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宮徹調教師

七夕賞は2頭出しで、いずれも人気より前に来る好走を見せたタガノエルシコ(牡8、栗東・宮厩舎)とマックスドリーム(セ6、栗東・宮厩舎)。小倉記念もまた2頭で波乱を狙うことになるが、宮徹調教師いわく差し馬でもタイプは全く別だという。ただ、個性的であることには違いない管理馬について、中間の状態や好走のポイントなどをそれぞれ伺ってきた。

8歳でも衰え知らずのタガノエルシコ

-:小倉記念に管理されている2頭が出走を予定しています。2頭とも前走は七夕賞でした。3、4着という結果だったんですけれど、まずはタガノエルシコから教えていただけますか?

宮徹調教師:タガノエルシコは今日、検疫でまだ(トレセンに)入ってないね。2週間ほど短期放牧に出していて、入厩10日で競馬になると思います。日曜と来週に追ってね。それでも全然、心配ないと思うけど。

-:ということは、放牧先は宇治田原牧場ですね?

宮:宇治、栗東から、すぐそこやからね。ちょっと、パッとして、フレッシュして戻ってきてくれたらいいけど。

-:中間の動きはどうですか?

宮:向こうでやってもらって、牧場スタッフに乗ってもらっているだけだからね。どちらかと言えば、精神的なところをリフレッシュできたらええね。

-:その前回は、内枠から追い込んで来ましたね。

宮:そうやね。欲を言えば3コーナーでもうちょっと動きたかったな。でも、そこまで、よく辛抱をして、田辺騎手は上手く乗ってくれた。ハマれば、差してこられるだけの脚はあるね。

-:これまでの形で言ったら、どちらかと言えば、外枠の時のほうが良かった傾向があったんですけれど、今回は真逆の内枠で結果が出たじゃないですか。

宮:この子は馬込みに入っても、それほど心配はないと思う。勝てるだけの脚はあるし、器用な競馬をするから枠順はそんなに問わないと思うね。ただ、どうしても前に行けないからね。最近、ちょっと行きだしてはいるけど、中団の前くらいまで行けるようになったらもっと結果が出るんやろうね。いつも、どうしても後方からになるから。あと、前がちょっと止まる競馬になってくれたら、持ち味が一段と出るね。

-:前回の上位の馬も上がりが35秒台。上がりは掛かりましたね。

宮:うん。それくらいの展開やったら来るね。(出走メンバー中で上がりが)1番くらいで上がれる馬やけど、いくら1番で上がってもね……。差のないところまでは差して来るんやけど、もうちょっといつもよりポジション上げて、そこそこで上がれれば、もっとチャンスも出てくるんやけどなあ。

-:ポイントとしては、この馬は馬場に敏感なところがあると思うんです。

宮:できたら、瞬発力が利く馬場の方が、持ち味が活きると思うところがある。

-:瞬発力が生きる馬場だったら、スローになった時に極端に上がりが速くなるという。

宮:そうなったら手も足も出ない。自分からグーンと動いてくるタイプじゃないから、そうなった時はちょっとなあ。

-:ハイペースか、ちょい速いぐらいが?

宮:それぐらいでいい。平均より速めがいいね、やっぱり。



-:あと、夏負けというか、暑さが心配だったりはしていませんか?

宮:夏は割とこなす方だと思う。去年も小倉で2着とか3着に来てるし。そこそこの状態に持っていけると思うな。

-:夏負けの見極めとしては、目の周りが黒くなるとか、色んな症状が出る馬がいますね。

宮:そんなんでも、走る馬もおるけどね。発汗せんようになったらアカン。汗かいているようなら、まだこなせるけど。

-:エルシコの場合も、パドックでファンが見た時に、ある程度、健康状態のバロメーターとしては、ちゃんと発汗してるってことが重要になってきますか?

宮:この子おとなしいから、それほどの発汗はないけどね。オットリと歩いても心配はないと思う。夏バテは全然ないと思うよ。

-:そのオットリした性格の馬が、あれだけの瞬発力を出すんですね。

宮:オットリしてるけど、調教とかは行きっぷりもいいし、どっちかって言うと、気は強い子なんだ。

-:馬場に入ったら若干、燃えてくれるところがあるんですね。

宮:そうやね。

-:前走の好走で、今回は人気を集めることになりそうです。前回は極端に人気がなかったじゃないですか。

宮:前回はなさ過ぎたね。どうしても差し競馬一辺倒やから、アタマ(1着)まで突き抜けるのはちょっと難しいかもしれないけど、3着とかそこまでは来る。

-:実際にこれまではG3で3着2回です。

宮:そうそう。重賞に手が届くところまでは来てる馬やし、当時から衰えはないから、立ち回りひとつなんやけどね。チャンスは有ると思う。なんとか勝たせてやりたいね。8歳でよく頑張ってるもん。頑張り過ぎるぐらい頑張ってるわ、この子。

-:あと、ジョッキーなんですけれど、今回は?

宮:(藤岡)康太だね。田辺君がちょっと他の馬になったからね。でも、乗り難しい馬ではないかも。流れが合うか合わんかだけで。

-:これまでの成績見てると、柔らかいタイプのジョッキーの方が良さを生かしてるのかなって。藤岡佑介騎手であったり、田辺騎手であったり。

宮:あんまり強引な騎手は合わんのかも分かんない。欲言えば、ホンマはもうちょい前で競馬して欲しいんやけど。

-:放牧している状況なので、体重までは分からないと思うんですけれども。

宮:そんなに前走と変化ないと思うね。

-:小倉までの輸送はどうですか?

宮:輸送も心配ない。この前、福島で対応してるから、全然変わらん状態で行けると思う。

-:先生はこの馬を長距離輸送のレースで使うことが頻繁にありますが、体重を逆算して、こっち(栗東)で体を造って行かれるタイプですか?

宮:ほとんど造らんね。長い時はちょっと加減してやるけど。

-:小倉までだったら、今回はどんな感じでしょう?

宮:体重は、そんなに気にし過ぎはしないね。減ったら減ったでしゃあないし、増えたら増えたでいい。飼葉を食べて、ある程度やることやってれば、そんなに気にせんでも。あんまり体重気にして仕上げると良くないと思うから。

-:8歳になっても衰えるどころか、充実期に入ってきているので。日本競馬の常識を覆すというか、そういう走りをして欲しいですね。

宮:まあまあ、長い間頑張ってくれてるからね。何とか頑張ってほしいわ。

宮徹調教師インタビュー(後半)
「重症から完全復活したマックスドリーム」はコチラ→

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【宮 徹】 Tohru Miya

1960年兵庫県出身。
1996年に調教師免許を取得。
1997年に厩舎開業。
初出走:
1997年3月2日 1回阪神4日目9R メジロシェルティ
初勝利:
1997年7月26日 2回函館7日1R シャインポイント


■最近のJRA重賞勝利
・13年 アーリントンC
(コパノリチャード号)


1981年3月、馬事公苑騎手長期課程を修了し、田中四郎厩舎所属として騎手デビュー。
以降引退までの16年間、途中2度のフリー転向を含め古川平・大久保正陽などの有力厩舎を渡り歩き、通算136勝をマーク。調教師免許の取得に伴い騎手を引退、翌年栗東に厩舎を開業。
初年度にアインブライドで阪神3歳牝馬Sを制し騎手時代に成し得なかった重賞勝利をG1で遂げたほか、調教師転向後は多くの実績馬を輩出している。