＜札幌記念＞角居厩舎はエア＆オールザットの2頭出し
2013/8/18(日)
函館記念からエアソミュール(牡4、栗東･角居厩舎)、クイーンSからオールザットジャズ(牝5、栗東･角居厩舎)という個性的な2頭を送り込む角居勝彦厩舎。どちらかと言えばそれぞれの前走は陣営にとって物足りなかったに違いないが、どうやら滞在2戦目で多大な上積みが期待できそうな気配。今回はかねてからの競馬ラボユーザーにはお馴染み、松田全史調教助手にそれぞれの近況を伺ってきた。
好相性の鞍上で巻き返し誓うエアソミュール
－：札幌記念を予定しているエアソミュールとオールザットジャズについて聞かせてください。まず、エアソミュールからなのですけれども、前走は折り合いを欠いて、ちょっと負けすぎかなと思う部分がありましたが、その敗因などをお願いします。
松田全史調教助手：調子が良すぎた部分があったので、逆に少し掛かる仕草を見せたり、ジョッキーが大作(松田大作騎手)から竜二(和田竜二騎手)に替わったのもあるし、1コーナーから向正面に入るペースとか、少し気性の荒いところを見せたのですけれども。
－：今回も多分、トウケイヘイローが逃げる形になると思うのですが、同じ轍を踏むようなレースになってしまう恐れであったり、その対策などはありませんか？
松：今回はもっと積極的に乗ってもらおうと思いますし、普段から大作が追い切りをしてコンタクトをとってくれているので、その辺は大丈夫だと思います。
そもそも、竜二がどうこうではなく、毎日コンタクトをとることによって、大作とソミュールの間に絆というか、友達のような間柄ができるようになったと思うので、その辺がレースにも、いい影響が出てくるのかなと感じています。
－：ここ2戦、負けているトウケイヘイロー逆転に向けての対策などがあったら教えてください。
松：積極的にレースをすることが、トウケイヘイローに勝つひとつの作戦だと思うのですが、ただ、ソミュールの良さというのは鋭い瞬発力でもあるので、それを鈍らせないように上手く乗ってくれると思うので、その辺は心配していないです。
－：巴賞みたいにジワっといく感じで？
松：当日の展開だったり、馬場状態だったり。あとは全て大作に任せてやってもらうつもりです。
－：道悪には向いていないというコメントを見たのですが。
松：得意じゃないかもしれないですが、こなせないことはないと思っています。
－：枠順はどちらかというと内枠の方が理想ですか？
松：あとは大作に任せて、やって貰えれば。枠順は関係なく、結果は付いてくると思います。
－：角居厩舎というとコースでの3頭併せという追い切りじゃないですか。函館は狭い馬場ですが、そういう時にはどのような工夫をされていますか？
松：栗東だと逍遥馬道があるので、自然と体の使い方がよくなると思うのですが、こちらはずっと平坦な場所なので、輪線運動で馬の体を柔軟に使えるような状態にして、それからキャンターに持っていく感じにしています。キャンターの前が1番大切だと思っています。
－：騎乗されてパドックをスクーリングするのも大事なひとつですか？
松：そうですね。環境に慣らすということで、大事な一環です。
－：角馬場、追い切り含め、その後のクールダウンも結構入念にされているじゃないですか。その辺を見ると、調教過程を大事にされているなという気がします。
松：ひとつひとつを丁寧にやることがうちの厩舎の良いところだと思いますし、そういう意味では、負荷を掛けるところでは掛ける、掛けないところは掛けない。馬体の柔軟を利用する時は、柔軟を大切にするというような感じで。
7日、エアソミュール(内：助手が騎乗)とオールザットジャズ(外：川須騎手が騎乗)が併せ馬。オールザットジャズが先行し5F67.7-52.7-39.9-13.0、エアソミュールが最後クビ差先着した5F67.1-52.1-39.3-13.0。
滞在2戦目で上積みあるオールザットジャズ
－：次にオールザットジャズについてお願いします。前走は、悪そうな内目を通ったのが敗因のひとつでしょうか？
松：それも有りますし、若干余裕を残したところもあるので、今回そういう意味では体は絞れてきているとは思います。
－：プラス16キロはちょっと想定外だったのでしょうか？
松：暑い所から涼しい所に来て、気候がよくなったせいで、少し残ってしまったのかなという感じはします。
－：滞在になると運動量は落ちてしまいますが、飼葉を食べて実になっていたのはやはり？
松：確かに気候も良いので、負荷を掛けているつもりでも、掛け切れてなかったのか、判断はわからないところがあるかと思うのですが、前走から今回の競馬に向けて、トモの踏み込みが良くなるようにしています。そうすることによって、体の使いがどんどん良くなると思うので、今回は思った以上に体も減ると思いますし、体の使い方も変わってくるので、馬体も締まってくると思います。
－：タニノギムレット産駒じゃないですか。ウオッカに代表されるように、コーナー2つの方が良い産駒が多いと思いますが、この馬はコーナー4つの競馬で成績を出していますね。
松：この馬は、小回りの1800だったり、4つコーナーのところで成績を上げていることが多いので、コースは心配していないです。
－：洋芝の感触はどうでしたか？初挑戦でしたが。
松：結果的に3着でしたが、着差以上に良い競馬が出来たんじゃないかと思います。
－：今回、メンバーがさらに強力になりますが、逆転への対策はありますか？
松：まずは馬体を絞ることと、クイーンステークスの時は人気を背負っていたので、マークされていた部分もあったと思うのですが、今回は気楽な立場でレースに挑めるのと、馬体の柔軟を利用して、トモの踏み込みが良くなりつつあるので、その辺で逆転は可能なのかなと思っています。
－：前回のクイーンステークスより良化していますか？
松：良化させないといけないと思ってます。
－：エリザベス女王杯の時に3コーナーくらいからハミを噛んでいってしまったじゃないですか。見た目はどっしりしていそうな雰囲気も、そういう面が見られると思うのですが、ナイーブなところもあったりしますか？
松：そういう意味では闘争心を凄く持っている馬で、いい方向にこれが向いてくるはずだと思います。
－：最後に、2頭のファンの皆さんにコメントをお願いします。
松：2頭ともここまで順調に来ていますし、相手は強くはなりますが、この馬たちの先を考える上でも良いレースをしてもらわないといけないですし、ファンの皆さんには函館に来て頂いてそれを見てもらいたいと思います。
－：打倒、トウケイヘイロー、トーセンジョーダン、ロゴタイプ。一泡吹かせるシーンを見てみたいですね。
松：そうですね。そういう風に出来るように、新たな角居厩舎のスタイル、調教方法でやっているので、その辺が上手くマッチして、それらの馬より最初にゴール板を通過できるように日々努力します。
－：残り10日ちょっとですが、調整の方を頑張って頂いて、レースの方を迎えて下さい。
松：はい。有り難うございます。イカス競馬場、函館。これ、書いておいてくださいね(笑)。
－：ユニークなメッセージですね(笑)。独特な雰囲気がある競馬場ですからね。是非、足を運んでいただきたいと私も思います。有り難うございました。
松：こちらこそ。有り難うございました。
＜追加更新＞最終追い切り後の状態は？
－：最終追い切りを終えての状態はどうでしょうか？
松：ソミュールに関しては、もう一つギアチャンジがスムーズにいけば良いな、という印象だったんですけれど、この追い切りで変わってくると思います。 ジャズに関しては、先週に乗った川須騎手も「反応が良い」ということだったので、徐々にレースに向けて上手く調整が出来ているのかなと思います。
－：こちらが観た感じでも、ジャズに関しては、本当にこの前のクイーンSよりは良くなってるなと思いました。
松：良くならないとアカンと思いますしね。
－：週末はちょっとお天気が怪しくなってきてるじゃないですか。その辺はどうですか？
松：ソミュールに関してはこなせないことはないと思うんですけれど、プラス材料にはならないのかな、という感じはします。その理由の一つにストライドも大きいですしね。ただ、やってみないとわからないところがあるのと、今週から仮柵が外側に出来たことで馬場が良くなるので、その辺で多少の雨でも大丈夫なのかなと思います。 ジャズに関しては雨が降っても、雨が降った所で勝ったりもしてますし、苦にはしないと思うんです。
－：本当に無事に行って欲しいですよね。枠順も明日決まりますしね。
松：本当に雨も、枠順も、神のみぞ知るという感じなんで。
－：最後にファンに一言お願いします。
松：函館で行われる札幌記念は本当に何回かしかないと思うんですけれど、その内の1回なので、ぜひ函館の方は札幌記念を見に来てもらいたいですし、遠方の方にも函館に札幌記念を見に来てもらうのと、同時にイカール星人にも会いに来てほしいですね？
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