
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Go To 100
2013/10/17(木)
歴史的な暑さが嘘だったかのような寒さがやってきました。栗東では前日が30度もあったのに、次の日には最低気温が10度台に入るなど、その温度差に、風邪をひいてしまわないかと思っていましたが、毎日の散歩で鍛えていたおかげで大丈夫でしたよ(笑)。その寒さと共に訪れたのが台風26号でした。前回の台風で栗東市は早めの避難勧告を出すなど、対応の成長力を見せてくれましたが、伊豆では、多くの被災者がでる結果となり、なぜ避難を指示しなかったのかと悔しい思いがこみ上げてきました。更に、心配になるのは、農家(百姓)の皆様です。台風で、大きな被害でコツコツと育てたものが根こそぎなくなってしまっていないかと心配しております。
さて競馬では、コツコツと頑張った結果で100勝ラッシュとなりました。リーディングトップを走る川田君を筆頭に福永、岩田、浜中騎手が揃って年間100勝を達成しました。昔なら年間ふた桁でも多い方だったのに時代は変わりましたね!これからも更に上を目指していってもらいたいと思います。
そしてG1・100勝がかかった豊ちゃんが出場した秋華賞が京都競馬場で行われました。一番人気に推奨されたのは、G1未勝利ながら、前走のトライアルで不良馬場を差し切り、力を見せつけたお洒落な女の子デニムアンドルビーでした。それに続いたのが器用差では群を抜いていたスマートレイアーと豊ちゃん、そして3番人気にオークス馬で、100勝時に百姓ライターを作成した幸四郎とメイショウマンボでした。
レースはスタート直後、慎重になりすぎたデニムアンドルビーが出遅れる結果となりました。馬は、頭と体のバランスが走る際には取ることが非常に難しく、一度ずらしてしまうと中々取り戻すことができません。それは騎乗している者にしか分からない感覚なので内田騎手にしかわかりませんが、正にデニムアンドルビーは、その負のスパイラルに入ってしまったのではないでしょうか。その姿を見てか、スマートレイアーが後ろから全体の流れを見る形となりました。
迎えた4角では、ぐいぐいと追われて脚を伸ばすデニムアンドルビーをじっくり眺めながら、追い出すタイミングを計り、馬の力を信じて、道中も折り合いをつけた名門一家の末っ子とメイショウマンボが他馬を置き去りにしての2冠を達成しました。道中もそうですし、馬を若駒の時から作りあげた信頼が結果に結びついたと思います。そして、日本人ジョッキーで初めて兄弟で、G1のワンツーフィニッシュという記録付きでの勝利は喜びも相当だったと思います。本当におめでとう!負けたデニムアンドルビーは、今回はベストな走りができなかったかもしれませんが、そこは名手・内田騎手と名門・角居厩舎ですから、エリザベス女王杯ではこの馬が再度、巻き返すと思っています。
牝馬三冠が終わると、次は牡馬三冠、最後のレース菊花賞が行われます。3000mでタフなレースになり、更に坂とコーナーを味方にしなければ勝つことが厳しいレースです。更には、血気盛んな男の子ですから、馬とどれだけコミュニケーションが取れるかがポイントになってきます。その全てが揃った、本当に強い馬だけが勝てるレース菊花賞だけに予想も難しいものとなってくると思います。
まず一番人気に上がるのはロゴタイプ、キズナにも引けをとらない才能を持ったエピファネイアになるでしょう。この馬の力は誰もが認めるのですが、心配は激しい気性と折り合いです。今週の荒れた気象のように最後の一冠に強さの嵐を見せつけるか非常に楽しみにしております。その他で、私が最も注目しているのは、同厩舎のフルーキーです。夏の上がり馬で、体もでき上がってきました。まだまだ若さは残りますが、その可能性に夢を見たいと思います。更にはマジェスティハーツやユールシンギングと新しい芽にも注目したいと思っております。穴でヒラボクディープも密かに応援していきます!本当に強い馬はどの馬か?皆様も是非、日曜日はその目で確かめてください!!
今週はもうひとつ、書かせてください。それは、後藤浩輝騎手のことです。
盛岡で行われた南部杯で、見事、騎手生活絶望と言うケガから復活し、すぐでのG1制覇を達成に、大きな勇気と感動を貰いました。私自身は、ケガにより引退をしてしまいましたが、後藤君はそれでも諦めなかった。馬乗りがケガをすると、あんなに好きだった馬の上が恐怖でしかなくなり、そこから心を騙し騙し乗っても、プロとして再度、心を強く、自分が納得する騎乗は難しくなります。
しかし、彼はやり遂げた。そして掴んだ栄光は、陽の目を浴びずとも、流した彼の努力がもたらした必然の結果だったと思います。レースもペース配分に加え、逃げ馬の特性を活かし、ミリ単位でハミを動かし、常に2馬身を守り続けたことで、馬の能力を出し切った見事な騎乗でした。この勢いで次は中央で復活G1制覇を期待しています!
おかえりGo To G1制覇!!!!!!!!!!!!!
さて競馬では、コツコツと頑張った結果で100勝ラッシュとなりました。リーディングトップを走る川田君を筆頭に福永、岩田、浜中騎手が揃って年間100勝を達成しました。昔なら年間ふた桁でも多い方だったのに時代は変わりましたね!これからも更に上を目指していってもらいたいと思います。
そしてG1・100勝がかかった豊ちゃんが出場した秋華賞が京都競馬場で行われました。一番人気に推奨されたのは、G1未勝利ながら、前走のトライアルで不良馬場を差し切り、力を見せつけたお洒落な女の子デニムアンドルビーでした。それに続いたのが器用差では群を抜いていたスマートレイアーと豊ちゃん、そして3番人気にオークス馬で、100勝時に百姓ライターを作成した幸四郎とメイショウマンボでした。
レースはスタート直後、慎重になりすぎたデニムアンドルビーが出遅れる結果となりました。馬は、頭と体のバランスが走る際には取ることが非常に難しく、一度ずらしてしまうと中々取り戻すことができません。それは騎乗している者にしか分からない感覚なので内田騎手にしかわかりませんが、正にデニムアンドルビーは、その負のスパイラルに入ってしまったのではないでしょうか。その姿を見てか、スマートレイアーが後ろから全体の流れを見る形となりました。
迎えた4角では、ぐいぐいと追われて脚を伸ばすデニムアンドルビーをじっくり眺めながら、追い出すタイミングを計り、馬の力を信じて、道中も折り合いをつけた名門一家の末っ子とメイショウマンボが他馬を置き去りにしての2冠を達成しました。道中もそうですし、馬を若駒の時から作りあげた信頼が結果に結びついたと思います。そして、日本人ジョッキーで初めて兄弟で、G1のワンツーフィニッシュという記録付きでの勝利は喜びも相当だったと思います。本当におめでとう!負けたデニムアンドルビーは、今回はベストな走りができなかったかもしれませんが、そこは名手・内田騎手と名門・角居厩舎ですから、エリザベス女王杯ではこの馬が再度、巻き返すと思っています。
牝馬三冠が終わると、次は牡馬三冠、最後のレース菊花賞が行われます。3000mでタフなレースになり、更に坂とコーナーを味方にしなければ勝つことが厳しいレースです。更には、血気盛んな男の子ですから、馬とどれだけコミュニケーションが取れるかがポイントになってきます。その全てが揃った、本当に強い馬だけが勝てるレース菊花賞だけに予想も難しいものとなってくると思います。
まず一番人気に上がるのはロゴタイプ、キズナにも引けをとらない才能を持ったエピファネイアになるでしょう。この馬の力は誰もが認めるのですが、心配は激しい気性と折り合いです。今週の荒れた気象のように最後の一冠に強さの嵐を見せつけるか非常に楽しみにしております。その他で、私が最も注目しているのは、同厩舎のフルーキーです。夏の上がり馬で、体もでき上がってきました。まだまだ若さは残りますが、その可能性に夢を見たいと思います。更にはマジェスティハーツやユールシンギングと新しい芽にも注目したいと思っております。穴でヒラボクディープも密かに応援していきます!本当に強い馬はどの馬か?皆様も是非、日曜日はその目で確かめてください!!
今週はもうひとつ、書かせてください。それは、後藤浩輝騎手のことです。
盛岡で行われた南部杯で、見事、騎手生活絶望と言うケガから復活し、すぐでのG1制覇を達成に、大きな勇気と感動を貰いました。私自身は、ケガにより引退をしてしまいましたが、後藤君はそれでも諦めなかった。馬乗りがケガをすると、あんなに好きだった馬の上が恐怖でしかなくなり、そこから心を騙し騙し乗っても、プロとして再度、心を強く、自分が納得する騎乗は難しくなります。
しかし、彼はやり遂げた。そして掴んだ栄光は、陽の目を浴びずとも、流した彼の努力がもたらした必然の結果だったと思います。レースもペース配分に加え、逃げ馬の特性を活かし、ミリ単位でハミを動かし、常に2馬身を守り続けたことで、馬の能力を出し切った見事な騎乗でした。この勢いで次は中央で復活G1制覇を期待しています!
おかえりGo To G1制覇!!!!!!!!!!!!!

プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。