ヴェンジェンス

19年11/3(日)5回京都2日目11R 第9回 みやこS(G3)(ダ1800m)

  • ヴェンジェンス
  • (牡6、栗東・大根田厩舎)
  • 父:カジノドライヴ
  • 母:スペシャルクイン
  • 母父:スペシャルウィーク

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スマハマ、リアンヴェルテの2頭にインティも一旦は加わった先行争い。みるみる後ろとの差が広がる。こうなると引くに引けないのが競馬。インティは下げるも激流は続く。3角過ぎから中団も急接近。4角ではゴチャつく大混雑。不利も受けたインティが下がる。外から長い脚であがって来ていたヴェンジェンス。一気に先頭に踊り出て、急追するキングズガードを半馬身残しての重賞制覇。この2戦で距離も延長しての頂点。してやったりの結果だった・・。

インティの59キロ。そして大外を引いた。そこから先手はないだろうと見ていた。リアンヴェリテが出て先頭。だがスマハマも内から脚を伸ばして先頭を奪うかの勢い。インティが加わってきたが、最初のカーブが来て前に出れず。この3頭で1コーナー、2コーナーと廻る。外のインティが下げた時にはほぼ800mを過ぎていた。その間、11秒台を3回も刻んていた。3頭の後ろのアドマイヤビクターとは4、5馬身も開いた。そのアドマイヤビクターは内から外へと出して前を追う。その後ろの8頭がひと塊となる。

スマハマが先頭を取り切り、リアンヴェリテが半馬身差で3コーナーへと入って行く。インティは下げて、アドマイヤビクターと同じぐらいの移置。前はまたリアンヴェリテが差を詰めてスマハマの前へと出る勢い。2列目も猛追している。アナザートゥルス、ワイドファラオ、そしてインティ、アドマイヤビクターと4頭が並び加減で続く。さらに後ろのウェスタールンドも急接近だ。

後方から長い脚を使ってヴェンジェンスも外から姿を現してきた。4コーナーへ入るカーブでは先行の2頭と後続がさらに急接近。真ん中からウェスタールンドがインティを弾き飛ばすように前へと出て行く。インティは行き場を無くす。その下がるアオリで落馬まで起きた。スミヨンの荒い競馬である。そのゴチャつく外をヴェンジェンスは一気に抜き去って先頭に出て行く。勢いはよかったが、長い脚を使っていたためにゴール前ではだいぶ脚もあがり気味に。何とかキングズガードの猛追を半馬身残しての勝利であった。

何とも後味の悪い競馬であった。さすがに前半1000mの59秒フラットは、相当速い入りである。1400も1.23.9と、勝ち時計にも近いものだ。その流れは先行馬が造ったものだから仕方がないとは思う。だが4角での前へ進出する動きであまりに強引な入り方であり、他馬を弾き飛ばしていく動きはフェアプレイではない。大事故にも繋がる可能性大である。あの力のぶつかり合いのラグビーでのフェアプレイの精神を見習って欲しい。競馬は格闘技ではない。キングオブスポーツなのだ、と。

ヴェンジェンスは元々、渋いタイプの馬である。最近は後ろからの競馬が板について内容もグンと良くなってきていた。この2戦はついに距離も1800まで伸ばして、そして最高の結果をも出した。ヴェンジェンスと言う名前の由来を調べると『敵討ち』とある。何に対してなのだろうか。今度、大根田師にその意味を聞いてみたいものでもある。