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佐合弘基調教助手


カペラS、根岸Sと重賞を連勝した後、初めて臨んだGIフェブラリーSでは少々ムキになって走ったことや、距離延長も影響して14着。しかしその後トップハンデ(59キロ)を背負ったコーラルSを快勝。改めて力のあることを実証し、地方重賞のかきつばた記念でも余裕を感じさせる勝利。群雄割拠のダート短距離路線で抜群の安定感を誇るセイクリムズン担当の佐合弘基調教助手にお話を伺いました。

-:前走は3ヶ月の休み明けでした。

佐:かきつばた記念を勝った後、さきたま杯も視野に入れていたけれど暑さを考えて回避して放牧に。8月10日に帰ってきて東京盃に向けて調整したけれど、結構、調教量は積んでいて、追い切りの本数も内容も十分だったね。

-:東京盃、当日はどんな様子でしたか?

佐:元々、輸送には動じないし、問題ない。向こうに着いても大人しくて落ち着いていた。大井競馬場も初めてだったけれど大丈夫だったし、ナイター照明にも反応していなかったよ。

-:当日の馬体重が508キロ。12キロ減でした。

佐:マイナス12キロと聞いて「えっ?!」と思ったね。普段からあまり馬体重を測ることはしないけれど、見た感じ馬体に変わりはないだけに意外だった。でもしっかり乗り込めていたので心配はないかなと。

-:508キロは重賞を連勝した時の体重と同じですよね。

佐:500キロ前後がベスト体重。最高体重だった(520キロ)コーラルSとかきつばた記念の時は馬の具合がとても良かったから。

-:レースは5、6番手から進め、結果は4着でした。

佐:休み明けだったので、終いが少し伸びきれなかった。この馬は使いつつよくなるタイプだからね。ポジションは楽にスッと行けるならもう少し前でもいいと思うよ。



-:それにしても相変わらず食いっぷりはいいですね。

佐:本当にいつもガッツガッツ食べている。食が落ちることはないよ。この食欲が走る源だから。

-:馬房の中でも無口頭絡を着けているのはどうしてなんですか?

佐:入厩したばかりの2歳の頃は大人しくて、やりやすい仔だったのに、どんどん色々な事が分かってきて、なかなか捕まえられなくなったので。この馬は賢いよ。賢いというかズル賢いんだよ(笑)。

-:確かに競馬の時はもちろんですが、普段からちゃんと理解して何かわきまえているような感じがします。

佐:スイッチの切り替えがしっかりして出来ていて、運動中は普通なのにキャンターにおろした瞬間に突然スイッチが入る。走る時は走る。食べる時は食べる。休む時は休む。余計なところで力を使わないから無駄がない。

-:そんなセイクリムズンの一番の魅力といえば?

佐:パワー!!レースに向けての調整も結構ハードで、本数や量も多いけれど、びっしりと追うけれどへこたれない。タフだね。しっかり食べてしっかり休んでいるからこそ出来ること。

-:成績を振り返ると27戦中21戦がダートですが常に安定した好成績ですね。

佐:最初は芝だったけれど幸騎手から「ダートが合う」ということでダートに替わると、いきなり未勝利と500万を連勝。その後また芝も使ったけれど、改めて、ダートが合うなと思ったね。3歳で1000万1600万と再び連勝して4歳からオープンクラス入り。GIのフェブラリーS以外は着外なしの10勝。たいしたもんやね。

-:以前はメンコを着けていましたよね?

佐:昨年のコーラルS(3着)の時に岩田騎手に乗ってもらったんだけど、レース後「メンコを取った方が爆発する」と言われて、次の栗東Sで外してみたら、中団からレースを進めて、最後の直線は凄い脚で伸びて勝ったからね。当日もイレ込むことなく落ち着いていた。精神面の成長も大きな要因。



-:次走のJBCスプリント舞台は大井競馬場1200m。セイクリムズンは1200mが3勝。7勝している1400mの方がやっぱり合っているのでしょうか?

佐:1200mも1400mも変わりないよ。

-:では枠順とか、希望や何か気になる点はありますか?

佐:枠順も展開も気にならないね。最後の直線で包まれたりして脚を余すようなレースだけは避けたいな。

-:好メンバーが揃いそうですよ。

佐:今まで何度か手合わせした相手だから力関係も良く分かっている。

-:最後にJBCスプリントに向けて抱負をお願いします。

佐:休み明けの前走を叩いて上積みもあるし、状態面はいい意味で前走の時と平行線。心身ともに充実期。セイクリムズンらしいパワーのある走りをしてもらいたいね。




【佐合 弘基】Hiroki Sago

1971年12月31日京都生まれ。
競馬学校卒業後、吉永猛厩舎、中竹厩舎を経て服部厩舎へ。
重賞(地方含む)3勝しているセイクリムズンのほか、気性が激しく一筋縄ではいかないニホンピロキースを担当し重賞レースで好成績に導くなど腕利きの調教助手。 競馬でも厩舎でも常に平常心。程良い加減とマイペースが持ち味の職人タイプ。