インティ

19年2/17(日)1回東京8日目11R 第36回 フェブラリーS(G1)(ダ1600m)

  • インティ
  • (牡5、栗東・野中厩舎)
  • 父:ケイムホーム
  • 母:キティ
  • 母父:Northern Afleet

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逃げていながら最速で上がる、それがインティの強さ。さすがに今回は最速とは行かなかったが、ゴールドドリームの猛追をクビ差退けてのG1制覇。外連味のない逃げで力を思う存分に出し切った。3着には4馬身もの差をつけた完全なるマッチレース。この3年の勝者達を尻目に快勝と、ニュースターの誕生である。

TVで見ているかぎり、インティは落ち着いてドッシリとしていたが、武豊騎手のコメントを読むと返し馬で止まらなかったと書いてあった。馬場に出てテンションが上がったのだろうか。ここらが現場にいないと判らないところだ。少なくとも、TVの前で馬券検討をしている多くのファンにはインティの出来は素晴らしく映った。

その前に馬体重発表で大幅増減に驚く。だが専門紙の柱を読み返すと、ゴールドドリームは休み明けは馬体を減らして来る時がある様で、2戦目で増加は悪い傾向でないと判る。サンライズソアのマイナスは、この2戦が太かったかと解釈出来る。あまり気にしない方がいいと判断する。後は展開がどうなるのか。激流になるのか、スンナリなのか。そこが蓋を開けないと判らない。

ゲート入りが終わろうという時に、ノンコノユメが枠内で立ち上がる。最後のオメガパフュームが入って開く瞬間に、また上へと動いてしまった。大きくジャンプする様な発馬で立ち遅れてしまった。
外のサンライズソアが押して前へと出て行く。ダートへ入るまでにインティがスーッと追いついて先手を取って行く。内のサクセスエナジーが3番手で収まる。モーニン、ワンダーリーデルと続く。最初の1Fを12.4で入ったインティ。今日は引きつけての逃げである。最後方はノンコノユメ。前にコパノキッキングがいたが、2Fを過ぎたあたりでは交わして前へと上がっていく。

ゴールドドリームは、ちょうど真ん中あたり。すぐ前のインにユラノトがいる。インティが3Fを通過する時に、ノンコノユメはゴールドドリームのすぐ後ろまで上がっていた。コパノキッキングは相変わらず最後方だが、先頭からそう差はない。それだけ流れがゆったりと言うこと。2番手、サンライズソアに1馬身のリードでインティは淡々と逃げる。そしてカーブへと入って行く。

カーブを廻るところにラスト600のハロン棒がある。カーブを小さく廻ったインティ。そこからラスト400までの間を11.6と、鞍上が大きなサインを出したわけでもないのに加速していく。ラスト400を過ぎてだいぶ後続との差が開き加減となったが、ただ1頭だけ勢いの違う馬がいる。ゴールドドリームが、4角で内目から馬群の外へスンナリと出して追い出して来た。

ラスト200のハロン棒を前に、武豊騎手がゴーサイン。ステッキを左に持ち替えて追い出す。ゴールまで計4発入っただろうか。かなりあったリードを確実に詰めて行くルメール騎手とゴールドドリーム。ゴールが近づくほどに右ステッキの打ち方が速さを増していく。だがその前を行くインティの脚色も衰えないまま、ゴール板を先に通過していた。

モーニンがジワジワと伸びて行くが、内を突いたユラノトが先んじてのゴール。コパノキッキングも大外を詰めて来たが、モーニンを交わすまでには至らずの5着。オメガパフュームは直線入り口ではゴールドドリームの外にいたが、伸びずじまい。サンライズソアが6着で、サンライズノヴァも流れこんだ7着で終わった。
PV映像でインティが直線のラスト300ぐらいで一度、内へ凭れたかの動きを見せた。武豊騎手が、左ステッキを入れて少しずつ馬場の真ん中へと導いているのが見える。手前を替えなかったとも記事で見た。内へ凭れ気味になったのを矯正したのかも知れない。今度聞いてみよう。

火曜朝、坂路監視小屋に久ぶりに音無師が姿を見せた。フェブラリーSでの現場復帰をしたそうだ。『俺がいない方が勝てる』と自虐だったが、サンライノヴァには『パサパサ馬場にやられっぱなしだよ。それにあの流れ、サンライズソアがあのスタートを切ったら行けばいいのに、流れが落ち着いちゃったよ~』と。ま、そこらをも含めてが全てが競馬だと言うのは良く判っている人達。自分の馬が動けていないのが情けないのが事実だ。

インティの凄いのは一介の逃げ馬でないところ。今回も3Fから11.6~11.4とスピード、切れを上げるところだ。そして、これに迫るゴールドドリームも凄い馬だと良く判る。次の標的は、関東にいるもう1段階上の馬。それを負かしてこそ真の王者と言えるのだろう。その日まで待とう。