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CBC賞

ラジオNIKKEI賞

今週のイチオシ

アウィルアウェイ

(牝3、栗東・高野厩舎)

ジャスタウェイ
ウィルパワー
母父キングカメハメハ
通算成績6戦2勝
連対時
平均馬体重
456kg (最高:464kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重456kg
POINT
短距離を中心に使われているジャスタウェイ産駒。父から遺伝した背中が長く見えるシルエットで、立ち姿を見た印象では距離が延びても良さそうな印象がある。折り合いが付けばマイルくらいの距離もこなせそう。CBC賞は1200m以上の距離に実績がある、短距離馬の中でも比較的ゆとりのある造りの馬が好走する傾向が強いため、このレースに対する適性は高いはず。トモの筋肉は容量も大きく、胸前の発達も目を見張るほど。高速決着になっても対応可能な体つきだ。キ甲の辺りを見るとまだ成長の余地を感じさせるが、筋肉の輪郭がハッキリとしてきており、血管の浮き具合を見ても馬体の張りは抜群に良い。古馬相手でも通用する好仕上がりを見せている。

アレスバローズ

(牡7、栗東・角田厩舎)

ディープインパクト
タイセイエトワール
母父トニービン
通算成績31戦7勝
重賞勝利 18年TV西日本北九州記念(G3)
18年CBC賞(G3)
連対時
平均馬体重
485kg (最高:496kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重500kg
POINT
斜尻直飛で後肢の造りは父ディープインパクト譲り。豊富なトモの筋肉量で生み出した推進力をロスなく活かせる馬体構造で、血統は中距離向きも、胴と前脚が短く、シルエットは6ハロン向きの短距離馬そのもの。ただ、筋肉量は豊富でも付き方がスプリンターらしくないタイプで、重苦しさを感じさせない。初勝利をマイル戦で挙げているように、1200m以上の距離実績があるのも頷ける。蹄も薄く、高速決着に強そうな造り。昨年も勝利しているように、このレースへの高い適性は言うまでもない。毛艶を常に良く見せるタイプで状態は安定。今回もトモに大きなスジが浮いており、7歳を迎えたが年齢を感じさせない馬体の張りをキープしている。近走成績は振るわないが、得意のレースで巻き返しも十分。

ショウナンアンセム

(牡6、美浦・田中剛厩舎)

ジャングルポケット
ヴォラドーレス
母父クロフネ
通算成績35戦6勝
連対時
平均馬体重
475kg (最高:486kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重490kg
POINT
1400m~1600mでの勝利実績があるように、胴周りはスプリント路線を主戦場としている馬の中ではゆったりとした造りをしている。長めの距離をこなせるのはCBC賞において有利に働く要素であり、良い意味でスプリンターらしくない骨格はプラス材料と考えて良い。胸前~肩周りの筋肉が盛り上がるように発達しており、前面に筋肉が主張したパワータイプで、時計が掛かるレース向き。このレースは良馬場の場合、高速決着になりやすい面があるので、ひと雨降った際にパフォーマンスを上げてくるだろう。高松宮記念以来の実戦で、腹周りにゆとりがあるのは確かだが、血統的に腹袋を立派に見せる面があるので、1週前としては及第点の仕上がり。ここを叩いて次はもっと良くなりそうな印象も、力は出せるはず。

セイウンコウセイ

(牡6、美浦・上原厩舎)

アドマイヤムーン
オブザーヴァント
母父Capote
通算成績27戦7勝
重賞勝利 18年函館スプリントS(G3)
17年高松宮記念(G1)
連対時
平均馬体重
494kg (最高:504kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重504kg
POINT
肩周りから胸前、正方形に発達したトモ、全体に骨格のバランスも良い。G1馬にふさわしい高いレベルをキープしており、6歳馬でもシルエットが崩れることなく、見栄えする馬体を披露している。アドマイヤムーン産駒は特にクビから肩にかけての筋肉が発達している馬が多く、パワー型になりやすい。速い時計での決着が多いCBC賞よりも、より馬力の必要な高松宮記念向きと言えるだろう。立ち気味の繋ぎと蹄を考慮しても、パンパンの良馬場より雨が降って欲しいタイプだ。この馬は叩き良化型ではあるものの、今回は久々のレースでも馬体がパンと張っていて、ややふっくらと見せている点も好印象。年齢的に大きな上積みはなくとも、好仕上がりでゲートインできそうだ。

ビップライブリー

(牡6、栗東・清水久厩舎)

ダイワメジャー
フローラルグリーン
母父フォーティナイナー
通算成績28戦6勝
重賞勝利 19年春雷ステークス(L)
連対時
平均馬体重
456kg (最高:466kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重466kg
POINT
盛り上がるように発達した胸前、傾斜した仙骨は父ダイワメジャー譲り。骨格に対して立派な筋肉が付いている一方、馬体重が前走時で466キロとコンパクトにまとまっているので、体つきからは重苦しさを感じない。胴周りの造りも今回立ち写真がある馬の中ではゆったりと見せており、1400~1800mでの実績も十分。CBC賞への適性は高そうだ。この馬の特筆すべき点は脚元の造り。繋ぎが短く立っており、地面と垂直に近い形をしている。水分を含んだ馬場でもノメらずに走ることが可能で、馬体重が軽いことも道悪を走る上では好材料。渋った馬場でも能力は落ちることなく発揮できそうだ。3か月ぶりの実戦となるが、仕上がりやすいタイプでムダ肉も感じさせない。雨が降ったら必ず押さえておきたい1頭。

ラインスピリット

(牡8、栗東・松永昌厩舎)

スウェプトオーヴァーボード
リボンストライプ
母父トニービン
通算成績51戦8勝
連対時
平均馬体重
433kg (最高:446kg)
(最低:418kg)
前走時馬体重444kg
POINT
胴の短さが目立つ馬で、短距離に特化した骨格をしている。脚も短めで、飛節の折りも深いためピッチが速い。純粋なスプリンターといった印象で、距離に融通のあるタイプが強いこのレースにおいて適性は高くないと見ている。ピッチが利く分、サッと速い脚を使うことができるので、内目をロスなく立ち回る競馬が得意。本質的には小回りコースで器用さを生かすレーススタイルが合っているタイプだ。8歳馬で大きな上積みは感じられないが、後肢の下腿部には血管が浮き上がっているように、馬体の張りはキープできている。腹袋が大きいためふっくらした腹周りをしているが、この馬としては引き締まっていると言える造り。現状のベストと言えるデキでレースを迎えられそうだ。

レッドアンシェル

(牡5、栗東・庄野厩舎)

マンハッタンカフェ
スタイルリスティック
母父Storm Cat
通算成績14戦4勝
連対時
平均馬体重
453kg (最高:468kg)
(最低:432kg)
前走時馬体重466kg
POINT
前脚が短めで、胴が詰まったシルエット。2歳時からG1に出走していたように早くから一戦級で活躍しているが、全体的に頼りなかった2~3歳時と比較して逞しくなってきた。昨年の京都金杯に出走した際、馬体診断で距離はマイルくらいまでと評価したが、筋肉量が増えてパワーアップしたこともあり、より短距離向きの体型へと変化してきた。四肢が長く、全体にゆったりとした体型をしていた父マンハッタンカフェとは似ておらず、母父のストームキャットが馬体に強い影響を与えているのだろう。キ甲も抜けて骨格も完成し、いよいよ本格化してきた印象がある。後肢の下腿部のように血管が浮きやすい部位だけでなく、全身に血管が浮いていて馬体の張りが素晴らしい。毛艶も黒光りして代謝の良さを感じさせ、文句なしの仕上がりで出走できそうだ。

インテンスライト

(牡3、美浦・菊沢厩舎)

エイシンフラッシュ
スコルピオンキッス
母父French Deputy
通算成績7戦2勝
連対時
平均馬体重
484kg (最高:486kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重488kg
POINT
バランスの良い体型で、胴周りも比較的伸びが感じられる。長く良い脚を繰り出せる造りで、中山での勝利実績があるものの、本質的には広いコースが合っているタイプだ。仙骨から尾端の流れは父エイシンフラッシュと近いモノがある。父の父キングズベストは腹袋が発達しており、父方の特徴が発現していると考えられる。肋骨が薄っすらと浮き上がっており、太め感はない。繋ぎは立っていて、蹄底も厚く角度が地面と垂直に近い。脚元に関しては母父のフレンチデピュティが主張している造りだ。パンパンの高速馬場よりも、多少時計が掛かる馬場状態でパフォーマンスを上げてきそうな雰囲気がある。後肢の下腿部には血管が浮き上がり、馬体の張りは上々。毛艶も光っており、良い状態でレースを迎えられそうだ。

ウインゼノビア

(牝3、美浦・青木厩舎)

スクリーンヒーロー
ゴシップクイーン
母父フレンチデピュティ
通算成績7戦2勝
連対時
平均馬体重
460kg (最高:464kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重464kg
POINT
腰高な印象が目立っていた2歳時と比較して明らかにキ甲が伸びてきており、しっかりと成長を示している。フローラSからの短期間でも完成度が高まっており、馬体のバランスがより良くなってきた印象を受ける。牝馬らしい素軽さを感じさせつつ、母父フレンチデピュティから遺伝した豊富な筋肉も兼ね備えている。牝馬の中ではパワータイプに分類されるため、瞬間的なスピードの絶対値が問われる決め手勝負よりも、地力勝負になりやすい混合戦向きではないだろうか。条件は好転すると見ている。決して窮屈な造りではないが、2400mはさすがに長すぎた印象。距離短縮はプラスに働きそうだ。筋肉の輪郭が明瞭で、トモにも大きなスジが浮き上がり、全体に馬体の張りが良い。力を出せる好仕上がりと言えるだろう。
今週のイチオシ

ディキシーナイト

(牡3、美浦・国枝厩舎)

ダイワメジャー
カメリアローズ
母父ホワイトマズル
通算成績6戦2勝
連対時
平均馬体重
520kg (最高:524kg)
(最低:514kg)
前走時馬体重524kg
POINT
前走時の馬体重が524キロ。筋肉の輪郭がハッキリとした体付きで、いかにも大型馬といった雰囲気がある。盛り上がるように発達した肩周りの筋肉、角度の付いた仙骨は父ダイワメジャーから遺伝したモノと考えて良い。ただ胴周りは父の産駒の中では長めに映る造りで、1400mでも勝ち星のある馬だが、本質的に適性は中距離あたりにありそう。飛節の折りが深いためサッと速い脚も使えそうで、小回りコースは苦にしないはず。自在性のある脚質も有利に働きそうだ。休み明けの分、スプリングS時よりも若干腹周りがふっくらとして映るが、肩周りや前腕、トモの下腿部には網目状に血管が浮き上がっていて、馬体の張りは文句なし。1週前追い切りでもビッシリと追われており、レースまでには絞れてくるだろう。素質の高い馬で、重賞初制覇に期待。

ブレイキングドーン

(牡3、栗東・中竹厩舎)

ヴィクトワールピサ
アグネスサクラ
母父ホワイトマズル
通算成績6戦1勝
連対時
平均馬体重
479kg (最高:488kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重494kg
POINT
筋肉量・骨量が豊富でがっしりとした体型をしており、毛色も黒光りして迫力のある立ち姿。胸前の筋肉は盛り上がるように発達しており、クビから肩周りにかけて肉付きが良い。パワー溢れる前駆の構造をしており、力の要る馬場状態や、直線に急坂のあるようなタフなコースが合っているイメージ。脚元の構造を見る限り、繋ぎも短めで地面と垂直に立っているので、将来的にはダートで活躍している可能性もある。2000mでの好走実績もある一方、肉付きの良さ、前脚がやや短く全体に低重心な印象。距離適性はもう少し短いところにありそうで、1800mへの距離短縮は好感。曲飛で瞬間的に速い脚も使える造りをしており、小回りコースも苦にしないだろう。弥生賞から始動してコンスタントに使われているが、馬体の張りは上々で、毛艶も光っている。体調面は問題なさそうだ。

ランスオブプラーナ

(牡3、栗東・本田厩舎)

ケープブランコ
マイプラーナ
母父マンハッタンカフェ
通算成績7戦3勝
重賞勝利 19年毎日杯(G3)
連対時
平均馬体重
461kg (最高:464kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重468kg
POINT
前走時で馬体重468キロ。牡馬の中では平均的な馬格だが、胸前やトモの筋肉が発達していて、骨格に対しての肉付きが良い。胴も詰まり気味で、肩のラインも父ケープブランコに近く立ち気味のため、肩関節の可動域はさほど広くない。1800mの毎日杯を逃げ切っているが、距離はマイルがベストか。腹側のラインは後躯に向けて引き締まっているように、背中の伸縮性に優れた形をしている。逃げて結果を残しているが、ワンペースな逃げではなく、タメることで終いにもう一脚使える構造とみている。間隔が開いたことで前走よりも腹周りはゆとりのある造りだが、腹袋が大きい馬なので、1週前の仕上がりとしては上々と言える。馬体の張りも良く、力を発揮できる状態に整った。

レッドアネモス

(牝3、栗東・友道厩舎)

ヴィクトワールピサ
マチカネハヤテ
母父サクラバクシンオー
通算成績7戦3勝
重賞勝利 19年白百合ステークス(L)
連対時
平均馬体重
472kg (最高:474kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重470kg
POINT
馬体のバランスと筋肉量に秀でており、美しいシルエットで見栄えする立ち姿。前走の馬体重が470キロと牡馬にも負けない馬格があり、筋肉量が豊富でありながら引き締まった体つきで、スピード勝負に強そうな素軽さを感じさせる。昨年の阪神JF時点でも素晴らしい馬体を見せていたが、半年経って骨格の完成度が上昇。馬体重こそ大きな変動はないものの、よりパワーアップした体つきへと変化してきた。胴周りの造りはマイルがベストの印象で、体型的には1800mあたりが距離上限と見ている。皮膚を薄く見せており、血管も全身に浮いているようにパンと張った馬体を披露している。毛艶も光っており、体調はかなり良さそう。腹も引き締まっていてムダ肉を感じさせず、好勝負が期待できる仕上がり。
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