
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
はじめまして松田です。
2011/2/26(土)
競馬ラボをご覧の皆様、はじめまして。
騎手生活23年、その後は調教助手として19年。今年1月に退職しましたが、ご縁があって競馬ラボにコラムを連載させていただくことになりました松田幸春と申します。
退職はしましたが、競馬サークルに対しての思い入れ、競走馬への熱い思いはまだまだ健在です。この様な経験は初めてのことなので自分の言葉でうまく表現できるか心配もありますが、サークル内の面白い話や、競馬ファンの皆様が思う疑問に答えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、2月の最終週といえば調教師の引退ウィークで、今年は7名の調教師の方々が引退されます。その中でも、私としても思い入れが深い、池江泰郎先生、高橋成忠先生についてお話ししたいと思います。
まず池江郎先生は皆様もよくご存知ですね。ディープインパクトを初めとして数々のスーパーホースをターフに送り出された名伯楽ですが、それ以前は騎手であったことも周知の事実です。その頃、私は何度も同じレースに乗りました。逃げの池江、行け行け池江と呼ばれたりもしており、先頭に立たせるとそのままゴール!なかなか、抜かせてはもらえなかったものです。
たしか、私がまだ下乗り時代の1967年、ヤマピットという牝馬がいました。ヒョウのように腹が巻き上がっていてすごく速い馬でした。当時の桜花賞は阪神ではなくまだ京都で開催されており、池江郎先生の乗ったヤマピットと人気を分け合ったのが、他でもない高橋成先生が操るシーエース。軍配はシーエースに上がり、ヤマピットは⑦着でしたが、この一戦はとても印象に残っています。そして、名コンビでもありました。
高橋成先生との思い出は1976年のスワンステークスです。私がロングファスト、高橋成先生が名馬シルバーランドに乗り、叩き合いの末になんとかロングファストで勝つことができました。あの感激は昨日のことのように覚えており、忘れることができません。また、調教師になってからも名馬に恵まれましたね。瀬戸口先生の引退に伴い、メイショウサムソンという多くのファンがいる名馬を預かられ、何かと心労も多かっただろうとお察しします。しかし、その大役を立派に果たされました。
池江郎先生、高橋成先生、そして引退を迎えられるその他5名の先生方。
本当におつかれさまでした。
最後にエールを送らせてください。今週の中山記念に、私の息子(角居厩舎 松田全史助手)が担当しているヴィクトワールピサが出走します。先にドバイ遠征が発表されており、取りこぼしは許されない一戦ですが、それだけメンタルが強い馬だと思いますし、プレッシャーに動じないのが角居厩舎のチームワークです。あえて書きましょう!結果は『勝利しかない』というのが私の見解で、全史(まさふみ)の笑顔が見られるものだと確信しています。
騎手生活23年、その後は調教助手として19年。今年1月に退職しましたが、ご縁があって競馬ラボにコラムを連載させていただくことになりました松田幸春と申します。
退職はしましたが、競馬サークルに対しての思い入れ、競走馬への熱い思いはまだまだ健在です。この様な経験は初めてのことなので自分の言葉でうまく表現できるか心配もありますが、サークル内の面白い話や、競馬ファンの皆様が思う疑問に答えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、2月の最終週といえば調教師の引退ウィークで、今年は7名の調教師の方々が引退されます。その中でも、私としても思い入れが深い、池江泰郎先生、高橋成忠先生についてお話ししたいと思います。
まず池江郎先生は皆様もよくご存知ですね。ディープインパクトを初めとして数々のスーパーホースをターフに送り出された名伯楽ですが、それ以前は騎手であったことも周知の事実です。その頃、私は何度も同じレースに乗りました。逃げの池江、行け行け池江と呼ばれたりもしており、先頭に立たせるとそのままゴール!なかなか、抜かせてはもらえなかったものです。
たしか、私がまだ下乗り時代の1967年、ヤマピットという牝馬がいました。ヒョウのように腹が巻き上がっていてすごく速い馬でした。当時の桜花賞は阪神ではなくまだ京都で開催されており、池江郎先生の乗ったヤマピットと人気を分け合ったのが、他でもない高橋成先生が操るシーエース。軍配はシーエースに上がり、ヤマピットは⑦着でしたが、この一戦はとても印象に残っています。そして、名コンビでもありました。
高橋成先生との思い出は1976年のスワンステークスです。私がロングファスト、高橋成先生が名馬シルバーランドに乗り、叩き合いの末になんとかロングファストで勝つことができました。あの感激は昨日のことのように覚えており、忘れることができません。また、調教師になってからも名馬に恵まれましたね。瀬戸口先生の引退に伴い、メイショウサムソンという多くのファンがいる名馬を預かられ、何かと心労も多かっただろうとお察しします。しかし、その大役を立派に果たされました。
池江郎先生、高橋成先生、そして引退を迎えられるその他5名の先生方。
本当におつかれさまでした。
最後にエールを送らせてください。今週の中山記念に、私の息子(角居厩舎 松田全史助手)が担当しているヴィクトワールピサが出走します。先にドバイ遠征が発表されており、取りこぼしは許されない一戦ですが、それだけメンタルが強い馬だと思いますし、プレッシャーに動じないのが角居厩舎のチームワークです。あえて書きましょう!結果は『勝利しかない』というのが私の見解で、全史(まさふみ)の笑顔が見られるものだと確信しています。

プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。