関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

菅沼輝正調教助手

菅沼輝正調教助手×高橋摩衣


高:キンシャサノキセキについて、菅沼調教助手に伺います。菅沼さんよろしくお願いします。

菅:よろしくお願いします。

高:前走のオーシャンステークスは素晴らしかったですね。レースを振り返っていただけますか?

菅:「斤量58キロでは勝った馬がいない」とテレビで言っていたし、しかも雨で力のいる馬場だったから心配していましたけど、それを克服出来たわけですから、やっぱり力が付いているんでしょう。ジョッキーが長手綱で乗れていたし、折り合いも良かったですよね。だから最後もしっかり伸びたんでしょうね。

高:レース後の様子はいかがですか?

菅:今はようやく本格化してきて、オーシャンステークスの後はダメージも無くて、凄く元気でしたよ。今まではレースの後に疲れが残ったのでコズミが出たり、体が硬くなったりしてガタッとくるところがあったんですよ。やっぱり南半球産で、他の馬より半年遅く生まれたので、弱さがあったのかもしれませんね。でも、そういうのが解消されて来ましたから。それだけ成長したんでしょうね。

高:着実に力を付けて。

菅:そうですね。この前の阪神カップでは大出遅れをしたのに終いだけでビュッと来ましたから、ビックリしましたよ。短距離であれだけ出遅れるとなかなか差し切れないですけどね。仕掛けが早いかなと思いましたけど、そこから我慢してくれましたから。やっぱり力は付けていると思いますよ。

高:位置取りもどこからでもいけますよね。

菅:競馬に行って引っかかるところが無くなってきましたから、それが収穫ですね。馬自身大人になったところもあるんじゃないですか。元々能力はある馬なんですけど、なかなか力が出せなかったというか上手くマッチしなかったんでしょうね。この馬は調教をやり過ぎるとダメなんです。それがようやく分かってきました。気が良い馬なので、走りすぎて時計が出すぎてしまうんですよ。

高:なるほど。

菅:こちらは勝ちたいし、どうしても強い稽古をやらないと不安になっちゃうじゃないですか。「7~8分の仕上げじゃ勝てない」と思うから、ある程度攻めていたんですけどやり過ぎになっていたのかもしれませんね。今では年齢とズルさが上手くマッチして来て、ちょうど良い調教が出来るようになったと思います。

高:上手く調整が出来るようになって来たんですね。普段の調教では乗りやすいですか?

菅:まだ普段の調教では難しいところもありますよ。ズルさがあるので、こちらが気を抜くと止まってみたり悪さをします。それだけ余裕があるのか人を見ているのか分かりませんけど(笑)。

高:割りとイタズラをするんですね(笑)。

菅:普段はヤンチャですよ。調教で乗る時に噛み付いてきますし(笑)。

高:えー!未だに噛み付いて来るんですか?

菅:はい。何回も噛み付かれていますよ(笑)。イタズラっ子ですから。阪神カップの時は、返し馬でデムーロ騎手を落とそうとイタズラをしていました。落ちないなと思ってからは諦めて走っていきましたけど(笑)。

高:デムーロ騎手、さすがですね(笑)。



菅:結構暴れていましたからね。戻って来てすぐに、デムーロ騎手がキンシャサの事を「クレイジーだ」って言っていました(笑)。

高:それでも勝ってしまうんですから凄いですよね。菅沼さんからご覧になって、キンシャサノキセキの良さはどんなところになりますか?

菅:普段はオトボケだけど、競馬では走るんですよね。そこが良いところだと思います(笑)。

高:アハハ(笑)。

菅:オトボケ屋さんだから(笑)。普段はあまり仕事をしたがらないけど、競馬でやってくれるからいいかなと(笑)。

高:確かに結果は残していますもんね(笑)。ちなみに菅沼さんがキンシャサノキセキの好不調を見極めるポイントはありますか?

菅:そうですね。やっぱり体調の良い時は悪さをしたり、運動中に暴れたり、ヤンチャをしたりしますね。あとパドックでも元気良くグッグッと人間を引っ張るような時は調子が良いみたいですよ。

高:それは分かりやすいですね(笑)。

菅:ねえ、分かりやすいですよね(笑)。下見所で大人しい時は、どちらかというと結果が出ていないように思います。調子の良い時には、本当に引っ張る力がハンパじゃないですから(笑)。こっちは54kgぐらいしかないから簡単に引っ張られちゃって(笑)。

高:体も大きくて力も強そうですもんね(笑)。前走では500キロを超えていますね。

菅:最近は筋肉の付き方も良くなりましたね。体重は一緒でも体のハリがあるように見えます、僕らが見ると。トモの感じもすごく良いです。調教もしっかりとこなしていますから、前走から体重が増えても大丈夫だと思います。

高:順調に調教をこなしているんですね。内容はいかがですか?

菅:木曜日にポリトラックで68~70秒くらいのところをやって、当週に半マイルくらいサーッとやって調子を見る感じになると思います。それでいけると思いますよ。

高:なるほど。

菅:具合が今ひとつの時は素直で大人しいんですけど、今は具合が良いので引っかかりますからね。でもそのぐらいグワーッと行くぐらいでないとね。乗る方は大変だけど(笑)。馬力があるから力は要るし、悩まされますけど頑張らなきゃ。それしかないです(笑)。

高:短距離実績も十分で、本番が楽しみですね。

菅:もう短いところでは大したものですね。

高:それでは最後に高松宮記念に向けて抱負をお願いします。

菅:今は体調も良さそうですし、調教で持っていかれないように一生懸命引っ張って(笑)、しっかりと仕上げます。雰囲気もいいし楽しみにしていますので応援よろしくお願いします。




【菅沼 輝正】 Suganuma Terumasa

1979年から2002年までジョッキーとして活躍。
引退後は調教助手に転身し、現在は美浦・堀厩舎でキンシャサノキセキをはじめとする所属馬の調教を担当する。



高橋摩衣

生年月日・1982年5月28日
星座・ふたご座 出身地・東京 血液型・O型
趣味・ダンス ぬいぐるみ集め 貯金
特技・ダンス 料理 書道(二段)
好きな馬券の種類・応援馬券(単勝+複勝)


■出演番組
「Hometown 板橋」「四季食彩」(ジェイコム東京・テレビ) レギュラー
「オフ娘!」(ジェイコム千葉)レギュラー
「金曜かわら版」(千葉テレビ)レギュラー
「BOOMER Do!」(J SPORTS)レギュラー
「さんまのスーパーからくりTV」レギュラーアシスタント


2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。