタを。実はAudi A5 edition oneという限定車を購入して納車のタイミングが整ったと連絡があり、来週にでも取りに行きたいと思っているんです。自分はベンツGLEが気に入って5年くらい乗っていたのですが、奥さんがAudiを乗り継いできたことから新型を迎えることにしました。Audiは足回りが素晴らしくて、ガソリン代も高いのであえてのディーゼル車。縁起がいい日取りで納車となるように七夕賞を勝ちたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。