現役関係者コラム

松田幸春の競馬なんでも相談室

今週は嬉しいニュースがありました。
先日サッカー女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンの選手達が、団体種目としては史上初となる国民栄誉賞を受賞しました。響きも懐かしいなでしこフィーバーが続きます。PK戦になった時の佐々木監督の笑顔、全ての重圧を受けて立ったキーパー海堀選手の冷静な判断、そして何よりもチーム一丸となって戦い抜いた選手達。大きな災害で苦しむ日本の多くの人たちに最後まで諦めずに立ち向かう姿勢と感動を与えてくれました。

この余韻の中、なでしこジャパンに続けとヴィクトワールピサヒルノダムールナカヤマフェスタナカヤマナイトの4頭がフランスの凱旋門賞出走のため、競走馬のチームジャパンとして8月10日午前、直行便で旅立ちます。これら全てに関わる人や馬達の無事と健闘を祈ります。

PS.なでしことはなでたくなるほど美しい花と言う意味。秋の七草のひとつです。

時期も時期なので、今週は競走馬の輸送についてお話します。
昭和30年当初まで馬陸上輸送は鉄道(貨物)で何日もかけて行われていました。現在では自動車によるものが主体です。今も昔も、馬を長距離輸送するのはとても大変な仕事で、疝痛や肺炎などの病気を発症させることなく、無事に目的地まで届けられるかという点に注意し綿密な輸送計画が立てられているのです。

不測の事態にすぐ対処できる厩務員や馬運車の運転手をあて、常に馬の健康管理に細かく配慮します。現在は道路も良くなり輸送時間を短縮できるようになったのですが、この原則は変わっていませんし、変えてはいけないものだと感じています。


=競走馬輸送に関する留意点=
①輸送計画は人・馬共に無理のないように!
②荷物類はしっかり固定する!
③車内がムラなく換気できるようにする!
④水を充分与え給餌する!
※濃厚飼料はできる限り少なく。

=平均輸送時間=
栗東⇒函館 約20時間(青森→函館フェリー4時間を含む)
栗東⇒小倉  約8時間
栗東⇒新潟  約7時間