
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
各騎手のNEXTレベル
2025/12/18(木)
皆様、こんにちは。今年の注目ドラマ ザ・ロイヤルファミリーが、ついに最終回を迎えました。競馬という「血のロマン」が非常に丁寧に描かれたドラマで、多くの人に競馬の素晴らしさが伝わったのではないかと、私もうれしくなりました。もちろん、現実の競馬は簡単に勝ち上がれるものではありませんが、毎週ドキドキ・ワクワクさせてくれた素晴らしい時間を本当にありがとうございました。

興奮冷めやらぬ先週の競馬を振り返りましょう。阪神競馬場で行われた阪神ジュベナイルFでは松山君とスターアニスのコンビが見事な勝利を挙げました。デビュー時から「いい馬だな」と注目していましたが、今回はまさに圧巻の走り。マイル戦への対応が鍵でしたが、最後は追い出しを一呼吸待てるほど抜群の手応えでした。あの突き抜けた末脚を見ると、来年の桜花賞やNHKマイルCでも本当に楽しみな一頭になったと思います。

ダート界では川崎競馬場で2歳Jpn1全日本2歳優駿が行われ、岩田望来君とパイロマンサーのコンビが勝利しました。ナイターや左回りに戸惑いを見せる場面もありましたが、豊ちゃんが作ったスローペースの恩恵を受けて馬を落ち着かせると、最後は力強い二の脚を使って押し切りました。
2着には最内枠から非常にロスのない立ち回りを見せた田口君とタマモフリージア。3年目の彼にとっては悔しいハナ差の2着となりましたが、勝利した望来君とそれに肉薄した田口君。新世代の二人がJpn1の舞台で見せてくれた激闘は彼らが次のステップへとレベルアップしたことを確信させてくれる素晴らしいレースでした。

今週は阪神競馬場で朝日杯フューチュリティSが行われます。注目はやはりアドマイヤクワッズでしょう。友道厩舎のアドマイヤ、そしてデイリー杯からというローテーションはかつての名馬アドマイヤマーズを彷彿とさせ、期待せずにはいられません。
他にも、実力は本物のリアライズシリウスやエコロアルバ、福永厩舎の初G1制覇がかかるダイヤモンドノットなど、非常に楽しみなメンバーが揃いました。2025年の競馬も残すところあと2週!最後まで後悔のないよう全力で楽しみましょう。
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。




