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橋本篤典調教助手

橋本篤典調教助手


-:マイルチャンピオンシップに出走を予定しているキンシャサノキセキについて、堀厩舎の橋本篤典助手に伺います。よろしくお願いします。

橋:よろしくお願いします。

-:まずは前走のスプリンターズステークスについてお聞きしたいのですが、レースを振り返っていただけますか?

橋:セントウルステークスを回避しての出走になりましたが、仕上がりは良かったと思います。レース内容としましては、外枠で出遅れてしまって押し上げる形になって、少し引っ掛かり気味で外を回っての競馬になりました。G1レースとしては流れも遅かったですし、もっと流れてくれていれば違っていたのかも知れませんね。直線を向くときには勢い良く上がってきたように見えましたけど、坂を上がってからはアップアップになってしまったかな、という感じでした。

-:ウルトラファンタジーと4位降着になったダッシャーゴーゴーに次いでのゴールとなりました。

橋:逃げたウルトラファンタジーには上手く乗られてしまいましたね。多くの馬が馬場の外側に殺到して、内がポッカリ空いたこともあって、そこから伸びてきたダッシャーゴーゴーにも先着は許しましたけど、キンシャサノキセキの力は出せたのではないか、と思っています。流れ、展開に左右されるのが競馬なので、それは仕方ないですけど、馬は力を出し切って頑張ってくれたと思っています。

-:レース後の状態はいかがでしたか?

橋:大きな疲れは見られませんでした。そのまま山元トレセンに約1ヶ月放牧に出して、戻って来てからも馬は相変わらず元気一杯です。

-:昨年はスプリンターズステークス出走後、スワンステークス、阪神カップと進みましたが今年はマイルチャンピオンシップに向かうことになりましたね。

橋:いろんな選択肢がありましたけれども、今年G1を勝ったことによって、斤量の問題もあって使うレースは限られてしまうんですよね。香港スプリント、阪神カップもありますけど、それらのレースだと間隔が開いてしまうので、レース間隔がちょうど良くて斤量の問題もなく使えるレースというところで、マイルチャンピオンシップに向かうことになったようです。

-:マイル戦は07年の金杯以来ですね。過去にマイル戦でも勝ち星をあげていらっしゃいますが、距離に関してはどのようにお考えですか?

橋:まあ、最近は1200を中心に使っているので、何とも言えないところはありますけど、折り合い面に対する不安はもちろんあります。ファンやマスコミの方にとっても、その点が一番の注目点になることは承知しています。

-:課題は折り合い面ということで。

橋:そうですね。だから今週の1週前追い切りもここ最近とは少し違う形にしました。



-:どういう形なんですか?

橋:ここのところは、馬なりで追い切ってレースで走る気を出させる、という調教を続けていましたけど、今回は宗像ジョッキーに乗ってもらって、直線も追って速い時計を出すという形で調教を行いました。

-:何故そういう形にされたんですか?

橋:レースに向けてフラストレーションを残さずに、競馬も気分良く走って欲しいという意味と、放牧先で速いところをやらなかったので、仕上がりに関しても強めの負荷をかける必要があったという事で、速い時計を出す形にしました。

-:調教で騎乗された宗像騎手とはどのようなお話をされましたか?

橋:宗像ジョッキーからは「3Fまでは少しペースが速くなってしまったけれども、それでも速く感じないところは、さすがの動きでした」という内容の話がありました。

-:さすがG1馬と。来週の予定が決まっていらっしゃるようでしたら教えてください。

橋:来週は、レースでも騎乗してもらうライアン・ムーア騎手に乗ってもらって、併せ馬で折り合い面に関して確かめてもらう予定です。ここまで順調に調教は進んでいますよ。

-:何よりですね。京都での実績もありますし、輸送に関してはもう心配がないのかな、と思いますが、いかがですか?

橋:そうですね。京都では結果も残していますから、後は輸送に関しても、普段通りのことが出来れば良いと思っています。

-:分かりました。それではレースへ向けての意気込みをお聞かせください。

橋:久々のマイル戦で不安もありますけど、折り合い面に関しては、一時期ほどは酷く引っ掛からないのではないかな、という気はしていますので、楽しみの方が大きいです。

今回はメンバー的に、どの馬にもチャンスがある組合せだと思いますし、凄くチャンスが大きいと思っています。ただ、キンシャサノキセキに関しては、相手がどうこうというよりも、折り合い面などの「自分との戦い」という感じですから、上手く競馬が出来れば、自ずと結果がついてくるのではないかと思っています。


-:応援しています。今日はお忙しいところ、ありがとうございました。




【橋本 篤典】 Hashimoto Atsunori

マイルCSに出走するキンシャサノキセキ、ジャガーメイル、アリゼオ、クォークスターをはじめとする数々のオープン馬を輩出している堀厩舎で調教助手として活躍し、厩舎の躍進を支える。