
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Sasaki Week
2025/8/13(水)
皆様、こんにちは。世間はお盆休みに入りました。私はいつもより少し遅れてではありますが、お墓参りに行ってきました。道中は車・車・車の大渋滞で、普段の倍以上の時間をかけてようやく到着。しっかりとご挨拶をしてきました。猛暑の中、甲子園で戦う高校球児や、現場で働くホースマンたちの大変さを改めて感じた一日でもありました。

そんな中、佐々木大輔騎手が2日連続で重賞制覇を成し遂げました。土曜日は札幌で行われたエルムSを、日曜日には中京で行われたCBC賞を制し、見事な重賞連勝。以前は“北の大地で勝つ”イメージが強かった彼ですが、今や全国どこでも通用するトップジョッキーへと駆け上がりました。
インタビューでは口下手な印象もありますが、競馬では職人のように勝負を仕掛け、多少バテた馬でも動かす技術を持っています。そうした巧みな騎乗こそ多くの結果を生んでいる要因でしょう。毎年のようにパワーアップしており、G1制覇も近い存在になったと感じさせる週末でした。

今週はG2札幌記念が行われます。超G1級メンバーとまではいきませんが、注目はホウオウビスケッツです。岩田康誠騎手が大切に育ててきただけに、ここをステップにG1へと羽ばたいてほしいと思っています。個人的には康誠騎手のG1制覇をもう一度見たい、そんな思いがあります。
また、G1ウィナーのステレンボッシュもここから始動。鞍上には池添騎手が選ばれ、この新コンビは相性が良さそうな印象を受けます。さらに、佐々木騎手鞍上のヴェローチェエラやコスモキュランダなど、楽しみなメンバーが揃いました。真夏の暑さを忘れさせてくれる熱い一戦を期待しましょう。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。