
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
プール調教の様々な効果
2011/3/18(金)
この度の東日本大地震、大津波で被災された多くの皆さまにお見舞い申し上げます。
私もドバイ出張中(ヴィクトワールピサ)の長男、東京在住で本人もかなり怖い思いをしただろう次男から「大丈夫?生きてる?」と言う短いですが安否を気づかうメールが届きました。彼らの優しさになんだか胸が熱くなったのは、年のせいでしょうか?
一日も早い復興を心よりお祈りいたします。
さて、今回は競馬ラボに質問が多いという、馬のプールについてお話したいと思います。
競走馬にプール調教が取り入れられるようになったのは1988年8月頃からです。馬は浮力によって浮くことができます。人間でいう「カナヅチ」は、動物にはないと言われていますが、以前誘導の失敗で溺れた馬がいました。なので、50mあるプールに入る時の誘導はゆっくり静かに行います。
水を怖がったり入場を拒否する馬もいますが、無理やり入れる事は避け、もう一度やり直して時間をかけ、水に慣らしてから入る事が大切です。プールから上がる時には退出路に入り前肢が底に着いた事を馬に確認させ、勢いを抑え静かに誘導し水泳姿勢のまま突進したり、横転などによってケガや事故を起こさぬよう全ての事に細心の注意を払わなければいけません。
水圧によって胸を圧迫し水中で息をするために呼吸は深く激しいものとなります。この事により肺機能が高められ、さらに血液循環が促進され、心臓機能も同時に鍛えられるのです。推進力で水中を進むため筋力アップにつながります。また調教後のクールダウンとしてリフレッシュ効果を高めたり、故障明けの馬の脚元に負担をかけぬようメニューに取り入れられたりと、プール調教は様々な効果が得られるのです。
★犬かきならぬ馬かき(笑)
私もドバイ出張中(ヴィクトワールピサ)の長男、東京在住で本人もかなり怖い思いをしただろう次男から「大丈夫?生きてる?」と言う短いですが安否を気づかうメールが届きました。彼らの優しさになんだか胸が熱くなったのは、年のせいでしょうか?
一日も早い復興を心よりお祈りいたします。
さて、今回は競馬ラボに質問が多いという、馬のプールについてお話したいと思います。
競走馬にプール調教が取り入れられるようになったのは1988年8月頃からです。馬は浮力によって浮くことができます。人間でいう「カナヅチ」は、動物にはないと言われていますが、以前誘導の失敗で溺れた馬がいました。なので、50mあるプールに入る時の誘導はゆっくり静かに行います。
水を怖がったり入場を拒否する馬もいますが、無理やり入れる事は避け、もう一度やり直して時間をかけ、水に慣らしてから入る事が大切です。プールから上がる時には退出路に入り前肢が底に着いた事を馬に確認させ、勢いを抑え静かに誘導し水泳姿勢のまま突進したり、横転などによってケガや事故を起こさぬよう全ての事に細心の注意を払わなければいけません。
水圧によって胸を圧迫し水中で息をするために呼吸は深く激しいものとなります。この事により肺機能が高められ、さらに血液循環が促進され、心臓機能も同時に鍛えられるのです。推進力で水中を進むため筋力アップにつながります。また調教後のクールダウンとしてリフレッシュ効果を高めたり、故障明けの馬の脚元に負担をかけぬようメニューに取り入れられたりと、プール調教は様々な効果が得られるのです。
★犬かきならぬ馬かき(笑)

プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。