大魔神の秘蔵っ子がクラシックの舞台へ!
2012/4/1(日)
安田晋二調教助手(栗東・友道康夫厩舎)
スピード・スタミナ兼備の性能
-:その他に心配なところはないですか?
安:競馬に関しては、心配なことはないですね。あとは、僕がレースまでにちゃんと上手いこと乗っていけるかどうかだけなんで(笑)。極端な枠とかは嫌ですけど……。
-:真ん中辺りでも、阪神の真ん中付近は良さそうに見えて、外から速い馬がいたときに絞られる枠だったりするもので、そこでちょっと引いて位置取りが悪くなったりとかあるので、馬券を買うほうとしても難しいところではあるんですけどね。
安:でも、けっこう、ゲートは速いんですよね。ゲートをポンと出たら、マズマズの位置には居られると思うんで、あとはもうジョッキーの位置取り次第じゃないですか(笑)?
-:あとはもうジョッキーに委ねると。今日の追い切りはジョッキーに乗ってもらったんですよね?
安:今日は内田さんに乗ってもらって。動きは良かったですね。「折り合いもつくし、反応もシッカリ、馬も良かったし問題ない。いいですね!」という話でした。
-:なるほど。時計的にはどんな感じだったですか?
安:時計は、54秒台の、終いが12.9です。ちょっと時計のかかる馬場だったんで。
-:先々週あたりよりは、ちょっと時計が出るようになってきていると。
安:先週併せ馬をして、けっこうビシビシというか、肩ムチはけっこう入れたんですよね、気合いを乗せるために。で、こないだの日曜日に併せ馬して、ハミを自分から取っていったんで、「これなら大丈夫だな」という感じはしましたけれどね。
-:なるほど。
安:やっぱり、そのへんも馬は賢いから分かっています。
-:じゃあ、桜花賞も楽しみですね。
安:そうですね、ハイ。とりあえず、無事に行ければチャンスはあるかなと思います。
-:来週の追い切りっていうのは、どんな感じで考えていますか?
安:来週は“サッと”でいいと思います。そのために、今週、一週間前に内田さんに来てもらって、しっかりやってもらおうってことなんで。来週は体と飼葉と相談しながら。
-:字面の成績よりもスピードもあるよと。

安:まあ、そうですね。やっぱり、でもハナズゴールとかみたいに後ろから行って、あそこまで切れる脚があるかっていうと微妙ですけど、ジョワドもハナズゴールも位置取りが後ろからじゃないですか。ヴィルシーナの場合は前に行ける強みはあると思うんですよね。それで、多少スピードの面で見劣っても、何とか凌げるんじゃないかなっていう感じはするんですけどね。
-:早めに4角でいい位置に来て、ヴィルシーナが来たぞっていうのが見えると。そこからどこまで粘れるかという……。
安:そうですね。意外とこの馬バテないんですよ。追い切りでもバテてないですから。
-:それに、これまでの桜花賞の成績を見てみると、けっこう阪神の馬場が荒れているからなのかは知らないですけど、もともとオークス向きって言っていた馬が桜花賞で勝って、この馬は桜花賞向きって言っていた馬が、府中の方が、馬場が軽いせいで……と、当初の思惑より逆転するっていうこともあるので、ファンにとっては警戒しとかなければいけない一頭かと。阪神のマイルっていうのは、やっぱりジャスト1600のマイルより、プラスアルファの馬場のスタミナっていうのを必要としますから、やっぱり1800~2000mで勝っているっていうのは、すごく強みになると思うんです。
安:確かに。1600とはいえ、2000mでも走れるスタミナは必要だと思います。
-:しかも、こういう血統の馬になってくると、選べないというか、あんまり中距離タイプの馬が実は少なくて、オークスに出た時に、2400の適距離の馬が実は少なかったりして。
安:番組もあんまり無いんですよね。
-:無いんですよ、だからこっちも分からないんですよ。
安:そうなんですよね(笑)。
-:どういったところを頼りにするかというと、“性格”とか“折り合いがつく”とか“バテない”とか、そういうところになってくると思うんですけど。オークスの話になってしまいますが、だから、1秒前にいたら、これは“勝ち”ですからね。上がり33秒6出せなかったら届かないですから。
安:ああ…、確かに。
-:しかも、後ろからコースロスがあったり、馬群を捌かなきゃいけないっていうロスがあるじゃないですか。それでコンマ1秒遅れたら、コンマ1秒あったら圧勝になりますからね。
安:ハハハハ…(笑)。でも道中、ソコソコの位置で競馬ができるっていうのは、やっぱり強みだと思いますけどね、もし最後にバテたとしても。
-:でも、そんなにバタッで急ブレーキがかかって止まるような感じの馬ではないと思うんで。では、ファンの目線でいくと、どの辺りの枠が当たったら一番、好材料といえそうですか。スタートダッシュがいいから、外枠でも不利なく入っていけるとも言えるし。
安:そうですね、まあでも内枠だったら、包まれたら嫌だし、外枠でも多少の距離ロスがあるんで、まあ、できれば4番から10番くらいがいいですけどね(笑)。4番から10番くらいが理想ですか、真ん中くらいが(笑)。
-:まあ……、10人に聞いたら10人そう言うと思いますけれど……(笑)。見栄えがかなりいい馬ですが、パドックの歩き方とか、オットリした性格面であるとか、ファンにこの馬をアピールするとしたら。
安:いえ、パドックまで行ったら、ちょっと気合い乗ります。ただ、ジョッキーが乗ったら素直なんで、そんなにカリカリはしないです。
-:桜花賞の時の阪神のパドックっていうのは、音も反響しますし、馬にとってはストレスがかかる環境だと思うんですよね。お客さんもすごく多いし、パドックを回っている時間も長いし。そういうところでは、こういう性格の馬の方が、有利といえば有利になるかもしれませんね。
安:そうですね。それは言えると思います。
-:やたら他で、チャカチャカしたり、尻っぱねする馬も出てくると思うんですけど。
安:やっぱり、普段からずっと平常心を保てるのは、この馬の強みではあると思いますね。ちょっと気合いが乗っても、全然「ヤバイな」ってところまで気合いが乗ることはないし、イレ込むこともないと思うんで。
-:珍しい牝馬ですよね。牝馬って、もうちょっとカリカリしたり、こう、我が強かったり。
安:そうですね、この馬なかなか珍しいですよ。
-:やっぱり、人に大事にされてきた馬と。
安:やっぱりそれは感じますね。「かわいがられてきたんだろうな」って。でも、たまに何かにびっくりさせられたりすると、尻っぱねして。
-:「嫌だ!!」って。
安:そうそう(笑)、一回雨の日に、どこかの調教師の方が傘をさして前で止まったんですけど、それを物見して、それから逍遥馬道までずっと尻っぱねしながら。ボッコンボッコン、怒って怒って(笑)。まあ、そういう一面もあるんですけど、普段は出さないんで。
-:まあ、それはこの馬だけじゃなくて、どんな馬でも。
安:まあでも、ず~っと怒っていましたね、あの時はね。
-:『ヴィルシーナ』という名前の由来はご存知ですか?
安:オーナーの奥さんが付けたんじゃないですかね。
-:ロシア語で『頂上』という意味ですよね。オークス前に頂上に上りつめられるかどうか。
安:そうですね。いい名前も貰っていることですし。
-:そこはやっぱり、枠入りも全部含めて。
安:やっぱり、僕らの仕事はゲートまで無事に入れるのが仕事だと思っているので、それから後のことはジョッキーにお任せです。ただ、なかなかこういうチャンスも滅多に無いんで。4戦3勝っていう完璧な成績で桜花賞を迎えるっていう馬も、そうそういなですからね。
-:じゃあ、この馬を応援するファンに向けてメッセージを、最後にお願いします。
安:そうですね、素直でいい子なので(笑)、応援してもらえればと思います!
「順調な成長曲線を描くヴィルシーナ」
安田晋司調教助手インタビュー前半→
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(取材・写真)高橋章夫

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