
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
難しい性格
2024/2/28(水)
皆さん、こんにちは!私の大好きな大相撲で大問題がおきました。宮城野部屋の北青鵬関がいじめ問題を起こし、角界からの引退を余儀なくされました。元白鵬の宮城野親方も、今後は売店などに出る必要があるほどのランクまで下がる模様です。恵まれた体格で荒々しい相撲で注目しており、今後相撲を覚えたら面白い力士になるぞ!と期待していただけに本当に残念です。

さて、難しい性格をしながらも能力がある馬は沢山います。特に今そういった観点でいうとウシュバテソーロが挙げられると思います。この馬の場合は、自分をしっかり持っている上に賢いんだと思います。そこを理解し、厩舎や騎手が彼を尊重しながらやってきているのがよく分かります。だからこそサウジカップでもあそこまでのレースができたと思います。結果だけがついてこなかった、ツイてなかったと思える内容でした。

難しい性格といえばアメリカでゴジラと呼ばれたラニがいますね。そのラニ産駒のリメイクがやってくれました。アメリカの馬も2頭参加する中、リヤドダートスプリントを圧巻の走りで制覇しました。まるでカペラSを制した時のような走りで、息子(中東コラム連載中の全史)がリメイクの瞬発力を活かせるよう細かいところから丁寧に丁寧に仕上げてきた成果がでたのかな?という非常に嬉しいレースになりました。
その他にもフォーエバーヤングがサウジダービーを圧巻の能力を見せて勝利し、日本馬のサウジアラビア遠征としては素晴らしい結果になったのではないでしょうか。

今週は複数の調教師が引退、そして新人騎手のデビューがあります。出会いがあれば別れがあるように、デビューもあれば引退もある感情として難しい週になりそうです。そんな中、ディープインパクト記念 弥生賞が中山競馬場で日曜日に行われます。凱旋門賞馬ソットサスの弟シンエンペラーに、セリでも注目を集めたダノンエアズロックに人気が集まります。
シンエンペラーは若さが残っていると思っていますが能力だけでG1でも好走しており期待しかありません。ダノンエアズロックもまだまだ奥がありそうな馬で品が良いですよね。ダービーを盛り上げてくれるであろう2頭の直接対決。果たしてどちらに軍配が上がるか、はたまた別の馬が躍り出てくるのか。結果は日曜日です!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。