ローレルゲレイロでスプリンターズS連覇を誓う!
2010/9/26(日)
上籠三男調教助手
朝日杯FS・NHKマイルCで2着。過去の鬱憤を晴らすかのように、昨年は春秋スプリントGⅠを制覇。最優秀短距離馬にも選出されたローレルゲレイロ。今春はフェブラリーSでダートに挑戦し、ドバイにも遠征と新たな可能性を模索した。
この夏には種牡馬入り、スプリンターズSで国内ラストランとのプランも報じられたが、中間も栗東坂路でトレードマークでもある1番時計を連発。秋の電撃王連覇に向けて、虎視眈々と牙を研いでいる-。
ディフェンディングチャンピオンが捲土重来を期す
-:まずは前走のキーンランドCを振り返っての感想をお願いします。
上:ドバイから帰ってきて5カ月ぶりだったのでゲートから出ませんでしたね。結果的に(調教でゲートから)一本乗っておけば違ったのかもしれませんけれど…。でも、輸送で減った体も戻っていたし、使った事でゲレイロの気持ちが乗ってきたから悲観はしていません。
-:この夏は札幌でも調整をされたようですが、これだけ調教を走る馬ですと、コースで追い切るのに不安はありませんでしたか?
上:今年は札幌も地盤が軟らかかったのか、故障する馬も少なかったですからね。それに、昨年は夏バテなのかゴトゴトで帰ってきた事に比べれば、今年は全く問題ありませんでしたよ。
-:その後、札幌から栗東に帰厩した現状はどうでしょうか?
上:輸送もうまくいって体が良くなってきました。首から肩にかけての筋肉が絶好調だった昨年の高松宮記念の頃に近付いています。札幌で乗っていた時より、体に幅が出て良くなってきましたよ。
-:昨年のスプリンターSでは、6番人気という低評価の中、ビービーガルダンを鼻差しのいでの勝利でしたが、その当時と比べてどうでしょう?
上:昨年は正直、自信なかったのだけれど勝ちましたからねぇ(笑)。あの時より確実に良い状態である事は間違いないです。
『一生こんな馬には会えないのではないかと思いますね』
-:改めて、ローレルゲレイロはパドックでの好気配のサインなどはありますか?
上:どうでしょう。普通に頭を下げて回っているだけですからねぇ。パドックでは下を向いていて、馬場でジョッキーが跨ったら、走りたがる仕草をみせて「行かせろ」っていうタイプです。
-:クッションの効いた洋芝と硬い馬場はどちらに適性がありますか?
上:やっぱり、硬い馬場じゃないでしょうか。
-:先日のセントウルSで香港のグリーンバーディーが凄い脚で追い込んできましたが、ご覧になりましたか?
上:凄かったですね(笑)。59キロを背負ってアノ脚だから怖い一頭だけど、こっちはゲレイロを良い状態で仕上げるしかないから気にしません。特に相手は意識せずにいつも通りの競馬をしてくれたら自ずと結果は付いてくるでしょう。最終的には馬のやる気が大事になってくるのですが、フットワークにも素軽さは出てきていますからね。
-:やはり、歳を重ねてズブくなってきたところはあるのでしょうか?
上:ズブくなったと言われるけれど、周りも速いですからね。もしかしたら、また(藤田)伸二は行き切るかもしれませんよ。行き切った方が粘りも出るし。出脚が悪かろうが、行って我慢することはありますからね。
-:ということも、2着続きの結果が続いた時期も、もし行き切っていれば勝っていた可能性があったと。
上:勝っていたかもしれません。最初(デビュー戦)はぶっちぎって勝ったけれど、2戦目以降はマイルまで距離を延ばして「折り合い」というテーマがありましたからね。自分は折り合いに関しては、そんなに気にはしていませんでしたけれど。行けって言った時にガツンと来る馬で、普段から行きたがる馬ではなかったので…。
それを変えたのは伸二でしたね。「番手の競馬をやめようか?行けるんだから行かしたらエエやん」と。それで阪神カップ(07年12月)も4着で「行った方がいいな」となって。あれがキッカケだったんでしょうね。5歳の時も「どこまで成長するのかな?」という感じでしたし、これだけ長期間でステップアップしていく馬なんて見たことないですよ。毎年「コイツ変わってきているな」って思えるんですからね。ある程度ポンと上がれば、そこからは平行線の場合が多いですから。一生こんな馬には会えないんじゃないかと思いますね。
-:そんな思い入れのあるローレルゲレイロも、予定では今回のスプリンターズSで国内最終戦となります。
上:今のところ何の不安もありませんし、後は内目の枠さえ当たれば最高じゃないでしょうか。とにかくGⅠ馬として恥ずかしくない状態に仕上げますので、ファンの皆さんも楽しみにしていてください。
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