G1馬のキセキがG2へ57キロで出られる。56キロにG1馬は2キロ増しだが、令和1年からのもので、それ以前のG1勝ち馬は1キロ増とある。そう、キセキは3年前の菊花賞以来、勝ち星から遠ざかっている。G1挑戦が菊花賞制覇の後に9戦。2着が3回も数え、一昨年のJCではアーモンドアイの2着。それもレコードを大幅に短縮しての決着。

強すぎる面々と戦ってきていれば、勝利に恵まれてないのも当然。振り返れば菊花賞の後の3戦の香港ヴァーズ、年を明けての日経賞、そして宝塚記念はいろいろなものが重なっての敗戦と思える。

キセキの戦法はやはり先手。自分でペースを造っていくのが理想だろう。心身ともにリラックスされた今回は本来の競馬が出来得るはず。久々に美酒を味わい尽くせることかと思える。

注目は昇り調子のボスジラ。マウントロブソン、ポポカテペトルと兄馬はまだ重賞勝ちがないが、妹のミヤマザクラは重賞ウイナーで桜花賞の有力候補でもある。


サートゥルナーリア
【金鯱賞の回顧】

20年3/15(日)1回中京6日目11R 第56回 金鯱賞(G2)(芝2000m)
  • サートゥルナーリア
  • (牡4、栗東・角居厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:シーザリオ
  • 母父:スペシャルウィーク

金鯱賞(G2)の結果・払戻金はコチラ⇒

前日は中山では雪まで降る大荒れの天気で、中京競馬も芝は重発表だった。雨こそ降らない予報の日曜だが、58キロを背負うサートゥルナーリアには芝がどこまで乾くかが一番の懸念材料であっただろう…。しかし当日レースは稍重から始まったが、9Rで良となった。それまでのレースを観ていても内を開けないコース取りでの決着が続いていて、最悪のシナリオは消えた。

1.3倍の圧倒的支持を受けてのゲートイン。スムーズに出られて絶好のポジションを取っていけた。対照的なのが、2番人気のロードマイウェイ。ゲートをよれる様に出て、直ぐに挟まれる不利まで受ける。思いもしない位置取りになった。

ダイワキャクギニーがここも先手を主張。押して押して先頭へとなるまでは急がせたが、外から来たマイネルファンロンの勢いがそれほどでないのを確認してジワっとペースダウン。3F目と4F目は13秒台を刻むほどにスローダウン。前半1000を63.6と落とす。2番手マイネルファンロンで2馬身、その後ろへサトノソルタスが押し上げて追走する。ラスト800からペースアップ。11秒台と早めるが、そこでマイネルファンロンが間隔を詰めていき、サトノソルタスも間を詰める。

4角を廻って直線へと来たが、ダイワキャクギニーと後続組の差はそうない。ラスト400を過ぎ、300の赤い棒を機に追い出したダイワキャクギニー。外のサトノソルタスが並ぼうかという瞬間に、さらに外をサートゥルナーリアがあっと言う間に通過していく。それも鞍上のルメールのステッキは右手に持ったまま。ただただ手綱を押すだけでゴールへ向かう。ルメールはチラっと後ろを見るほどの余裕。

2着にはそのままサトノソルタスで、3着争いもダイワキャクギニーが粘った。ロードマイウエィは課題のゲートが出てしまった。それにしても、伸びが案外だった。

何と言っても、サートゥルナーリア。ここでは貫禄も違うが、距離が2000はピッタリ。左廻りは全く問題なし。適距離なら大きな仕事をするはず。