
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3歳未勝利は何としてもの意気です
2025/9/4(木)
夏最終週は新潟記念でコスモフリーゲン(4人気)に乗せていただきました。スタートが速く前半は位置を取って運べて、直線も思っていた進路に導くことができました。それでも最後の50mで一気に交わされて9着。上位は32秒台の末脚を使っている展開なので、結果としてレースがかみ合わなかったのだと思います。また一から重賞2勝目を目指して人馬で頑張りたい。
リカード(3人気5着)は休み明けの分なのかハミを取ってくれず、地力だけでの掲示板確保。番組的に難しい選択になりますが、このままでは終わらない馬だと思います。アスパラゴ(15人気5着)は根性があって最後まで諦めずに走ってくれました。使いつつ良くなっていきそうなタイプで、気持ちに体力が伴ってくれば楽しみです。


開幕週の土曜は中山で2鞍に騎乗します。3Rのニケフェリーチェは先週一頭除外になって使えなかったのですが、追い切りの動きはかなり上向いています。1800mに距離が延びるのもマッチしそうなので、変わってくるタイミングではないでしょうか。7Rのグラツィオーソはここまで来てしまいましたが、合いそうな芝2000mを使えるのは幸い。今の未勝利で能力は抜けているくらいに思っており、勝利あるのみという意気です。
日曜も中山で2鞍に騎乗します。7Rのフェスティヴルキナはラストチャンスで初ダート。この馬も未勝利ならスピード上位なので、本当に適性ひとつだと思っています。騎乗数は少ないですが馬場を見極めて全力で臨みます。

先週は土曜に芝の塊が目に直撃して網膜を傷めてしまいました。それもあって、新潟からの帰りは目の温泉と言われている奥湯沢の貝掛温泉に立ち寄りました。源泉で洗うと目薬をさしているのと同じような効果があるそうで、気休め以上にはなりました。この時期の中山は大好きな開催なので、夏競馬後半の鬱憤を晴らしていければと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。