
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

4月28日時点1614勝
新シーズンの幕開け!リーディングジョッキーも思わず笑みの大物が
2015/1/23(金)
「ルージュバックはこの前に破った2着の馬(ベルーフ)も500万下のエリカ賞を勝ちましたからね(のちに京成杯勝ち)。なので、そういう相手関係から見ると、楽しみなのかなと思いますね」
外枠が功を奏したローデッド

-:まず、直近のレースから振り返ってもらいたいと思います。
フェアリーS(G3)のローデッド(牝3、栗東・荒川厩舎)はあの枠を見ると、これは厳しいのかな、と正直に思ったのですが、なおかつゲートでもちょっと遅れる形。それでいて2着とは驚きました。
戸崎圭太騎手:僕はあの馬の過去の映像を視て、自分のイメージした感じだと、逆に枠は良かったなと思います。
-:それは反応が良過ぎないというか、スッと動くタイプには見えないイメージでしたね。
圭太:どこか不器用そうな感じだったので、どうにでも動ける外枠の方が良かった印象はしていますね。結果2着だったから、それが良かったかどうかは分からないですが。
-:やっぱり、あの枠であれだけ来る訳ですから、馬自体は力はあるのだと思いましたし、あそこを上げていって残っているくらいですから、周囲から見れば人馬に対する評価も当然かという気はしました。
圭太:思ったよりも良いバネをしていて、体全身で走るフットワークをしていましたね。ただ、「速い脚というか、切れる脚がない」感じは、厩舎スタッフの方も言っていたので、なるべく勝負どころでは先団にいたいと思っていました。
-:2戦目までは結果が出ていなくて、3戦目で一応レコード勝ちして、そこの変わり身というのは、乗ってらっしゃらないので分からないと思いますが、そんな話はされましたか?
圭太:いや、特にはしていないです。ただ、前走を視ても、普通のレースじゃないと言ったら語弊がありますが、型に嵌まったレースではなかったので、そういうイメージではいましたね。ゲートも遅いし、途中から動いて行ってるし。
-:それでいて勝ち切るというところに魅力がありましたよね。ディープ産駒だったら、ゲートのああいう反応の悪さなどではなく、もうちょっとスッと動いて、直線でも切れるイメージがあります。
圭太:渋太いですね。ああやって道中で脚を使ったら、普通はタレていってしまう面もあると思うので。
-:この血統といえば気難しいイメージがあります。精神面はどうだったでしょうか?
圭太:う~ん、まだ幼い感じですね。子供のようなところがある感じです。ゲートの中もジッとしていないですね。我慢が出来ない感じです。

8枠15番という条件を克服し2着に食い込んだローデッド
-:その前日はシンザン記念(G3)でサトノフラム(牡3、栗東・安田隆厩舎)に騎乗。そちらはいかがでしたか?
圭太:落ち着いていて、良い返し馬も出来て、雰囲気は良かったんですけどね。まあ、新馬の時よりは少し気持ちが入っている感じでしたが、それほど終始引っ掛かっていたという感じではないので、許容範囲なのかなと思いながら走っていました。そこから京都の(下りの)坂でまとまらなくなったというか、少しバラつきが出てきて、それが最後に影響したかなという感じがしていますね。
-:状態面も良い頃に比べると。
圭太:どうなんですかねぇ。どこが悪いというのは感じないですが……。
-:新馬戦のパフォーマンスを見ると、なかなかこの3戦があまりにもかけ離れていて、どうしたのかなというイメージが強いのですが。
圭太:まだ、気持ちと体のバランスがマッチしていないというところは感じましたね。
-:中山金杯(G3)のクランモンタナ(牡6、栗東・音無厩舎)はいかがでしたか?
圭太:あの馬には付いていけないペースでしたね。忙しい競馬でした。
-:それをもう少し下げて乗ったからどうこうという訳ではないと。
圭太:そうですね。ペースと速い馬場です。正直、時計が速いと苦しいタイプだと思います。
-:じゃあ、洋芝だったら?
圭太:それと、ペースが遅かったりすれば、全然違うと思いますね。オープンクラスに行ったら、条件は必要だと思いますからね。

G1を制した舞台で反撃を期したクリソライトだったが……
-:東京大賞典(G1)のクリソライト(牡5、栗東・音無厩舎)は有馬記念翌日ということもあり、鞍上には注目が集まったと思いますが、残念な結果に終わりました。
圭太:う~ん、日本テレビ盃の時よりは、何かやっぱり感じが違いましたね。連戦の疲れが来ていたのかなと。
-:この馬は、普段から状態面が結構左右されるというか、アップダウンが激しいのかなという印象を受けるのですが。
圭太:日テレの時は素晴らしかったですけどね。なかなか、ああいうパフォーマンスは見せれないですからね。
-:あれは、相手がどうこういうよりも、あの時の状態もすごく良かったから、ああいうパフォーマンスが出来たということですね。
圭太:ええ、感じは良かったですね。
-:それを維持していれば、こういうメンツに入っても良い戦いが出来ると。
圭太:そうですね。良い時を知っているからこそ、今回は全然違いましたね。
いよいよ2015年初戦に登場!ルージュバック
-:そして、年も変わったことで、クラッシック路線も本格化。牡馬に関しては確たる存在・お手馬は手探りかもしれませんが、牝馬はルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)という存在がいますね。周囲からも相当期待が高まってきているのかという印象を受けるのですが。
圭太:そうですね。この前に破った2着の馬(ベルーフ)も500万下のエリカ賞を勝ちましたからね(のちに京成杯勝ち)。なので、そういう相手関係から見ると、楽しみなのかなと思いますね。
-:しかも、破った上に、京成杯でも人気するであろう状態ですからね。
圭太:そうですね。
-:それを辛勝ではなく、アッサリ突き放しているぐらいですからね。期待は高いと。これは、きさらぎ賞に乗りに行かれる予定ですね。
圭太:そうです!
-:牡馬相手です。
圭太:ええ(ニヤリ)。
-:そこでも良い戦いが出来るのかなという気はしますね。
圭太:まあ、そうですね。してもらいたいですが……。

-:そこで結果が出ると、牝馬の枠を超えているレベルになってきそうな気がするのですが、前回見た感じでも、そういう感じは受けますからね。
圭太:そうですね。
-:割りと短めなコメントが続きますが、敢えて控え目なコメントに終始されているように……?
圭太:そうですね。色々と経験して学んでいるんでね(苦笑)。
-:しかし、表情を見ていると、評価の高さが窺い知れます。
圭太:そうですか。ハハハ(笑)。何にせよ、ずっと乗りたいですね。
-:新馬戦後は「まずまず能力はありそうだ」みたいな話はされていましたが、前回で手応えは上がったということですね。
圭太:フフフ。
-:笑っていますからね。分かりました。では、こちらは次回にタップリとよろしくお願い致します。
圭太:ありがとうございます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。