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ウラヌスチャーム

(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)

ルーラーシップ
アメジストリング
母父フジキセキ
通算成績15戦4勝
連対時
平均馬体重
494kg (最高:500kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重498kg
POINT
父から遺伝したやや長めの胴周りが特徴的。常に上位の上がりタイムで駆けているように末脚を武器としている馬で、本質的には長く良い脚を使わせて持ち味が生きる、持続力タイプの造り。飛節は緩やかにカーブした曲飛であり、回転力に優れた構造をしているため、サッと速い脚を繰り出すこともできる。500キロを超える馬格の持ち主で筋肉の発達も良いので、スピードの絶対値を要する高速決着向きの印象。エリザベス女王杯はスローな流れからの上がり勝負になりやすく、スピードの持続力よりも一瞬の加速、瞬発力が要求されるため、この馬としてはある程度ペースは流れたほうが良さそう。前走も休み明けながら馬体の張り良く仕上がっていたが、今回も引き続き良い状態をキープできている。ひと叩きされて全体に引き締まった面も感じられる好仕上がり。

クロコスミア

(牝6、栗東・西浦厩舎)

ステイゴールド
デヴェロッペ
母父ボストンハーバー
通算成績31戦5勝
重賞勝利 17年アイルランド府中牝馬(G2)
連対時
平均馬体重
417kg (最高:436kg)
(最低:402kg)
前走時馬体重442kg
POINT
胸が深く前脚が短く見える体型で、心肺機能の高さが窺える。全体のフレームに対して胴の長さは平均からやや詰まり気味に映る。2年連続での当レース2着は自身も上がりを34秒台でまとめており、瞬間的に速い脚を繰り出すこともできる造りと言えそうだ。スローになりやすいエリザベス女王杯では瞬発力タイプはもちろん、先行馬も残りやすい。レース適性に関しては言うまでもないだろう。6歳馬でキャリア31戦と数も使われていても筋肉量は全く衰えることなく充実した馬体を披露しており、馬体重もデビュー時と比較して40キロほど増えている。3年連続の出走となるが、年齢を重ねたとはいえ大きくパフォーマンスを下げる可能性は低いと見ている。毛艶も黒光りして代謝の良さが窺え、筋肉の張りも上々。今年も展開利が見込めそうで、上位争いに期待。
今週のイチオシ

クロノジェネシス

(牝3、栗東・斉藤崇厩舎)

バゴ
クロノロジスト
母父クロフネ
通算成績7戦4勝
重賞勝利 19年秋華賞(G1)
19年デイリー杯クイーンC(G3)
連対時
平均馬体重
440kg (最高:452kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重452kg
POINT
背中が短く、腹側のラインが後躯に向かって右上がりに引き締まった、追い込み馬に多い体型をしている。牝馬らしく体の柔軟性にも優れており、瞬発力は現役牝馬の中でもトップクラスと言って良いだろう。前走の秋華賞は前半からペースが速くなり、持続力を問われる流れで勝利。本質的にはスローからの上がり勝負でこそ強みが生きる体型をしているため、レース適性は今回の方が高いと見ている。春先とは見違えるほど胸前やトモの筋肉量が増し、腹周りも膨らみが出て来た。前走時は太め感こそなかったものの、休み明けの分若干緩さを感じる立ち姿だった。今回は一度使って全体に張りが出て来た印象があり、腹周りも引き締まって筋肉の輪郭もより明瞭になってきた。勝って状態は上向き、適条件でさらなる前進に期待。

ゴージャスランチ

(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)

マンハッタンカフェ
シーキングマイラブ
母父Seeking the Gold
通算成績15戦4勝
連対時
平均馬体重
498kg (最高:512kg)
(最低:478kg)
前走時馬体重512kg
POINT
父マンハッタンカフェと良く似た、全体のフレームに対して胴が長めに映る体型。中距離以上に適性がありそうな造りで、長く脚を使うような展開、コースに適性のある持続力タイプの構造といえる。飛節も父似の曲飛で、後肢の回転力は高い。逃げても差しても結果を残している馬だが、上がりの速い展開になっても十分対応できそうだ。父の産駒で2016年に12番人気で2着したシングウィズジョイとパーツの造りが近く、更にスケールアップさせたようなイメージがある。今回は先行馬も少なく、展開利も見込めそうでマークしておきたい1頭だ。前走時の馬体重が512キロと牝馬の中でもかなり馬格に恵まれているが、3ヶ月ぶりの実戦でも太め感なく仕上がっており、重苦しさを感じさせないフォルムは高評価できる。後肢の下腿部にもくっきりと血管が浮いていて、筋肉の張りも良さそう。上位進出の可能性も十分。
今週のイチオシ

サラキア

(牝4、栗東・池添学厩舎)

ディープインパクト
サロミナ
母父Lomitas
通算成績12戦2勝
連対時
平均馬体重
443kg (最高:450kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重450kg
POINT
背中側が短く、腹側のラインが後肢に向かって引き締まった体型で、胴自体が詰まって見える。3走前から逃げる競馬を試して結果も出ているが、本質的には身体の伸縮性に優れた瞬発力が武器。逃げたレースでも自身は33秒台の速い上がりを叩き出しているように、溜めてキレを活かすような競馬が合うはず。スタートを上手に出るようになってきたので、近2年のクロコスミアのような好位から速い脚で抜け出すような競馬が理想だ。体型的には距離が延びて良いとは言えないものの、スローになりやすいエリザベス女王杯なら凌げても良い。過去の立ち写真と比較して全体的に筋肉の発達が顕著で、実際に馬体重も3歳春から20キロほど増えているように、4歳秋を迎えてグンと成長している様子が伝わってくる。関屋記念の立ち写真よりも腹周りはスッキリしており、下腿部には血管が浮き出て、馬体の張りも上昇傾向にある。文句ない好仕上がりで、上位争いに期待。

シャドウディーヴァ

(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)

ハーツクライ
ダイヤモンドディーバ
母父Dansili
通算成績9戦1勝
連対時
平均馬体重
468kg (最高:472kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重474kg
POINT
やはり馬体面で光るのは父ハーツクライ譲りの長めな胴周り。長く良い脚を使う展開でこそ持ち味が活きる体型であり、小回りでペースの流れやすい条件の秋華賞は適性の高いレースだった。瞬間的な加速能力という観点からは特筆した存在でない一方、長く良い脚を繰り出せることと、馬群を縫うような器用な競馬もできるため、内目をロスなく回って来られれば今回も上位進出に期待できそう。この馬としては、ある程度ペースは流れて欲しいところか。秋3戦目でも見た目からは疲れも感じさせず、毛艶良く皮膚の薄さを示すほど筋肉の張りも上々。父は晩成傾向が強いだけに、徐々に成長してきている様子が伝わってくる。問題なく力を出せる状態にあると見た。
今週のイチオシ

スカーレットカラー

(牝4、栗東・高橋亮厩舎)

ヴィクトワールピサ
ヴェントス
母父ウォーエンブレム
通算成績15戦3勝
重賞勝利 19年アイルランド府中牝馬(G2)
連対時
平均馬体重
450kg (最高:472kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重472kg
POINT
父ヴィクトワールピサから遺伝した曲飛と、やや詰まり気味の胴周りが特徴的。後肢の回転力に優れており、背中が短く腹側のラインが後躯に向かって引き締まった体型は、典型的な瞬発力タイプの構造だ。一瞬の切れに特化した造りをしており、重賞で3走連続好走中だが、いずれも馬群でギリギリまで脚を溜めて最後に弾けるレースをしている。エリザベス女王杯はスローペースになりやすく、内目でじっくり我慢できる馬がインから追い込んで来たケースが多い。馬群を一気に割れる加速力はこのレース向きで、内枠を引ければなお良い。体型的に距離延長は歓迎とは言えないものの、スローからの上がり勝負なら保つと見た。前走時の馬体重は472キロと3歳春から30キロ以上増えているように、いよいよ本格化してきた印象。エリザベス女王杯は成長力を馬体に示している4歳馬が強いレースでもあり、昨年の立ち写真と比較しても明らかにパワーアップしている。馬体の張り、毛艶も申し分ない状態で、勝ち負けに期待。

センテリュオ

(牝4、栗東・高野厩舎)

ディープインパクト
アドマイヤキラメキ
母父エンドスウィープ
通算成績11戦4勝
連対時
平均馬体重
453kg (最高:466kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重468kg
POINT
頭部が小さく、クビさしも細めで長く全体的にシャープに映る牝馬らしい造り。各パーツが主張しすぎない馬体で、バランスが良い。やや背中が短く腹側のラインが後肢に向かって引き締まっているように、瞬発力に優れた体型のため、スローからの上がり勝負は得意とするタイプ。エリザベス女王杯の流れも向きそうで、レース適性は高そう。前走の新潟記念は持続力勝負になりやすく、今年も前半と後半がほぼイーブンな流れになったように、この馬には合わなかった印象がある。参考外と捉えて良いだろう。トモの辺りを見ても馬体はまだ成長の余地がありそうだが、下腿部には血管も浮いているように、徐々に成長していることが窺える点も高評価できる。季節柄、毛艶は前走の方が良く見えるものの、筋肉の輪郭は今回の方が明瞭に浮き出ており、馬体の張りは上々だ。

フロンテアクイーン

(牝6、美浦・国枝厩舎)

メイショウサムソン
ブルーボックスボウ
母父サンデーサイレンス
通算成績28戦3勝
重賞勝利 19年中山牝馬ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
462kg (最高:480kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重476kg
POINT
飛節は緩やかなカーブを描いている「曲飛」で、後肢の回転力は高い。故にコーナー4つの中山での好走が多く、器用さが最大の持ち味と言える。父メイショウサムソン譲りの大きな腹袋を有しており、立ち姿は全体的にどっしりした印象がある。速い上がりをマークしての好走もあるが、本質的にはある程度ペースが流れて、上がりの掛かるような展開で強みが生きてくる。エリザベス女王杯はスローペースで展開されることが多く、最後の直線でも脚色に余裕がある馬同士の差し比べになるため、好位からワンテンポ早めに動くくらいの競馬が理想的か。内目をロスなく立ち回れる点は好材料。6歳牝馬で大きな変わり身は見られないが、筋肉量はしっかりキープしており、衰えは感じない。毛艶・馬体の張りは前回の方が良く見えるため100%のデキとまではいかなくとも、力は出せる状態に整っている。

ラヴズオンリーユー

(牝3、栗東・矢作厩舎)

ディープインパクト
ラヴズオンリーミー
母父Storm Cat
通算成績4戦4勝
重賞勝利 19年優駿牝馬(G1)
連対時
平均馬体重
457kg (最高:466kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重456kg
POINT
フレームに対して豊富な筋肉を携えており、特にトモの発達が目を引く。全兄リアルスティールをコンパクトにしたような体型で、胴周りはこの馬の方が気持ち短い。背中が短く、腹側のラインが長く後躯に向かって引き締まった形で、身体の伸縮性に優れている。鋭い決め手を秘めた馬体構造で、スローからの上がり勝負も問題なくこなせるだろう。レースの流れは合いそうな印象があるものの、この馬は新馬戦以外は全て外を回す競馬をしているため、スローで外々を回す競馬になるとロスが大きくなる。絶対能力は間違いなく高い馬だけに、力勝負で押し切れるかどうか。右前蹄に補修跡が見られるが、稽古をビシビシやれているため脚元の不安はないと見て良さそう。春よりも筋肉がボリュームアップした印象がある中で、休み明けでも太め感なく仕上がっている。筋肉の張りはまだ良化の余地がありそうだが、好勝負に持ち込めるデキにあると見て良いだろう。

ラッキーライラック

(牝4、栗東・松永幹厩舎)

オルフェーヴル
ライラックスアンドレース
母父Flower Alley
通算成績11戦4勝
重賞勝利 18年チューリップ賞(G2)
17年阪神ジュベナイルF(G1)
17年アルテミスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
490kg (最高:512kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重522kg
POINT
牝馬ながら500キロを超える雄大な馬格の持ち主で、全身の筋肉が目を引く好馬体。特に胸前から肩周りの筋肉が発達していて、前腕にも無数のスジが浮いているように、前駆に力強さを感じる。繋ぎ・蹄は立ち気味であることから、道悪になったとしても問題なく対応できるだろう。大型馬だがバランスが整っているため重苦しさを感じさせず、スピード能力の高さが窺える。胴周りは背中が短く、腹側が長く見える造りで瞬発力勝負も得意としているが、成長と共にがっしりした体型になってきたため、パワー・スピードを生かした持続力タイプへと変化してきた印象がある。レーススタイル的には外を回す競馬で結果を残してきているが、エリザベス女王杯では3~4コーナーで外を回すと最後まで伸び切れない、もしくは距離ロスが大きく届かないケースが多い。前走も先に抜け出す強い内容だっただけに、今回は内枠が欲しいところだ。薄っすらと肋骨が浮き上がり、毛艶も光っているように文句無しの好仕上がり。

レッドランディーニ

(牝4、栗東・石坂正厩舎)

ディープインパクト
レッドメデューサ
母父Mr. Greeley
通算成績15戦3勝
連対時
平均馬体重
445kg (最高:450kg)
(最低:438kg)
前走時馬体重448kg
POINT
馬体のバランスが整っており、美しいフォルムを披露している。バランスの良さからパーツ的に突出した部位は見られないものの、クビに関しては短めで、胸が深いぶん前脚もやや短めに映る体型をしている。前走時の馬体重も448キロとコンパクトにまとまっており、四肢の回転は比較的速い部類に入る。筋肉の付き方もなだらかで素軽いため、瞬間的に速い脚を繰り出すことができるのだろう。蹄が厚めで繋ぎの角度も立っているため、高速馬場よりは雨が降って多少時計の掛かる馬場になったほうが良さそうな印象がある。筋肉が主張するタイプではなく、近走は立ち写真が無いため直接の比較はできないものの、毛艶や馬体の張りはまだ良化の余地がありそう。1週前の時点で太め感なく仕上がっているが、当日のパドックでも状態は確認したい。
今週のイチオシ

サトノガーネット

(牝4、栗東・矢作厩舎)

ディープインパクト
ビートリックスキッド
母父Victory Note
通算成績14戦4勝
連対時
平均馬体重
430kg (最高:438kg)
(最低:424kg)
前走時馬体重440kg
POINT
※写真は2019年クイーンS時
背中が短く、腹側が長く後躯に向かって引き締まった形をしており、身体の伸縮性に秀でた瞬発力タイプ。飛節の折りも深い曲飛で、後肢の回転が速いため、瞬間的に速い脚を繰り出すことができる造りだ。牝馬らしい華奢な体型で、スピードの持続力が問われる展開よりも、やや時計が掛かるくらいの競馬が合っている印象。前走、高速決着の府中牝馬Sでは追走に苦労したが、エリザベス女王杯はペースが緩みやすく、純粋に距離も延びるため、スタートさえ決めればある程度の位置で流れに乗れるはず。3歳時には416キロで出走したことがあるように、昨年は成長途上の印象が強かったが、前走は自己最高体重の440キロを計測。プラス10キロでもパドックを見る限り決して太いとは感じなかったので、成長期を迎えていると見て良いはずだ。エリザベス女王杯は瞬発力に優れた馬と、成長を示している4歳馬が強いレースだけに、レース適性はかなり高い。一発に期待。
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