関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

松山弘平騎手

松山弘平騎手


デビューイヤーに36勝をマークし、‘09JRA賞(最多勝利新人騎手)を受賞した松山弘平騎手。順風満帆な騎手生活を歩み始めたものの、2年目、3年目と勝ち鞍が減少。ベテランとの力量差、続々とデビューする後輩達の勢いに押され始めていだが、キャリア4年目を迎えた今年は年明けから勝ち鞍を伸ばし、記念すべきJRA通算100勝も達成。徐々に新人の頃の輝きを取り戻しつつある。周囲に愛されるキャラクターを残しつつも、一騎手としてのプライドも芽生え始めてきた、その素顔をオリジナルインタビューで披露してくれた。

-:先日はJRA通算100勝達成おめでとうございます。この度は節目の勝ち星を挙げられたということで、競馬ラボのオリジナルインタビューに登場いただきたいと思いますが、競馬ラボ自体はご存知いただいていたでしょうか?

松:ありがとうございます。ハイ、よく大下先輩や高田先輩のコラムを読んでいて、知っていました。ご本人に応援メッセージを送れるじゃないですか?それで、大下先輩にメッセージを送ったこともあるくらいです(笑)。

-:そうだったんですか?それは気付きませんでした(笑)。では、本題ですが、サイドアタックで100勝を決められたレースを振り返っていただけますか?

松:前のレースにも乗せてもらっていたので、どういう馬かは理解していましたし、ある程度はこういう競馬をしようというイメージも考えていました。レース自体も思っていた通りに進みましたし、上手くいった気がします。

-:ゴールした瞬間は差されているように見えました。勝たれた実感はありましたか?

松:イヤ……、勢いは向こうの方があったので、「負けているかな~」という内心でした。相手が高倉(騎手)だったんですけれど、高倉も自分が勝ったと思っていて、僕も負けたんだと思いました。

-:レース前から、早目に動くことは想定していたのですか?

松:そうですね。いつでも動けるところにいたかったんです。キレる馬じゃなくて、どちらかというとジリジリと長くいい脚を使えるタイプというのはわかっていたので、そういうレースになりました。

-:今年は小倉で順調に勝ち星を重ねていましたが、デビューも小倉という珍しい経歴の持ち主ですよね。

松:そうですね~。あの時は何で小倉だったんだろう?ちょっと覚えていないですが。やっぱり、思い入れの地ではありますよね。

-:漠然とした質問ですが、今年になって小倉で主に勝ち星を伸ばせていますが、その要因はあったりするのですか?

松:う~ん、特に何か変わったという事はないです……。巡り合わせとか、ちょっとした意識を心掛けるだけでも変わってくることもあると思いますけれど。

-:その意識とは。

松:出来るだけコースロスなくレースを進めること、内を回ることは意識をしています。デビューした時から、岩田さん(騎手)とかにも言われていて、それがいざ出来るかといえば、まだまだ出来ていないんですけれど、ちょっとしたチャンスがあった時に“内に行けたら”というのは常に頭にあるので、それが活きてくるんじゃないかと。今年、年明けに京都で2つ勝たせてもらったんですけれど、そういう時は2頭共、内を突いて勝てたので、そういう事が今後も活きてくれればと思います。

-:その京都で勝ったトップオブカハラは乗り難しいタイプじゃないですか?

松:もともと怖がりなところがあって、そういう性格もあって、外を回って3着になるレースが続いていたんです。馬自身も辛抱は必要だったと思いますが、根性をみせてくれたレースでしたね。



-:ファンから観ている分には、内を回ることが有利なことだとわかっていても、どれだけ違うものか、そこまで実感できない部分があると思うんです。やはり、内を回った方がリード出来る部分はあるのですか?

松:けっこう差はあると思いますよ。特に3~4コーナーで内を回るのと、外を回るのでは、直線を向いた時に差は開いてしまうので……。枠とかにもよるでしょうけれど。

-:内を引っ張りきりで回っているのと、外おっつけて回るのでは変わらないと。

松:そうですね。ただ、馬によりますよね。キレる馬だったら、それでいいと思いますけれど、この前のサイドアタックのように内でジッとしていてもダメだと思うので。そういう馬は外を回ってでも、早目に回った方がいいという事もありますし。

-:その辺りは馬の特徴を考えて。

松:ケースバイケースというか。こんな事を言っていますが、僕はまだまだ勉強中の身なので……。

-:いえいえ、では、そもそも騎手になられるキッカケはどんな経緯でしたか?

松:本当に頭が悪くて、勉強ができなかったんです(笑)。勉強自体も嫌いで、お前、「勉強しないんなら、騎手になればいい」と父に言われて……(一同笑い)。で、もともと馬とか動物が好きで、乗馬をやっていたんですよ。もともと騎手を意識するちょっと前に乗馬を先にやっていて、「何か仕事に就くなら、やりがいのある仕事がしたいな」と思ったんです。それもあって、「馬が好きだし騎手になりたい!」と思いました。当時は阪神競馬場の乗馬クラブに通っていたので、乗馬をするにも月400円くらいの費用しか掛かりませんでしたよ。

-:その乗馬自体はいつ頃から始められていたのですか?

松:小学校五年生からでした。週二日、土日に行っていたんです。

-:その乗馬と勉強嫌いがキッカケで騎手になられたと。勉強はどれくらいできなかったんですか?

松:う~ん……、漢字テストで●●点くらいです(笑)。

-:それも凄いですね……(苦笑)。そこから競馬学校に入られて、入られてからの苦労はありましたか?

松:入ってからはあまり感じませんでした。でも、僕、頭が悪かったことで、競馬学校自体を一度落ちているんです。それで塾に通いまして、勉強して受かりました。試験自体は本当に簡単な常識程度なものです。それも出来なくて、落とされたんです!中学生程度なら出来るようなものを。

-:同期で仲がいい騎手は。

松:みんな仲が良かったですよ。今でもみんなでご飯を食べに行ったりしますし。

-:今、他に親交のある方はいますか?

松:大下先輩には一番良くしてもらっています。(高田)潤さんもそうですし、厩舎繋がりで池添さんとか、藤田さん、岩田さんも競馬のことを教えてくれていますね。

-:今ジョッキーとして、周りより自分が長けている、自信がある部分はありますか?

松:う~ん、それが特にないんですよね……。この間の最終レースも勝てるとは思っていなかったですから。



-:じゃあ、人より意識している部分や心掛けているところは。

松:競馬においてはトレーニングをやっています。と言っても、誰でもやっていると思うので、“誰よりも”というわけではないです。木馬に乗ったり、川須(騎手)とか何人かについてもらっているトレーナーの人にみてもらって、筋力トレーニングをしたりしています。

-:やっぱり、下半身中心の筋力トレーニングをされているのですか?

松:上半身、下半身どっちもですが、「下半身が重要なのかな?」と最近は感じるようになってきました。僕なんかは下半身が安定していないので。

-:確かにステッキに入れる時に傾いたりしていますよね?

松:もう必死になり過ぎて、バラバラになっちゃうんです(苦笑)。コレ、見て下さいよ(競馬週刊誌の小倉大賞典の写真を指して)。これなんか、どういう態勢で乗っているんだろうってフォームですよ。どこ向いているかもわからないし、焦っちゃって……。「もしかしたら、勝てるかもしれない!」と思って、これだけ気持ちが前に行ったのは初めてかもしれないです。

-:でも、こういう事をカッコ悪いと思い続けないと、カッコ良くならないんじゃないですか?

松:僕は常に意識しようと思ってはいるので。ただ、木馬とかでは理想のフォームに近づけるんですけれど、実戦では競馬に行ったら勝負ですし、激しくなるので、なかなか思い通りには乗れない部分もあります。

-:最近、手袋を替えた気もしましたが、手袋は手綱の素材によって替えたりされていますか?

松:というよりも、「目立つかな?」ということで替えています。何かちょっとでも目立つように心掛けていて。

-:水色の手袋は工務店で買われたものですよね。

松:そうですね。ワークマンで買えます。ただ、目立つのもありますし、滑らないので使いやすいですよ。

(通りがかった岩田騎手が乱入)

松山弘平騎手インタビュー後半
岩田騎手も登場!?「2012年の目標」などは→

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【松山 弘平】Kouhei Matsuyama

1990年 兵庫県出身。
JRA初騎乗・初勝利
09年3月1日 1回小倉8日1R トミケンプライマリ
JRA通算成績は100勝 (12/02/19現在)


■主な受賞
・2009年 ’09JRA賞


小学校の頃から阪神競馬場の乗馬センターに通い騎手を志す。一度は騎手試験に失敗したが、二度目の挑戦で念願の騎手試験に合格。丸山元気、国分兄弟らと同期として過ごす。 デビューイヤーは36勝をマークしてJRA賞を受賞するも、2年目は30勝、3年目の昨年は26勝と勝ち鞍が減少。今年は巻き返しに意欲を燃やす。 休日の過ごし方は「京都へ買い物に行ったり、リラックスして過ごす事が多いです」と本人談。年齢以上にあどけない雰囲気を残しつつも、本職である競馬では頭角を現しつつある。