ローズS

セントライト記念

ウィクトーリア

(牝3、美浦・小島茂厩舎)

ヴィクトワールピサ
ブラックエンブレム
母父ウォーエンブレム
通算成績6戦3勝
重賞勝利 19年サンスポ賞フローラS(G2)
連対時
平均馬体重
466kg (最高:470kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重460kg
POINT
均整の取れた美しいシルエット。胴周りは骨格に対してゆとりある造りで、牝馬の中では距離に融通が利くタイプと見て良いだろう。前走時の馬体重が460キロ。スラっと見せる構造から数字以上の大きさを感じさせるが、筋肉の付き方は比較的なだらかであり、牝馬らしい柔軟性や素軽さも見受けられる。全体にバランスが整っている点が最大の長所であり、舞台を選ばずに安定して能力を発揮することができるだろう。今回も上位争いに食い込んでくるはずだ。栗東滞在で挑む一戦で、春先と変わらずに馬体の張りをキープしており、毛艶も上々。トモにはまだ良化の余地も感じられるが、力を発揮できる状態にあるだろう。
今週のイチオシ

シゲルピンクダイヤ

(牝3、栗東・渡辺厩舎)

ダイワメジャー
ムーンライトベイ
母父High Chaparral
通算成績5戦1勝
連対時
平均馬体重
457kg (最高:462kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重454kg
POINT
背中側が短く、腹側が長く見える構造は伸縮性に優れた形。飛節もくの字に折れた「曲飛」で、後肢の回転力は相当高い。桜花賞では馬群を縫うようにして伸びて2着。瞬間的に速い脚を使える構造であるからこそできた競馬だ。元々ローズSは33秒台の上がりが求められるレースではあるが、今回の出走メンバーは確たる先行馬が不在でスローペース濃厚。より決め手が必要な展開になった場合、瞬発力に特化したこの馬向きのレースとなる可能性が高い。春は繋靭帯炎から復帰したため坂路とプールで肋骨が浮き上がって見えるほど細めに仕上げていたが、今回は腹周りもふっくらして銭型も浮いている。デキは明らかに良化しており、鋭い末脚を披露してくれるだろう。

シャドウディーヴァ

(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)

ハーツクライ
ダイヤモンドディーバ
母父Dansili
通算成績7戦1勝
連対時
平均馬体重
468kg (最高:472kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重464kg
POINT
父ハーツクライから遺伝した、骨格に対して長めに映る胴の造りが特徴的。飛節は緩やかにカーブしており後肢の回転力は高そうだが、本質的には末脚を長く繰り出してこそ良さが生きる体型といえる。ゆったりと運べる阪神の外回りコースは合っているだろう。ただし今回は展開的にも緩い流れから究極の決め手を要する流れになりそうで、どこまで切れ味勝負に対応できるかがカギになりそうだ。トモの膨らみは春よりも大きくなっており、全体にボリュームアップした印象を受ける。父の産駒は夏を越して良くなってくる場合が多く、この馬もまさに成長期といった雰囲気だ。休み明けながら筋肉の張りも上々で、毛艶も黒光りしていて見栄えがする。わずかに肋骨が浮いていることも確認できるので、太め感もなくキッチリ仕上がっていると言えそうだ。

スイープセレリタス

(牝3、美浦・藤沢和厩舎)

ハーツクライ
スイープトウショウ
母父エンドスウィープ
通算成績6戦3勝
連対時
平均馬体重
493kg (最高:496kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重496kg
POINT
前走時の馬体重が496キロと、牝馬ながら雄大な馬格を誇る。骨格そのものの大きさが目立ち、中でもゆったりとした胴の造りが特徴的。ハーツクライ産駒らしい構造で、持続力に優れた形といえるだろう。長く良い脚を使う必要のある、一定以上の淀みない流れが向いている印象だ。今回は初の1800m戦でも、距離延長は問題なさそう。回転力に長けた曲飛ではあるが、胴の長さが主張する造りのため、スローペースからのヨーイドン、ではどこまで切れる脚を使えるかがカギになりそうだ。毛艶や馬体の張りが良く仕上がりに関して不安はないものの、血統的に晩成傾向が強いこともあり、全体的に若干の緩さを残している印象。まだまだ筋肉が引き締まってくるはずで、今後の伸びしろは大きい。

ダノンファンタジー

(牝3、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
ライフフォーセール
母父Not For Sale
通算成績7戦4勝
重賞勝利 19年チューリップ賞(G2)
18年阪神ジュベナイルF(G1)
18年KBSファンタジーS(G3)
連対時
平均馬体重
456kg (最高:460kg)
(最低:442kg)
前走時馬体重456kg
POINT
オークス時の馬体重が456キロ。牝馬としては平均程度の馬格だが、肉付きが良く輪郭がハッキリとした筋肉が非常に見栄えする。背中が短く見える胴の造りで、一完歩はさほど大きくないため瞬間的に速い脚を繰り出すことも可能。豊富な筋肉量からより胴が詰まって見える体型に変化してきており、短距離志向が強まってきた。オークスでも5着と得意と言えない距離で良く踏ん張っており、この距離短縮は好材。潜在的にスピード能力が高く、気性も前向きで近走はスタートも安定してきているので、先行馬の少ない今回はスタート次第で前に行く可能性もありそう。しっかりタメが利けば終いも鋭い脚を使えるはずだ。春も好仕上がりで出走していたが、今回は毛艶、馬体の張り共にこれまでで一番と言えるほどの状態で、デキに関しては文句なし。

ビーチサンバ

(牝3、栗東・友道厩舎)

クロフネ
フサイチエアデール
母父サンデーサイレンス
通算成績6戦1勝
連対時
平均馬体重
470kg (最高:476kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重476kg
POINT
盛り上がるように発達した胸前の筋肉と、丸みを帯びたトモが目を引く好馬体。春と同様に後躯の充実度はピカイチで、横幅の広いトモは容量の大きさを示しており、下腿部には網目のように血管が浮き上がっている。オークスは15着と大敗したものの、腹周りを見ても全体にどっしりとしたパワーに秀でた体型をしており、2400mの距離は長すぎた印象。距離短縮はプラスに働くはずで、将来的には1400m、1200mでの競馬も見てみたい1頭。全体的にバランスが整っている分、コースを選ばずに力を発揮できるタイプではあるが、前後にまとまった体つきと、緩やかにカーブした飛節を見る限り、瞬発力勝負にも十分対応できそうだ。背中に銭型が浮き上がっているように代謝の良さを感じさせ、体調はかなり良さそう。太め感もなく、改めて巻き返しに期待できる好仕上がり。

オセアグレイト

(牡3、美浦・菊川厩舎)

オルフェーヴル
ブルーダヌーブ
母父Bahri
通算成績8戦3勝
連対時
平均馬体重
486kg (最高:488kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重484kg
POINT
骨格に対してゆったりとした胴の造りが特徴的。背中側と腹側のラインが平行に近く、持続力に優れたタイプだ。瞬間的に速い脚を使うような切れ味勝負では分が悪いものの、中山の外回りコースで早めに加速し、スタミナを活かす競馬に持ち込めれば十分に通用するはず。腹袋が大きく、上がりの掛かるような底力を要する展開が向いている。繋ぎもやや短く、角度も立ち気味であるため、できれば時計が掛かる馬場希望か。週中に雨予報があるとはいえ、高速決着連発の中山芝でどこまでやれるか。ずば抜けた筋肉量を誇るタイプではなく、どちらかといえばシャープに映る中長距離向きの体型をしているが、下腿部にはしっかり血管が浮いているように馬体の張りも良い。現状の力は発揮できるだろう。

ザダル

(牡3、美浦・大竹厩舎)

トーセンラー
シーザシー
母父Lemon Drop Kid
通算成績3戦3勝
連対時
平均馬体重
484kg (最高:486kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重482kg
POINT
バランスの整った体型で、馬体・骨格全体のシルエットは随所に父トーセンラーの雰囲気を感じさせる。父は筋肉が隆起するように発達したタイプであったが、この馬の場合は前駆の肉付きがなだらかで、クビも父と比べてやや細く、素軽さのある造り。父はマイルCSの勝ち馬でありつつも長距離G1でも上位に好走している。この馬も幅広い距離をこなせそうだが、どちらかといえば中長距離志向が強い。胴自体は窮屈にも見せない構造であるため、外回りコースで長く良い脚を繰り出すこともできそうだ。脚部不安明けということもあり、馬体の張りはまだまだ良化の余地を感じさせるが、太め感は残っておらず能力発揮には問題なさそう。今回の出走馬の中ではスピード能力が高いと見ているので、中山の高速馬場もこなせるはず。上位進出も期待できそう。

ニシノデイジー

(牡3、美浦・高木登厩舎)

ハービンジャー
ニシノヒナギク
母父アグネスタキオン
通算成績8戦3勝
重賞勝利 18年東京スポーツ杯2歳S(G3)
18年札幌2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
478kg (最高:486kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重486kg
POINT
背中がやや短く映る伸縮性に優れた構造をしており、飛節も緩やかではあるがカーブしていて曲飛に分類される。一瞬の鋭い脚を繰り出すことができる瞬発力タイプで、スロー~ミドルペースからの決め手勝負に強い。セントライト記念は外回りコースで持続力を問われる競馬になりやすく、また今開催は開幕週からかなりの高速馬場となっているため、速い流れにどこまで対応できるか。2歳重賞を連勝しているが、晩成型のハービンジャー産駒らしく夏を越してトモがパンとしてきており、骨格のバランスも良くなってきた。今回は休み明けで若干緩さを感じさせつつも、馬体の完成度自体は高まって来ている。自身の力は出せるデキにあり、さらにココを叩いて良くなりそうな印象を受けた。

ランフォザローゼス

(牡3、美浦・藤沢和厩舎)

キングカメハメハ
ラストグルーヴ
母父ディープインパクト
通算成績6戦1勝
連対時
平均馬体重
488kg (最高:494kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重494kg
POINT
日本を代表する名血を有しているだけあり、馬体のバランスはまさしく一級品。美しいシルエットを披露している。パーツを見ていった場合でも、背中が短く、腹側が長く見える伸縮性に優れた形と、長く良い脚を繰り出せる直飛で組み合わせとしてバランスが良い。基本的には好走するにあたって舞台を選ばないタイプと見ている。強いて挙げるならば、良い脚を長く使える広いコースが合っていると考えているので、中山でもゆったりと走ることのできる外回りコースは合うはずだ。キンカメ産駒らしくトモの容量が豊富でスピード能力に長けているため、本来は2000m以下に適性があると考えている。だが、先週の京成杯AHではスピードを活かす競馬でトロワゼトワルが逃げ切っており、今開催の中山なら十分こなせると見た。大敗後でも毛艶は抜群に良く、馬体の張りもしっかりと感じられる。巻き返しに期待したい。

リオンリオン

(牡3、栗東・松永幹厩舎)

ルーラーシップ
アゲヒバリ
母父クロフネ
通算成績9戦3勝
重賞勝利 19年テレビ東京杯青葉賞(G2)
連対時
平均馬体重
482kg (最高:486kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重474kg
POINT
肘離れが良く、胸前~肩周りの筋肉は盛り上がるように発達している。前走の馬体重は474キロと牡馬の中では平均くらいの馬格を有している。筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がっていて、数字以上に迫力のある立ち姿。素軽さよりも力強さが武器のパワータイプで、立ち気味の繋ぎを考慮しても、時計の掛かる馬場・条件を得意とする。胴周りがゆったりとした造りの持続力タイプで、外回りコースは合うはず。中山は開幕週がかなりの高速馬場で行われていたが、前週の時点で週中には雨予報も出ており、時計が速くなりすぎないようなら注目したい1頭。休み明けでも後肢の下腿部には血管が浮き上がっており、馬体の張りは上々。毛艶も光っていて体調面に不安なし。
今週のイチオシ

ルヴォルグ

(牡3、美浦・藤沢和厩舎)

ディープインパクト
キトゥンカブードル
母父Kitten’s Joy
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
520kg (最高:528kg)
(最低:510kg)
前走時馬体重524kg
POINT
前走時で524キロと雄大な馬格を誇るディープインパクト産駒。バランスが整いつつ骨格が大きく四肢も長いため、見栄えのする好馬体を披露している。胴周りの造りにゆとりがあり、飛節も父ディープインパクト同様真っ直ぐに伸びた直飛。長く良い脚を繰り出せる、持続力に特化した形といえる構造で、この2つのパーツは2017年の勝ち馬・ミッキースワローと共通の造り。中山の外回りコースで持続力を生かす競馬をすることができれば、初の重賞でもいきなり通用するはずだ。馬格があって筋肉質なタイプは時計勝負を得意とする傾向がある。この馬の場合は筋肉の付き方もなだらかで素軽さも同時に感じさせるので、一気に持ち時計を詰めてくる可能性も十分にあるはず。馬体の張りにはまだ成長の余地を残しているが、レースに対する適性の高さを高評価したい。背中には薄っすらと銭型も浮き、体調も良さそうだ。
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