'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
4月29日時点1486勝
春男が今年も躍動!好調の春競馬を振り返る
2015/3/27(金)
我慢がつながったサクラゴスペル
-:オーシャンS(G3)のサクラゴスペルは快勝でした。これはあまりに鮮やかで驚きを覚えたほどです。
圭太:初めて乗せていただいたのですが、「返し馬は力んで走る」と聞いたものの、すごくリラックスして走って良い形で返し馬を終えられました。レースも前に行く馬がいたので、そのまま行かせてその後ろで、というイメージだったのですが、ゲートを出てから進路が狭くなったりで、思ったより位置取りは後ろになりましたね。それでも、結果的にはその分、終いが切れたのかなというのはありましたね。
-:不利の影響もあったとはいえ、思った以上に、随分と後ろにいるなと。逆に功を奏したという訳じゃありませんが、災い転じて福となす、という結果でしたね。
圭太:そうですね。思っていた以上に後ろでしたから。なおかつ、あのペースでも馬が我慢出来たというのが、最後の脚に繋がったんじゃないのでしょうか。
-:そして、あの追い切りを数字(※)で見ると、なかなか馬券を買う身としては、買い辛い要素かなと思いました……。最近の美浦の坂路はいかがですか?
※4F57.7-16.5秒
圭太:雨が降ると重くなりますかね。一時期よりは良いのですが。
-:時計とか数字にはあまり騙されない方が良いですか?
圭太:いや、あの馬はおそらく気難しいのです。終いが掛かっているのも、嫌気を差しているのだと思いますよ。
-:しかし、レース自体は全然悪さがなかったということですね。
圭太:そう、全然ないですね。今回は良いところを出してくれましたね。
▲「サクラ」冠オーナーが今年挙げた4勝中3勝は戸崎騎手によるものだ
春男!今年も3月に加速
-:そして、3月に入って勝ち星を重ねられていますが、その要因はありますか?
圭太:去年も何か理由があって3月から調子良くなりましたが、自分自身が3月は調子が良いのかなと。
-:一昨年も勝っていましたよね。相性が良いのか、巡り合わせが良いのか?
戸崎圭太騎手マネージャー:季節の変わり目だから?ハハハ。
圭太:暖かくなって?
-:ただ、3/15(日)の大活躍では、1日先週の後半の4~5勝目くらいでは、流石にここで連勝は止まるのかな、と思いましたけどね。(馬券圏内に)来ても勝つまでは……と。そうでもなかったです。
圭太:ただ、以前の増沢先生との対談は、僕の中ではすごく実になっていますね。
-:それは当時もおっしゃっていましたが、本当ですか??
圭太:悩んでいるとまでいかないですが、この馬どうやって乗ろうかな、みたいな迷いが、先生の話を聞いて、勇気づけられたというか、どこか思い切って乗れるようになったのでね。
-:シンプルに行けばと。
圭太:スタートをポンと出して、その後は自信を持って乗る、というシンプルにね。
▲3/15(日)は1日5勝+7戦連続連対と大活躍!
▲同じく15日(日)は「戸崎」の名がtwitterトレンド入り!
-:中山で乗っていても、前のポジションにいないですよね。一昨年に比べれば、位置取りがだいぶ後ろにいることが増えた気がします。
圭太:そうですね。中山は後ろからの方が乗りやすいかな、という意識の変化もありますが、そういう面でも思い切って乗れるようになったのはあると思いますね。
-:平均通過順で見れば絶対に2年前とは違うはずですよ。
圭太:2年前は移籍した年ですよね?それは全然違うと思いますよ。
-:自信を持って乗れるようになってきたと。
圭太:別に、自信は特に持っていないですが(笑)、思い切って乗れるようになったかなと。
-:あとは歯の矯正の結果、それはないですか?
圭太:いや~、特にないですね(笑)。もう2月からやっていますからね。歯医者さんは心配してくれたのですが……。
-:歯医者さんは成績が下がらないか、心配していたということですね。
圭太:でも、「問題なくて良かった」と。
-:移籍3年目で進化を魅せる戸崎騎手。引き続き活躍を期待しております!次は桜花賞の話題なども入ってくると思いますが、よろしくお願い致します。
圭太:よろしくお願い致します!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。