京都記念

共同通信杯

カフジプリンス

(牡6、栗東・矢作厩舎)

ハーツクライ
ギンザフローラル
母父シンボリクリスエス
通算成績24戦4勝
連対時
平均馬体重
515kg (最高:518kg)
(最低:510kg)
前走時馬体重514kg
POINT
父ハーツクライ、母父シンボリクリスエスは共に胴が長い体型で、この馬も血統通りに胴長、前脚もスラッと見せているように中長距離向きの造り。特に背中が長く、腹側のラインと平行に近い。このような体型をした馬は良い脚を長く使える一方で、瞬間的な加速はやや苦手。改めて過去の4勝を振り返ってみたが、どのレースも早めに手が動いて促されているようにトップスピードに乗るまでは時間を要するタイプと考える。京都外回りでは結果が出ていないが、坂の下りから徐々にスピードに乗せていくような競馬が出来れば、決して合わない舞台ではない。1年半ぶりの実戦となるが、太め感も無くスッキリとした仕上がりは好印象。筋肉の張りもしっかりと感じられ、外貌から不安な点は特に見当たらない。心肺機能さえ出来上がっていればいきなり走っても驚け無い。

ステイフーリッシュ

(牡4、栗東・矢作厩舎)

ステイゴールド
カウアイレーン
母父キングカメハメハ
通算成績9戦2勝
重賞勝利 18年京都新聞杯(G2)
連対時
平均馬体重
453kg (最高:456kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重456kg
POINT
牡馬の中ではやや小柄で決して見栄えのするタイプとは言えないが、筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がっており、骨格に対して筋肉はしっかりと付いている。全体のバランスも良く、胴周りも比較的ゆったりとした造り。菊花賞では着順を下げてしまったが、距離自体は延びて良さそうなイメージがある。写真越しでも肋骨がハッキリと確認できるが、これは母カウアイレーンにも見られた特徴。母母父のシルヴァーホークは得てして帯道~肋の部分を細く見せる馬体をしていたため、比較的母方の血が色濃く出ているモノと考える。前回の立ち写真よりも緩さが抜けて全体に引き締まって来ており、充実期に入った印象。上昇度ではこの馬が一番。
今週のイチオシ

タイムフライヤー

(牡4、栗東・松田国厩舎)

ハーツクライ
タイムトラベリング
母父ブライアンズタイム
通算成績11戦3勝
重賞勝利 17年ホープフルステークス(G1)
連対時
平均馬体重
457kg (最高:460kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重464kg
POINT
折りの深い飛節は父ハーツクライと良く似た造りで小脚が使える。小回り向きと断言するほどでは無いが、コーナーでの加速は上手な部類に入るだろう。腹周りは丸みを帯びて立派に見せるが、これは腹袋の大きな母父ブライアンズタイムから受け継いだ特徴。近親にダートG1馬のタイムパラドックスがいる血統ということもあり、蹄底も比較的厚みがある。前走の当コラムでも書いた通り、将来的には砂替わりも見てみたい。細身に映った3歳春の馬体と比較して、全体にふっくらとした体付きに変化してきたが、これくらいの造りの方がこの馬には合っている印象。京都記念は近3年腹袋が立派なパワー型の構造をした馬が勝っており、今年の京都の芝も荒れ気味で力を要する状態。適性と上昇度を総合すると浮上するのはこの馬か。

ダンビュライト

(牡5、栗東・音無厩舎)

ルーラーシップ
タンザナイト
母父サンデーサイレンス
通算成績17戦3勝
重賞勝利 18年アメリカジョッキーC(G2)
連対時
平均馬体重
470kg (最高:478kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重490kg
POINT
ルーラーシップ産駒には重厚感のあり過ぎる馬も時々見かけるが、この馬はデビュー時から細身に映るほどシャープな造りだった。ただ、昨年の宝塚記念辺りから血統が全面に出てきたのか馬体重が増えてきている。前走こそ輸送があってマイナス6キロと減らしていたが、5歳になってもう一段階パワーアップしてきたイメージ。以前は素軽いスピードが武器…という印象を抱いていたものの、現在の体付きを見ると馬力を要する馬場やコースも苦にしない逞しさを感じさせる。タイムフライヤーの欄でも述べたように、京都芝は荒れ馬場でパワーを要する状態。以前の造りなら割り引きだが、現状の造りであればその必要は無いだろう。冬場を感じさせない毛艶乗りで、基礎代謝も良いのだろう。腹周りも引き締まった好仕上がりで上位争いに期待したい。

ノーブルマーズ

(牡6、栗東・宮本厩舎)

ジャングルポケット
アイアンドユー
母父Silver Hawk
通算成績32戦5勝
連対時
平均馬体重
479kg (最高:496kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重494kg
POINT
フレーム(骨格)に対して筋肉量が豊富なこともあるが、父ジャングルポケット譲りの大きな腹袋も相まって、全体にどっしりとした重厚さを感じさせる立ち姿。飛節の折りが深く、造りとしては瞬発力に秀でているが、絶対的なスピードに優れているタイプではないので上がりの掛かる展開・馬場待ちになる。今の京都芝は適性的にはマッチする馬場状態と言っていい。シルエットとの比率的に胴が長く中長距離への適性が窺えるが、肉付きの良さから3000m級のレースは合わないイメージ。よってベストの距離は2400m辺りと考える。宝塚記念後の3戦と比較して毛艶、馬体の張りは良化している印象があり、トモの下腿部にも血管がハッキリ浮き上がっている。調子は上向きといった雰囲気で、更に前進が期待できそう。

パフォーマプロミス

(牡7、栗東・藤原英厩舎)

ステイゴールド
アイルビーバウンド
母父タニノギムレット
通算成績16戦7勝
重賞勝利 18年アルゼンチン共和国杯(G2)
18年日経新春杯(G2)
連対時
平均馬体重
450kg (最高:454kg)
(最低:438kg)
前走時馬体重464kg
POINT
父ステイゴールド、母アイルビーバウンドが共に小柄な馬のため、この馬も牡馬の中では平均よりもやや小さめのサイズ。ただ、近2走で馬体重を16キロ増やしており、レース数も使っていないため7歳にして成長真っ只中といった印象。肩周り、トモの筋肉には陰影が浮かび上がっているように、馬体の張りは抜群だ。全体の骨格に対して背中が長く、クラシックディスタンスを得意としているのも納得できる造り。かつ、飛節の折りが深い瞬発力に秀でた構造で、体の伸縮性・柔軟性にも優れている。よって瞬間的に速い脚を使うことも出来る器用さがあり、発揮できるスピードの絶対値も高い。スローペースの上がり勝負に対応できる素軽さがある分、今の重たい芝コースが合うイメージはそれほど感じない。G1後の休み明けだが肋骨も薄っすらと見せ、筋肉の張りも有馬記念と遜色ない。冬毛も伸ばさずに毛艶はピカピカ、デキは文句無しの状態だ。

マカヒキ

(牡6、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ウィキウィキ
母父フレンチデピュティ
通算成績15戦5勝
重賞勝利 16年東京優駿(G1)
16年ニエル賞(G2)
16年報知杯弥生賞(G2)
連対時
平均馬体重
500kg (最高:506kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重504kg
POINT
馬体重500キロ前後と大型のディープインパクト産駒。トモよりも肩周り・前腕の筋肉が目を引くが、これは母父フレンチデピュティから遺伝した特徴で、全姉のウリウリも同様に前駆が発達していた。父の産駒らしい柔軟性とパワーを兼備している点が本馬の武器で、外貌上では筋肉量や馬体の張りも維持しており大きな衰えは感じられないが、近走の成績は何故か上がってこない。加齢と共に筋肉が硬くなりやすい母父フレンチデピュティの特徴が色濃く出ている点を踏まえると、3歳時のような柔軟性がやや失われつつあるのでは無いだろうか。今までは良馬場での瞬発力勝負を得意としていたが、現状では荒れて力を要する馬場がプラスに働く可能性もある。毛艶も光っており体調面に不安材料は見当たらず、メンバー的にも結果が欲しいところ。

アドマイヤマーズ

(牡3、栗東・友道厩舎)

ダイワメジャー
ヴィアメディチ
母父Medicean
通算成績4戦4勝
重賞勝利 18年朝日フューチュリティ(G1)
18年デイリー杯2歳S(G2)
連対時
平均馬体重
467kg (最高:472kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重470kg
POINT
クビから背中、腰部にかけてのラインは父ダイワメジャーと良く似ているが、530キロを超える大柄な馬格を有していた父とは異なり、全体的な肉付きや骨格はシャープな印象。勿論、骨格に対する豊富な筋肉量を備えた上での話である。先行して33秒台の上がりを繰り出せる点が本馬の長所だが、この素軽さを感じさせる造りこそ、バランスの良さと豊富な筋肉量から生まれる推進力をロス無く活用できる所以ではないだろうか。今回は初の1800mとなるが、骨格を見る限り無難にこなせると見た。ただシルエットは正方形に近く、距離が延びてパフォーマンスを上げてくるタイプでは無さそう。今季初戦も肋骨が薄っすらと浮き、太め感無く仕上がっている。2歳王者に恥じないレースが出来るはず。
今週のイチオシ

クラージュゲリエ

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

キングカメハメハ
ジュモー
母父タニノギムレット
通算成績3戦2勝
重賞勝利 18年ラジオN杯京都2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
472kg (最高:476kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重476kg
POINT
デビュー前から好馬体と評判になっていた馬で、バランスの良さと付随して筋肉量も豊富、見栄えのする立ち姿を披露している。近親にトゥザヴィクトリーらがいる「フェアリードール一族」だが、この血統は馬格に恵まれた馬が多く、クラージュゲリエも馬体重以上に迫力がある印象だ。また一族の特徴としてやや晩成傾向な面が見られるが、この馬も現状で素晴らしい馬体である一方で、トモや肩周りの肉付きには良化余地を残す。それだけ将来性が高い証と言えるだろう。一見、腹周りのラインはゆったりと丸みを帯びているように映るが、半兄プロフェットも同じように丸みのあるシルエットであることから、元々の造りと考えて良い。余分な肉は感じられず、このレースを目標に仕上げられてきた印象だ。距離に対する適性ではアドマイヤマーズを上回ると見ている。勝ち負けに期待。

ダノンキングリー

(牡3、美浦・萩原厩舎)

ディープインパクト
マイグッドネス
母父Storm Cat
通算成績2戦2勝
連対時
平均馬体重
450kg (最高:450kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重450kg
POINT
仙骨の角度が傾斜している「斜尻」でトモは横幅も広い。恐らく長い腸骨、大腿骨が折り曲がる形で構成されているのだろう。この2つの骨が長ければその分可動域も広くなり、よりスピードの乗りが良くなる。更に飛節はやや折れ気味で『曲飛』寄り、一完歩の回転は比較的速い。優れた瞬発力を発揮できる後躯の構造をしている。クビはさほど長くなく、全体に前傾姿勢を取っているように前脚も比率としてはやや短め。走法を見ても前脚が前方に伸びるような大跳びのフォームではなく、馬格を考慮してもピッチ寄り。マイラー志向が強そうだ。ただ前走でも中山マイルの8枠から終始外目を回して楽勝しており、心肺機能は高い。1800mは十分こなせる範囲内だろう。下腿部には血管が浮き上がっているように、馬体の張りも上々。相手強化も注目の1頭。

フォッサマグナ

(牡3、美浦・藤沢和厩舎)

War Front
River Belle
母父Lahib
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
466kg (最高:466kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重466kg
POINT
第一印象で「正方形のシルエット」と「バランスの良さ」が目に留まる1頭。背中がやや短く映る馬体構造で、シルエットに対して胴の長さは短め。父ウォーフロントは日本でデビューした産駒数が8頭と少ないものの、このフォッサマグナは代表産駒のデクラレーションオブウォー(日本で供用)と胴周りの構造が似ている。デクラレーションオブウォーは現役時代、欧州での瞬発力勝負にも対応出来ていたことから、似通う馬体の特徴であるこの馬も類まれな瞬発力を発揮出来るのだろう。日本競馬にもマッチした馬体と言える。現状での筋肉量、骨格バランスから素質の高さが窺えるものの、フォルムからやはり距離は1400~マイルがベストの印象。東京1800mをどうこなすかがカギ。

京都記念

共同通信杯

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