シュヴァルグラン陣営インタビュー(3P)はコチラ⇒

“帰り道”がいつもと違う!グランプリ制覇への秘策?

-:1年を通じてコンディションの良い馬ですよね。

大:いや……、コンディション管理は苦労していますよ。

-:それはどのあたりが苦労する馬なのですか?

津:苦労していると大げさかもしれませんが、基本は食欲がある馬です。食べない馬だったら困るけど、シッカリ食べてくれるので、逆に食べ過ぎるというところではありますね。

大:昔から食欲はありますね。

津:だから、あの馬の食欲が落ちたら、完璧に調子が悪いですね。その点で言えば、分かりやすいと言えば分かりやすい。

-:そういう時もあったのですか?

津:ありましたね。3歳時、北海道を使う前は良くなかったですね。

-:今回は安心して送り出せるということですね。

津:そうですね。

大:シッカリ動かさないといけないから、本当に乗っていて腰が痛いです(笑)。

津:人間がちゃんと動かすという意志を伝えておかないと、賢いからすぐにサボるんですよね。

大:本当に頭が良いんですよ。

津:コイツ気を抜いているなと思ったら、すぐにサボるんで。

シュヴァルグラン

-:語弊がありますが、乗り手の「サボり」が伝わっちゃうわけですね(笑)。

大:すぐに伝わりますね(笑)。だから、本当に乗り手を見る馬というか、逆にしっかり伝えておけば、馬が意志を持ってしっかり調教するので、馬が良くなってきますよ。やっぱり調教の方法も工夫していますけど、どういう精神状態でレースに臨むかという部分をすごく大事にしているので。例えばキャンターに行くんだったら、行くんだぞ、という意識をしっかり伝えて、馬にそれを実行させます。そういうメンタルで調教に臨むということはすごく大事にしている部分ですね。

-:調教が終わった後、地下から上がってきますよね。普段はそのまま厩舎の方に行っていたかと思うのですが、今日は違う方から大回りして帰られました。何かやりたいことがあったのですか?

大:次の鞍が単純になかったので、厩舎周りを回るよりも大きく回って帰ろうかなというところですね。

-:みんなシュヴァルグラン探しに行っていましたね。

大:厩舎に行くもんだと思って、みんな探していましたよね。

-:厩舎の周りで写真が撮れるだろうと思ったら、アレッとなりました。何か有馬記念に向けた秘策があそこにあるのかなと思って。

大:よく見ていますよね。

-:ただ、時間があったから大回りして帰ったということだけだったのですね。

大:そうですね。

津:普段、山(坂路)だったら、逍遥馬道があるので。

大:そうそう。いつもは最後の鞍で乗って、逍遥馬道を往復したりして、どうしても身になって太りやすいので、少し負荷を掛けているんです。

シュヴァルグラン

-:単純に90秒くらいの追い切りの負荷だけじゃなくて、ウォーキングも含めての調教ですね。

大:そうですね。

津:馬場から上がってくると早いから、厩舎の周りをずっと回っておかないといけないからね。

大:回っていると馬も飽きて、人も飽きちゃうので。

-:良いリフレッシュになったでしょうね。具合の良いことは十分に分かったのと、自分の見る目のなさも十分に分かったので……(笑)。

大:走り方にだまされるかもしれないですね。

津:デビュー戦を観た時に、これは完璧な芝馬だなとすぐに分かったから。

-:それはどのへんで分かりましたか?

津:いや、感覚的なものですね。だから、デビュー前から攻め馬なんて全然動かなかったですけど、芝での走りが全然違ったので、これは完璧な芝馬だなと。

大:乗っていても軽いし、ダートの選択肢は一切ないですね。

「人間がちゃんと動かすという意志を伝えておかないと、賢いからすぐにサボるんですよね。僕が心配したのは、頭が良すぎて、競馬を走らない方向になったらどうしようかなと。それはないですよね」


-:そういう性格的にちょっとズルいところがあるというのも、距離に対応できる大事な要素ですかね。

津:ズルいというか、頭が良いんですよね。悪い意味でのズルさって、こっちが気を付けていればゼロですよ。サボろうとするわけでもないし、頑張れと言ったら頑張るし、僕が心配したのは、頭が良すぎて、競馬を走らない方向になったらどうしようかなと。それはないですよね。

-:それがないのはなぜなんですかね。動物って単純でストレートなものだから、なるべく止めておこうかという方に行きそうなものだけど、競馬であそこまで燃えられるというのはすごいですよね。

大:僕が気を付けているのは、そういうメンタルで調教に向かうということも大事なのですが、馬が頑張っている時は、あえて「頑張れ、頑張れ」としないで、“できているんだからそれで良いんだよ”と。やっぱり馬も人もメンタル的に大変だから、馬も自分で頑張っている時はそれで良いんだよと言って、僕は何もしないというか、そこに付いていくというところですかね。フレッシュ感はすごく大事にしていますよね。

津:走りたい気持ちに持っていっておかないとダメだよね。馬が嫌々になっちゃうと……。

大:やらせているんじゃなくて、馬がその気になるように仕向けていって、その気になっているところでキープしてというか、フレッシュ感はすごく大事にしていますね。

天皇賞(春)は「レコードタイムを狙って調教」
シュヴァルグラン陣営インタビュー(5P)はコチラ⇒